恥ずかしい歴史教科書を作らせない会

改憲で「戦争する国」、教基法改定で「戦争する人」づくりが進められる今の政治が
将来「恥ずかしい歴史」にならぬように…

公明党の「周到な」未納隠しと公表時期

2004年05月13日 | 国会・政党・選挙
 年金保険料の「未納」議員が続々と明らかになる中、年金問題への取り組みをアピールしてきた公明党からは誰も未納者名が挙がっていませんでしたが、昨日になって、神崎代表、冬柴幹事長、北側政調会長の三役をはじめ、計13名の未納が公表されました。

 年金制度改革法案の衆議院採決の翌日であり、「タイミングを見図らって」としか思えない公表でした。しかも、未納問題で民主党の菅代表が辞任し「後継は誰か」と国民やメディアの関心が集まっている中であり、極めて意図的です。

 神崎代表はこれまで「私は完済している」「(社会保険庁に)問い合わせ済みだ」と言い、「(党内に未納議員がいれば)厳しく処分し、公表する」と明言してきました。しかし今回、自分に対して課した処分は「譴責」(叱ること)という、6種類の処分の内2番目に軽いものでした。しかも「叱る」のは本人です。これが「厳しい処分」と言えるのでしょうか。

 このようなやり方に、国民も支持者も騙される訳もなく、公表直後から公明党本部には抗議が殺到しているそうです。辞任を求める声も多いと報じられていますが、神崎代表らは、目の前に参院選があるので「辞任は考えていない」としています。

 今回の年金制度改革法案の、実質的な法案作成者は、公明党でした。その審議中に、選挙を言い訳にして自らの責任を棚上げすることには、理解できません。
 「システムが分かりにくい」と言われていますが、その改善策もなく、一方的に国民に負担増・給付削減を押し付ける法案は「欠陥法案」と言わざるを得ません。それでも、与党は原案通り押し通そうとし、民主党は何の展望もない修正案にしがみついています。

 義務も果たさず、責任もとらない政治家の姿が、嫌というほど見せ付けられた今回の未納問題は「政治不信」を招いたと言われていますが、本当に招いたのは「政治家不信」ではなかったでしょうか。

テロの口実

2004年05月12日 | 外交・国際
 武装グループが、米国人男性の頭部を切り落とすという衝撃的な映像が、イスラム系サイトで公開されたとのことです。犯行組織は、米兵によるアブグレイブ収容者虐待に対する「報復だ」と宣言しているそうです。

 今回の犯行組織はアルカイダ系だと報じられています。本当に許すことのできない残忍な犯行ですが、一連の虐待が彼らに「テロの口実」を与えたことは事実です。
 戦争が生みだした「狂気」が、相手の憎悪を生み出し、また「狂気」を呼んでいるのです。
 しかもこの「狂気」は、今回の事件に象徴されるようにイラク全土はもちろん、イスラム圏全体に広がっています。
 そして沸き起こる「憎悪」が、近くの占領軍に向けられています。昨日、自衛隊も駐留しているサマワで、オランダ兵に初の死者が出ています。

 今回の映像を流した、イスラム系サイトは先週、「日本人を殺害すれば金500グラムを出す」というビンラディン氏の肉声のコメントを流しています。なぜ私たち日本人は狙われるのでしょうか。米英の侵略戦争をいち早く支持し、軍事占領に金も自衛隊も出し、積極的に加担しているからではありませんか。

 「テロに屈しない」のは立派かもしれませんが、そのテロの原因を作り出している米国に「同盟国だから」と、無批判に追従してきた日本政府の姿勢が、日本人に対する「テロの口実」を作り出していることを、絶対に忘れてはならないと思います。

米国議会が「イラク人虐待」に反対する決議

2004年05月12日 | 外交・国際
 全世界から非難を浴びる一連の「イラク人虐待」問題で、米国上院議会は、今さらですが、これに反対する決議を可決しました。「イラク人と家族に謝罪」「再発防止に虐待を行った兵士を裁きにかける」などが盛り込まれたこの決議は過日、下院でも可決されています。

 虐待問題は陰惨を極めています。イスラム教国では裸を見られることを何より恥じる、とのことですが、男女問わず性的虐待を受け、あるいは暴力行為を受け、あるいは殺害されたという生々しい証言が連日、報じられています。

 「収容者」は、ほとんどが兵士や武装勢力でなく、一般住民であることが随分前から指摘されています。ただ、事件のあった近隣に住んでいたという人々も多くいます。
 こうした人々が明確な理由もないまま投獄され、ありとあらゆる虐待を受けている事実に、戦争が生み出す「狂気」を痛感させられます。
 この虐待の事実を「報道されるまで知らなかった」という米英両政府の虚言には、憤りを感じます。このことは1年も前から、国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」が警告しているのです。

 収容所内の「虐待」が注目される中、収容所の外では「虐殺」が続けられています。
 南部のバスラで、8歳の女の子が英軍兵士に射殺されるという事件がありました。英軍は「投石があったため威嚇射撃したのが命中した」と発表していますが、目撃者の証言は「投石はない」ということです。

 サドル師事務所を狙ったものとは言え、米軍の空爆でまた35名の死者が出ました。
 このほかにもイラク各地で戦闘が激化しています。

 米英が「テロとの戦い」を唱えて始めた戦争は、結局は「虐殺」と「虐待」によって、「テロの芽」ともいうべき「憎悪」を増幅させ、自らも「狂気」に陥る、という愚かな結果を招きました。
 こんなことは早く終わらせてほしい、心からそう思います。

国民不在の民主党「内紛」劇

2004年05月10日 | 国会・政党・選挙
 民主党の菅代表が今夜にも辞任すると伝えられています。しかし今回の「菅降ろし」とその後継選びに、民主党は「このままでは参院選を闘えない」という党利党略の議論ばかりが目に付きます。

 先月28日、菅代表の年金「未加入」問題が浮上して間もなく、民主党内から「待ってました」とばかり「菅降ろし」が始まりました。
 責任を問うのは当然ですが、私たちの目から見れば、現在の「小沢グループ」「鳩山グループ」「旧民社党グループ」「若手グループ」が、自分達の発言権を強化させようという醜い派閥間抗争ではないか、と思えてなりません。

 民主党が、幹部の「未納」に動揺し、「腰くだけ」「尻すぼみ」とも言われる「談合」に走ったせいで、国民生活を直撃する年金改悪が国会を通過しようとしています。
 自分たちの党内での発言権と、目前の参院選のことばかりを考え、国民の声に背を向けるような野党第一党では、法案審議など政府の思いのままです。与党が国民の生活を「ぶっ壊し」ている中、野党第一党がこの状態では、誰が一体、国民の声を政治に反映してくれるのでしょうか。

 この国民不在の民主党「内紛」劇を、与党や「未納」閣僚が、笑みを浮かべて見ていることでしょう。
 今回の民主党の失態に、小泉首相のパフォーマンス「訪朝」が加われば、よほどのことがない限り、参院選での自民党勝利は間違いありませんから。

菅代表「追及はやり過ぎだった」 逆ではないか

2004年05月07日 | 国会・政党・選挙
 年金保険料未納問題が響き、日程を繰り上げて帰国した民主党の菅代表が、昨日の記者会見で批判を浴びている件について、江角さんや「未納3閣僚」を厳しく追及したことが原因として、「やり過ぎだった」とコメントしました。

 マスコミからの批判が厳しくなったことには、その影響はあるでしょうが、「閣僚を追及したから」ではなく、菅代表が厚生大臣という所轄官庁トップの職にありながら保険料を納めなかったことであり、そのために国会での追及や国民的議論に水を差したことに対して、国民は怒っているのです。

 この年金制度は、私たち国民の生活を直撃するものであり、本来もっと徹底して審議しなければならない問題です。野党は「追及」が仕事であり、それが国会の行政に対するチェック機能を果たすことにつながるのです。「追及がやり過ぎ」というのは全く逆です。
 それを、自らの保身を考えて「やり過ぎだった」と追及をやめ、安易に妥協することは、国民に対する裏切りでしかありません。

 今回の与党と民主党との「談合」により、今月中にも年金法案が可決される見通しになりました。
 年金制度は5年に1度、見直しがされてきましたが、これまで法案提出から200日以内で可決した例はありません。それほど与野党が対決し、慎重に審議と議論が尽くされてきたのがこの年金問題なのです。

 今回、これほどまで国民の関心が集まっているにも関わらず、これほど拙速に成立してしまうというのは、与党だけでなく、野党第一党である民主党の責任も極めて重大だと言わねばなりません。

民主党が年金「改悪」案賛成に転向か

2004年05月06日 | 国会・政党・選挙
 連休前に、衆議院厚生労働委員会での年金改革法案の強行採決で「対決」姿勢を見せていた、自民・公明の与党と民主党が「国会の正常化」と称して、また歩み寄りを始めました。恐らく明日の「小泉-菅会談」で結論が出ることでしょう。

 協議の中身は、焦点の「年金」をめぐって、民主党の一部修正案を与党側が受け入れ、民主党が本会議採決で賛成に転じるというものだということです。この民主党の修正案は、次回見直し時の2009年までに、各年金を「一元化」すると附則で定めるというものですが、果たしてそれが何の解決になるのでしょうか。

 そもそも今回の年金の「改悪」で、根本的な問題点は、「保険料引き上げ」の負担増、「給付削減」で起こる高齢者の生活不安と若年層の将来不安、「定められた国庫負担率引き上げの先送り」というのが主な点でした。「一元化」を決めたところで、これらの問題点がどう改善されるというのでしょうか。

 与党と民主党の思惑は、7閣僚と菅代表・鳩山前代表の「未納」問題が明るみに出たことで「痛み分け」にし、夏の参院選前にお互いにイメージダウンを招くこの課題を、さっさと「片付けてしまいたい」ということでしょう。

 本来ならば、菅代表が辞任した上で、閣僚の責任追及を徹底して行い、内閣総辞職を求めるというのが筋というものです。
 目の前の選挙を意識し、また党幹部を守ろうとするためには平気で与党と馴れ合い、国民を無視し裏切る「野党第一党」を見ていると、この日本の政治を嘆かずにはいられません。

「救う会」に救う気があるとは思えない

2004年05月05日 | 外交・国際
 私は「拉致」被害者及びそのご家族の皆さんの帰国を願う一人です。

 さて、きょう深夜まで日朝協議が続いていますが、それに先立って「公称」2万人が参加した「救う会」の集まりがありました。しかし私はその毎回の「決議」に疑問を持っています。

 彼らの「決議」は必ず「制裁」という「強硬姿勢」で終わります。この「強硬姿勢」は、今の日本人であれば誰ももう違和感はないと思いますが、私は危険で愚かだと思います。
 以前にも書きましたが、歴史上「制裁」の後に待っているものは「戦争」しかありません。イラクを見れば明らかです。そう聞けば「北朝鮮と戦争すべきだ」と言う方もいるでしょう。
 もしかして「救う会」の方々に「あなたのいる頭上にテポドンが飛んで来てもかまいませんか」と聞いたとき「私はどうなってもいい」と答える方もいるかもしれません。ではそのとき「拉致」被害者家族はどうなるのでしょうか。

 日朝戦争が起これば、北朝鮮にいるご家族は真っ先に殺されるでしょう。もしくは「ここぞとばかり」に飛んできた米軍機の「空爆」の餌食となるかもしれません。自衛隊も「予算計上せずに」十数年間にわたり「不正入手」した「超攻撃的兵器」クラスター爆弾を持っています。飛んでいくことは十分予想できます。

 逆に北朝鮮側から、日本海側にある原発数十基の内1つにでも被弾すれば、日本がどうなるかを想定しなければなりません。日本全土が「放射能地獄」になり、私たちや、待ち受ける日本側のご家族も恐ろしいことになっているでしょう。

 私は「強硬姿勢」が招くものは、拉致被害者も、その家族も含め、日本人全てを「救わない」「守らない」ものであり、単に「拉致被害者家族を利用した右傾化運動」に過ぎないと断言します。

 自民党・民主党・公明党の議員が次々と「救う会」や「救出議連」と称して立ち上げ、はしゃぎ立てる姿を疑問に思いますし、拉致問題の政治利用に思えてなりません。

 そもそも約2年半前に「拉致」が明らかになったのも、小泉首相が「日朝平壌宣言」という「対話」を掲げて、向こうへ行ったからです。「強硬姿勢」だけで解決できるほど甘いものではないのです。