■ 「期待」
菅直人氏の首班指名後、新政権への期待が高まっているようです。
共同通信の世論調査でも、菅氏に「期待する」が57.6%、約20%だった民主党の支持率も36%まで上昇しています。
この「首相交代」劇は、「新し物好き」と言われる日本の国民性もあってか、かなりの政権浮揚効果をもたらしたようです。
一方、「期待しない」は37.2%ありました。きっと私は、その中に入るでしょう。
■ 「発端」
そもそも鳩山首相の辞任の「発端」は、何だったでしょうか。
米軍普天間基地の移設問題で、「地元」「連立与党」「米国」との合意を条件にしていたにもかかわらず、「基地はいらない」という沖縄や徳之島の声、さらには「国外移設」を追求してきた連立与党・社民党の思いを無視して、米国との協議だけを優先し「辺野古」移設を盛り込んだ「日米共同声明」を結んだことが最大の原因でした。
そして、最後は「米国言いなり」になって再び「辺野古」への基地の押し付けを強行する鳩山首相の姿勢に、社民党が反発して連立政権から離脱し、国会運営に行き詰まったのです。
では、菅氏はどうでしょう。
■ 「ポチ」
菅氏は首班指名からわずか1日半後の6日未明、首相官邸で米国のオバマ大統領と約15分間の電話会談を行いました。
その中で菅氏は、鳩山首相辞任の発端となった「日米共同声明」について、その「順守」を約束したのです。
つまり、基地や訓練を押し付けられる沖縄や徳之島の人々が、「絶対に受け容れられない」と言っている内容を、全く見直すことなく「押し付ける」ことを米国に約束したのです。これで、鳩山首相と何が違うと言うのでしょうか。
かつての小泉純一郎氏に代表される「米国言いなり」「従属」的な外交姿勢は、飼い主に忠実な飼い犬に例えて「ポチ外交」と呼ばれていますが、鳩山首相・菅氏とも、それに勝るとも劣らぬ「ポチ」ぶりです。
■ 「越権」
さて、衆参両院の首班指名を受け、首相官邸から電話会談を行ったとはいえ、菅氏はこの時点では、日本の「内閣総理大臣」ではありません。
日本国憲法6条を読めば分かりますが、「国会の指名」に基づいて「内閣総理大臣」を任命するのは「天皇」です。その任命を受けるのは8日の予定であり、彼は6日の時点では「任命権者」である「天皇」から、任命されていません。正確に言えば、菅氏が任命を受けるまでは鳩山内閣は存続しているのです。
まだ「内閣総理大臣」にも任命されていない菅氏が、一体どのような権限で、首相官邸を使って、日本の他国の首脳と外交的な約束をする権限があると言うのでしょうか。
確かに、鳩山内閣の「副総理」「財務大臣」という肩書きはありますが、その役職にこれほどの外交上の権限があるでしょうか。
米国の「ポチ」に徹するあまりとはいえ、日本国憲法も「天皇」の任命権も無視するとは、「越権行為」も甚だしい、菅氏の行動に対してそう言わざるを得ません。
■ 「留任」
そんな「菅内閣」の閣僚の布陣が少しずつ明らかになっています。
前述の通り、鳩山内閣の「致命傷」となったのは普天間基地移設問題ですが、その「日米共同声明」を結んできた岡田克也外務大臣・北沢俊美防衛大臣など、この問題の「A級戦犯」が、そのまま「留任」の方向です。
さすがに、首相の「女房役」と言われる「官房長官」は、「超A級戦犯」である平野博文氏ではなく、菅氏に近い仙石由人氏が就任するようですが、外相・防衛相に岡田氏・北沢氏を選ぶようでは、菅氏は「日米共同声明」の「押し付け」を続けるだけの存在です。
■ 「卑怯」
私は以前、「菅直人」についての人物評を、「公安」警察官僚出身で初代の内閣安全保障室長を務めた佐々淳行氏から聞いたことがあります。
「70年安保」の、東京工業大学の「闘士」たちの指導者だった菅氏は、いつも「4列目」から指揮を執っていたことから「4列目の男」と仇名されていたそうです。
その理由を佐々氏は、こう教えてくれました。
「前列から3人目までは『盾』や『棍棒』で撲るし、安全靴で蹴り倒して踏みつけて逮捕する。そのギリギリ手前の自分の身の安全だけは確保できるところに、いつも菅直人がいた。だから彼は『逮捕歴ゼロ』だった。彼が『扇動』した仲間が痛めつけられ、逮捕されていくのを見ているだけ。いつも菅は卑怯な指導者だった…」
■ 「交差」
もちろん「諜報」や「扇動」をも行う「公安」出身の人物の言葉ですから、、この佐々氏の言葉をそのまま信じるほど愚かではないつもりですが、今回の彼の行動にはある意味、佐々氏の人物評が当てはまる気がしないでもありません。
彼が「指導」してきた「安保闘争」の仲間である人々への「裏切り」は、沖縄・徳之島の人々への「裏切り」と交差します。彼が否定していた「日米安保」の矛盾の多くがいま、その地に集中しているのです。
それを、「越権行為」に及んでまで米国に「忠誠」を誓い、歴代自民党政権や鳩山政権に続いて住民の思いを踏みにじり、まだ「負担」を押し付けようとしているのです。
■ 「反菅」
要するに、あの「安保闘争」を闘った菅直人氏は、自分の前の「1列目」に沖縄を置き、「2列目」に徳之島を置き、「3列目」に政府や国民を置き、自分は相変わらず「4列目」にいるのです。
向こうに回すのは、あの頃と同じ米国ですが、まだ正式に「内閣総理大臣」になる前に首相官邸から公然と米国に「忠誠」を誓うところなど、単なる「変節漢」の域を超えています。
正式な発足の前ではありますが、このような「従属」的な菅政権を、私は真っ向から「否定」させて頂きます。
菅直人氏の首班指名後、新政権への期待が高まっているようです。
共同通信の世論調査でも、菅氏に「期待する」が57.6%、約20%だった民主党の支持率も36%まで上昇しています。
この「首相交代」劇は、「新し物好き」と言われる日本の国民性もあってか、かなりの政権浮揚効果をもたらしたようです。
一方、「期待しない」は37.2%ありました。きっと私は、その中に入るでしょう。
■ 「発端」
そもそも鳩山首相の辞任の「発端」は、何だったでしょうか。
米軍普天間基地の移設問題で、「地元」「連立与党」「米国」との合意を条件にしていたにもかかわらず、「基地はいらない」という沖縄や徳之島の声、さらには「国外移設」を追求してきた連立与党・社民党の思いを無視して、米国との協議だけを優先し「辺野古」移設を盛り込んだ「日米共同声明」を結んだことが最大の原因でした。
そして、最後は「米国言いなり」になって再び「辺野古」への基地の押し付けを強行する鳩山首相の姿勢に、社民党が反発して連立政権から離脱し、国会運営に行き詰まったのです。
では、菅氏はどうでしょう。
■ 「ポチ」
菅氏は首班指名からわずか1日半後の6日未明、首相官邸で米国のオバマ大統領と約15分間の電話会談を行いました。
その中で菅氏は、鳩山首相辞任の発端となった「日米共同声明」について、その「順守」を約束したのです。
つまり、基地や訓練を押し付けられる沖縄や徳之島の人々が、「絶対に受け容れられない」と言っている内容を、全く見直すことなく「押し付ける」ことを米国に約束したのです。これで、鳩山首相と何が違うと言うのでしょうか。
かつての小泉純一郎氏に代表される「米国言いなり」「従属」的な外交姿勢は、飼い主に忠実な飼い犬に例えて「ポチ外交」と呼ばれていますが、鳩山首相・菅氏とも、それに勝るとも劣らぬ「ポチ」ぶりです。
■ 「越権」
さて、衆参両院の首班指名を受け、首相官邸から電話会談を行ったとはいえ、菅氏はこの時点では、日本の「内閣総理大臣」ではありません。
日本国憲法6条を読めば分かりますが、「国会の指名」に基づいて「内閣総理大臣」を任命するのは「天皇」です。その任命を受けるのは8日の予定であり、彼は6日の時点では「任命権者」である「天皇」から、任命されていません。正確に言えば、菅氏が任命を受けるまでは鳩山内閣は存続しているのです。
まだ「内閣総理大臣」にも任命されていない菅氏が、一体どのような権限で、首相官邸を使って、日本の他国の首脳と外交的な約束をする権限があると言うのでしょうか。
確かに、鳩山内閣の「副総理」「財務大臣」という肩書きはありますが、その役職にこれほどの外交上の権限があるでしょうか。
米国の「ポチ」に徹するあまりとはいえ、日本国憲法も「天皇」の任命権も無視するとは、「越権行為」も甚だしい、菅氏の行動に対してそう言わざるを得ません。
■ 「留任」
そんな「菅内閣」の閣僚の布陣が少しずつ明らかになっています。
前述の通り、鳩山内閣の「致命傷」となったのは普天間基地移設問題ですが、その「日米共同声明」を結んできた岡田克也外務大臣・北沢俊美防衛大臣など、この問題の「A級戦犯」が、そのまま「留任」の方向です。
さすがに、首相の「女房役」と言われる「官房長官」は、「超A級戦犯」である平野博文氏ではなく、菅氏に近い仙石由人氏が就任するようですが、外相・防衛相に岡田氏・北沢氏を選ぶようでは、菅氏は「日米共同声明」の「押し付け」を続けるだけの存在です。
■ 「卑怯」
私は以前、「菅直人」についての人物評を、「公安」警察官僚出身で初代の内閣安全保障室長を務めた佐々淳行氏から聞いたことがあります。
「70年安保」の、東京工業大学の「闘士」たちの指導者だった菅氏は、いつも「4列目」から指揮を執っていたことから「4列目の男」と仇名されていたそうです。
その理由を佐々氏は、こう教えてくれました。
「前列から3人目までは『盾』や『棍棒』で撲るし、安全靴で蹴り倒して踏みつけて逮捕する。そのギリギリ手前の自分の身の安全だけは確保できるところに、いつも菅直人がいた。だから彼は『逮捕歴ゼロ』だった。彼が『扇動』した仲間が痛めつけられ、逮捕されていくのを見ているだけ。いつも菅は卑怯な指導者だった…」
■ 「交差」
もちろん「諜報」や「扇動」をも行う「公安」出身の人物の言葉ですから、、この佐々氏の言葉をそのまま信じるほど愚かではないつもりですが、今回の彼の行動にはある意味、佐々氏の人物評が当てはまる気がしないでもありません。
彼が「指導」してきた「安保闘争」の仲間である人々への「裏切り」は、沖縄・徳之島の人々への「裏切り」と交差します。彼が否定していた「日米安保」の矛盾の多くがいま、その地に集中しているのです。
それを、「越権行為」に及んでまで米国に「忠誠」を誓い、歴代自民党政権や鳩山政権に続いて住民の思いを踏みにじり、まだ「負担」を押し付けようとしているのです。
■ 「反菅」
要するに、あの「安保闘争」を闘った菅直人氏は、自分の前の「1列目」に沖縄を置き、「2列目」に徳之島を置き、「3列目」に政府や国民を置き、自分は相変わらず「4列目」にいるのです。
向こうに回すのは、あの頃と同じ米国ですが、まだ正式に「内閣総理大臣」になる前に首相官邸から公然と米国に「忠誠」を誓うところなど、単なる「変節漢」の域を超えています。
正式な発足の前ではありますが、このような「従属」的な菅政権を、私は真っ向から「否定」させて頂きます。