~ 憲法を盾に 議会を砦に 言論の自由を武器に ~
■ 11月29日
11月29日は日本で初めて議会が開かれた日です。
今から116年前の1890年、名前はまだ帝国議会でした。
帝国議会は「形式的なもの」というイメージを抱く方が多いかしれませんが、少なくとも当初は「形式的なもの」ではありませんでした。
■ 憲法を盾に 議会を砦に 言論の自由を武器に
当時の衆議院では、野党(当時は「民党」と呼びました。一方、与党は「吏党」)が過半数を占めました。
第一回帝国議会の中心議題は、次年度の予算編成でした。審議にあたって野党は「減税」や「軍事予算削減」を求め、政府・与党との「全面対決」を打ち出しました。
当時の国会の会期は「三箇月」と定められていましたが、政府案の否決が相次ぐなど、いきなり「会期延長」に踏み切らねばならないほど、激しい攻防が繰り広げられました。
当時の野党のスローガンは、「憲法を盾に 議会を砦に 言論の自由を武器に」というものでした。
しかし多数を占めていたはずの野党議員は、政府の切り崩し工作にさらされていきます。
野党議員の結束は乱れ、政府・与党に妥協する者が続出し、次第に議会は政府の言いなりになっていきました。
■ あの頃と今
議会が開設された頃と比べて今は、「盾」にすべき「憲法」は国民主権に変わり、「砦」にすべき「議会」は国権の最高機関として位置づけられ、「武器」にすべき「言論の自由」は、以前の「法律ノ範囲内ニ於テ」という制限が撤廃されています。また、当時のような男子だけ・高額納税者だけの選挙で選ばれた国会議員でもありません。
当時よりはるかに民主的で、賞賛に価する国会になっているのが当然です。
しかし、現在の国会の状況はどうでしょうか。議会開設当時と今、何か進歩が感じられるでしょうか。
自民党による国民新党議員の勧誘、民主党への僅かばかりの法案修正の打診、与党が採決を急ぐあまり審議を打ち切ったことを棚に上げての野党の審議拒否への非難など、正に政府・与党による切り崩し工作が続けられました。
一方、野党も一時は結束して「対決路線」「徹底抗戦」を打ち出しながら、与党のペースに引き込まれ、粛々と審議・協議に応じ、民主党が妥協を行い、気がつけば多くの問題法案の成立の見通しが報じられているという有様です。
この民主党の一部からは、審議拒否に入る前から、民主党と与党との間で「落としどころ」について話が着いていたという趣旨の発言まで報じられました。
■ 116回目の議会開設記念日にあたって
多数野党であっても結束が乱れれば、政府・与党の思いのままになるということは、明治時代から分かりきっていることです。
まして少数野党がバラバラでは、持てる力も発揮できませんし、あらかじめ「落としどころ」を与党と協議するような野党では、政府・与党へのチェック機能も果たせません。
116回目の議会開設記念日にあたり、野党には安易な妥協に走らないしっかりした野党共闘の立て直しを求め、与党には少数意見をさらに切り崩し、取り込みを図るような姑息な国会運営を改めるよう求めたいと思います。
そして何より、国民の負託に堪えうる国会であってほしいと、強く願います。
■ 11月29日
11月29日は日本で初めて議会が開かれた日です。
今から116年前の1890年、名前はまだ帝国議会でした。
帝国議会は「形式的なもの」というイメージを抱く方が多いかしれませんが、少なくとも当初は「形式的なもの」ではありませんでした。
■ 憲法を盾に 議会を砦に 言論の自由を武器に
当時の衆議院では、野党(当時は「民党」と呼びました。一方、与党は「吏党」)が過半数を占めました。
第一回帝国議会の中心議題は、次年度の予算編成でした。審議にあたって野党は「減税」や「軍事予算削減」を求め、政府・与党との「全面対決」を打ち出しました。
当時の国会の会期は「三箇月」と定められていましたが、政府案の否決が相次ぐなど、いきなり「会期延長」に踏み切らねばならないほど、激しい攻防が繰り広げられました。
当時の野党のスローガンは、「憲法を盾に 議会を砦に 言論の自由を武器に」というものでした。
しかし多数を占めていたはずの野党議員は、政府の切り崩し工作にさらされていきます。
野党議員の結束は乱れ、政府・与党に妥協する者が続出し、次第に議会は政府の言いなりになっていきました。
■ あの頃と今
議会が開設された頃と比べて今は、「盾」にすべき「憲法」は国民主権に変わり、「砦」にすべき「議会」は国権の最高機関として位置づけられ、「武器」にすべき「言論の自由」は、以前の「法律ノ範囲内ニ於テ」という制限が撤廃されています。また、当時のような男子だけ・高額納税者だけの選挙で選ばれた国会議員でもありません。
当時よりはるかに民主的で、賞賛に価する国会になっているのが当然です。
しかし、現在の国会の状況はどうでしょうか。議会開設当時と今、何か進歩が感じられるでしょうか。
自民党による国民新党議員の勧誘、民主党への僅かばかりの法案修正の打診、与党が採決を急ぐあまり審議を打ち切ったことを棚に上げての野党の審議拒否への非難など、正に政府・与党による切り崩し工作が続けられました。
一方、野党も一時は結束して「対決路線」「徹底抗戦」を打ち出しながら、与党のペースに引き込まれ、粛々と審議・協議に応じ、民主党が妥協を行い、気がつけば多くの問題法案の成立の見通しが報じられているという有様です。
この民主党の一部からは、審議拒否に入る前から、民主党と与党との間で「落としどころ」について話が着いていたという趣旨の発言まで報じられました。
■ 116回目の議会開設記念日にあたって
多数野党であっても結束が乱れれば、政府・与党の思いのままになるということは、明治時代から分かりきっていることです。
まして少数野党がバラバラでは、持てる力も発揮できませんし、あらかじめ「落としどころ」を与党と協議するような野党では、政府・与党へのチェック機能も果たせません。
116回目の議会開設記念日にあたり、野党には安易な妥協に走らないしっかりした野党共闘の立て直しを求め、与党には少数意見をさらに切り崩し、取り込みを図るような姑息な国会運営を改めるよう求めたいと思います。
そして何より、国民の負託に堪えうる国会であってほしいと、強く願います。