恥ずかしい歴史教科書を作らせない会

改憲で「戦争する国」、教基法改定で「戦争する人」づくりが進められる今の政治が
将来「恥ずかしい歴史」にならぬように…

「入港禁止法案」と、パフォーマンス合戦

2004年03月18日 | 外交・国際
 民主党は、いわゆる「入港禁止法案」の今週中の国会提出を図りました。これに対し、野党に先手を取られまいと自民・公明の与党が実務者協議で合意しました。
 民主案・自公案は、航空機への摘要など細部にわずかな違いがあるだけです。充分な審議を尽くし、修正を行えば対案を出す必要などありません。彼らの狙いは別にあるのです。
 それは拉致被害者家族会とその支援者の支持です。例えば横田氏ご夫妻や蓮池氏らが「今の政府はあてにならない」と言えば、参院選に大きな影響が出ます。先陣争い・主導権争い・手柄争いに躍起になるのは、夏の参院選に向けた「パフォーマンス合戦」に過ぎません。

 日朝交渉が進まない中、政府・与党内に「次回の交渉日程の返事待ちをしている時に北朝鮮側を刺激すべきではない」との慎重論も厳然としてあります。確かに、既に成立した改正外為法と合わせ、「圧力」ばかりを強調する動きが、日朝交渉に悪影響を及ぼしていることは事実です。
 また、一度これらの「外交カード」は切ってしまえば、その「カード」を再び使うことはできません。それで手詰まりとなれば、後は武力行使、すなわち「戦争」への道しかなくなります。戦争になれば、拉致被害者家族の帰国の方法がなくなることを忘れてはなりません。
 こちら側からの空爆で命を落とされるかもしれませんし、真っ先に殺される危険性も否定できません。
 そのようなことを思えば、自民・公明・民主の「将来のことより目先の参院選」という無責任な姿勢には怒りさえ覚えます。

石破防衛庁長官「自衛隊は『自閉隊』と言われていた」

2004年03月18日 | メディア
 石破茂防衛庁長官は昨夜、都内でのパーティーで、イラクへの自衛隊派遣に対する世論の支持をアピールしようと次のように語ったそうです。

 「自衛隊は今まで『自閉隊』と言われていた。自閉症の子供の自閉と書いて自閉隊。分かってくれなくていいんだ、自分たちがやればいいんだということで、積極的にPRしてこなかったかもしれない。」

 この発言については、自閉症の子供を例にひくことの非常識さや、病気に対する認識不足に批判も上がっていると報じられていますが、私はもう一つのことに危機感を覚えます。それは、自衛隊の広報活動に言及していることです。

 先週から中東では、自衛隊の活動を美化し、イラク派遣に理解を求めるテレビCMを1億円以上もの私たちの税金を投じて、放送しています。
 それを国内で行なわれれば、被害者は子供たちです。純真な子供たちや若者の脳に、メディアを使って「立派な活動を行う、勇敢で格好いい」と美化された自衛隊像を送り込まれたらどうなるでしょう。その上、学校で政府が押し付けた「愛国心」を叩き込まれたらどうなるでしょうか。将来、命をかえりみず入隊を志願する親不孝者が続出する恐れがあります。

 私たちが今、自衛隊が政府にやらされているのは「イラクの復興」ではなく「米国のイラク占領への加担」であり、「国際貢献」ではなく「米国の勝手な侵略と破壊の尻拭い」だという真実を、しっかりと発信し、政府の不当な宣伝に抵抗しなければ、子供たちや若者が犠牲になりかねないと思います。