28日、与党が懇願し、民主党が拒絶し続けていた党首討論がようやく実現し、麻生首相と民主党の小沢代表が、文字通り「一騎打ち」の討論を繰り広げました。
しかし、その内容は余りにも空虚でした。
■ 「どうしようもない」麻生首相の認識
小沢代表「選挙を先送りして景気・経済対策をやると言ったのだから、すぐに補正予算案を出せ」
麻生首相「一次補正は通っており、年内はこれで十分だ」
厚生労働省がこの日、年内の非正規職員の解雇が3万人にのぼると発表し、そのほとんどの人々が雇用保険に加入を許されないため、その翌日から「食うに困る」という状況や、新卒予定の学生の「内定取り消し」がバブル崩壊直後の「氷河期」に匹敵するほどだという状況を考えれば、麻生首相の認識は相変わらず「どうしようもない」と言わざるを得ません。
■ 「鼠」の小競り合い
しかし、政策らしきものを話し合ったのは、これだけでした。
後は、「補正予算案を審議しないなら、すぐに解散すべきだ」「失言が多すぎる」など、結局は「口喧嘩」の域を脱しないものでした。
支持率では劣勢ながら、「首相にふさわしいのは麻生か小沢か」という世論調査で優位に立つ麻生政権が、事あるごとに与野党の駆け引きの材料として、さんざん大騒ぎしてきたこの「党首討論」でした。
こうした大騒ぎの後、拍子抜けするほどつまらない結果だった、という例えに「大山鳴動して鼠一匹」ということわざがありますが、この45分間という「党首討論」の後には、実につまらない二匹の「鼠」の小競り合いを聞かされたような、後味の悪さだけが残りました。
■ 党首討論の「本来の姿」
この党首討論の正しい名称は、「国家基本政策委員会」です。
幅広い政策をめぐって、与野党の党首が文字通り「激論」を繰り広げる場なのです。
「選挙のタイミング」や「失言」をめぐって攻撃し合う場ではなく、まして政権の延命のために行った「先送り」の「弁明」のための場ではありません。
「国家基本政策委員会」で、「国家」の「基本政策」を論ぜずして、何が党首討論でしょうか。
■ 「鼠の喧嘩」に振り回される不幸
いま自民・民主という、巨大な二大政党が政権を争い、かつて小沢氏が目ざした「政権交代が可能な二大政党制の実現」という目標は達せられたと思います。ですが、その「政権争い」の中身は、あまりにもレベルが低すぎます。
理由の第一は、民主党の前代表だった前原氏が「自民党と民主党の政策は8割同じ。残りで違いを出していく」と述べたように、「政策に違いがないから」と言わざるを得ません。
しかし、「国家」の「基本政策」で激論を交わすほど「政策」に違いを見出せない「鼠の喧嘩」に振り回されるだけでは、国民が不幸ではないかと思えてなりません。
しかし、その内容は余りにも空虚でした。
■ 「どうしようもない」麻生首相の認識
小沢代表「選挙を先送りして景気・経済対策をやると言ったのだから、すぐに補正予算案を出せ」
麻生首相「一次補正は通っており、年内はこれで十分だ」
厚生労働省がこの日、年内の非正規職員の解雇が3万人にのぼると発表し、そのほとんどの人々が雇用保険に加入を許されないため、その翌日から「食うに困る」という状況や、新卒予定の学生の「内定取り消し」がバブル崩壊直後の「氷河期」に匹敵するほどだという状況を考えれば、麻生首相の認識は相変わらず「どうしようもない」と言わざるを得ません。
■ 「鼠」の小競り合い
しかし、政策らしきものを話し合ったのは、これだけでした。
後は、「補正予算案を審議しないなら、すぐに解散すべきだ」「失言が多すぎる」など、結局は「口喧嘩」の域を脱しないものでした。
支持率では劣勢ながら、「首相にふさわしいのは麻生か小沢か」という世論調査で優位に立つ麻生政権が、事あるごとに与野党の駆け引きの材料として、さんざん大騒ぎしてきたこの「党首討論」でした。
こうした大騒ぎの後、拍子抜けするほどつまらない結果だった、という例えに「大山鳴動して鼠一匹」ということわざがありますが、この45分間という「党首討論」の後には、実につまらない二匹の「鼠」の小競り合いを聞かされたような、後味の悪さだけが残りました。
■ 党首討論の「本来の姿」
この党首討論の正しい名称は、「国家基本政策委員会」です。
幅広い政策をめぐって、与野党の党首が文字通り「激論」を繰り広げる場なのです。
「選挙のタイミング」や「失言」をめぐって攻撃し合う場ではなく、まして政権の延命のために行った「先送り」の「弁明」のための場ではありません。
「国家基本政策委員会」で、「国家」の「基本政策」を論ぜずして、何が党首討論でしょうか。
■ 「鼠の喧嘩」に振り回される不幸
いま自民・民主という、巨大な二大政党が政権を争い、かつて小沢氏が目ざした「政権交代が可能な二大政党制の実現」という目標は達せられたと思います。ですが、その「政権争い」の中身は、あまりにもレベルが低すぎます。
理由の第一は、民主党の前代表だった前原氏が「自民党と民主党の政策は8割同じ。残りで違いを出していく」と述べたように、「政策に違いがないから」と言わざるを得ません。
しかし、「国家」の「基本政策」で激論を交わすほど「政策」に違いを見出せない「鼠の喧嘩」に振り回されるだけでは、国民が不幸ではないかと思えてなりません。