恥ずかしい歴史教科書を作らせない会

改憲で「戦争する国」、教基法改定で「戦争する人」づくりが進められる今の政治が
将来「恥ずかしい歴史」にならぬように…

「総裁選」いろは川柳

2006年09月20日 | 国会・政党・選挙
 自民党総裁選もようやく終わりです。
 この茶番劇については、あまりまじめに語る気になれませんので、いろは川柳にしてみました。

【い】いっせいに タカへとなびく 風見鶏
   (序盤戦 なだれを打って 安倍支援)

【ろ】論戦の 火も消えてゆく 「消火」試合
   (手の内を 見せぬ実質 無競争)

【は】歯の浮いた ポスト目当ての おべんちゃら
   (チルドレン ボスを見限り 安倍詣で)

【に】二世だの 三世だのが 格差言う
   (あんたらに 人の苦労が 分かるのか)

【ほ】報道も 議員も人事に ご執心
   (結果見え 視聴率減り 話題変え)

【へ】変人は お役御免と 旅ざんまい
   (卒業の 旅行代金 「聖域」化)

【と】とんでもない 「兇育」目指す 新総裁
   (子どもらよ 死ねよ殺せよ 国のため)

 川柳も総裁選も、大変「お粗末さま」でした。

アジアと核と「二重基準」

2006年09月14日 | 外交・国際
■ アジア

 9月12日、民主党代表に再選された小沢一郎氏は、「外交では先の戦争に対する反省を踏まえて・・・アジア諸国との信頼関係を醸成する」と述べました。
 この小沢氏の発言は、昨年「日米関係がうまくいけばいくほど隣国との関係もうまくいく」と述べた小泉首相、そしてその路線を継承するであろう安倍官房長官との対立軸を明確にする狙いがあります。

 日本はアジアの、ずいぶん東に位置しますが、そのアジアは遠く中東まで及びます。
 彼ら政治家の目には、どの程度までアジアが映っているのでしょうか。

■ 核

 そのアジアを語るとき、戦後後半のキーワードは「核」ではないかと思います。
 ロシア・中国という核保有国はもとより、イスラエルにはじまり、インド・パキスタン、そして北朝鮮、イランの核開発など、アジアにおける核拡散は、被爆国・日本をはじめ多くのアジアの人々が懸念するところだと思います。

■ 中央アジア非核地帯条約

 こうした核保有国や核開発国の「谷間」に置かれる中央アジア5カ国(カザフスタン・キルギス・タジキスタン・トルクメニスタン・ウズベキスタン)は9月8日、「中央アジア非核地帯条約」を締結しました。その内容は、日本の「非核三原則」をモチーフにしたものだと伝えられています。

 この5カ国は、かつて世界第2位の核保有国であった旧ソ連に属し、その崩壊の後に独立を果たしたところです。核兵器が身近に置かれる恐怖をよく知っています。
 それが今や、他国として北に位置するロシア、東には中国、南・南東にはインド・パキスタン、西にはイラン・イスラエルなど四方を「核」が取り囲んでいるのです。

 「この中央アジアの地に、核を持ち込まないでほしい。」
 その思いには切実なものがあることでしょう。

■ 非核への決意

 さて、モチーフとされた「非核三原則」は、「核兵器を、持たず、作らず、持ち込ませず。」というものであり、1967年、当時の佐藤栄作首相の国会での発言に端を発しています。
 この5カ国が「持たず、作らず」を実行することは、それほど難しいことではありません。自分たちの決意があれば、それを貫くことができます。
 問題は「持ち込ませず」です。この点については日本政府も、国民の目を欺くことに苦慮してきました。
 
 そこで中央アジア5カ国はこの「非核地帯条約」を、核を保有する各国にも署名するよう求めたのです。

■ やったもの勝ち

 しかし米国は12日、この条約への署名を拒否しました。
 米国のほかにも英・仏両国が異議を唱えていると伝えられています。
 これにより、この「非核地帯条約」は、「持ち込む」側のわがままによって、実質的効力を失ってしまったのです。

 核の恐怖を知り、核の持込を拒絶しようとする中央アジアの国々の思いを、自国の戦略のために踏みにじるという姿勢は、国際社会において強く非難されるべきだと思います。

 「核不拡散」を唱え、特定の核開発は攻撃的に非難しながら、同じ新興核開発国のイスラエル・インドは逆に協力体制を結ぶという、この米国の「二重基準(ダブル・スタンダード)」が、「やったもの勝ち」の前例をつくり、逆に核の拡散を招いていることは言うまでもありません。

■ 中央アジアの「日本人像」

 中央アジアの人々は、日本人が彼らを知る以上に、日本人をよく知っています。
 大戦後、ソ連に抑留された旧日本兵が、この地にも多く設けられた収容所で暮らし、ダム・貯水池や建築物などの工事に従事しました。今も当時のものが多く残り、ある建物にはそのことに感謝するメッセージも彫られているそうです。

 駐タジキスタン大使や駐ウズベキスタン大使を務めた人物の話によれば、現地の人々は「日本人の、あの真面目さを見習え」と子どもたちに説いた時期があったそうです。そして当時の子どもたちが、収容所のフェンスの隙間からパンを差し入れたころ、数日後その場所には「手作りのおもちゃ」が置いてあったという話も聞きました。
 日本人の真面目さ・律儀さを物語る逸話として、現地では有名なのだそうです。
 
■ 「(日米)対等」と「非核三原則」

 それも、もう半世紀以上前の話です。
 日本では、二度の被爆体験も忘れ、「核保有は合憲」「すぐにもできる」と語り、「敵基地攻撃論」を掲げるような人物に、次期首相の席が用意されています。

 彼の祖父である岸信介氏が、日米安保条約改定(60年安保)を強行した際、日米間について「対等の関係」を強調しました。その岸氏の弟である佐藤栄作氏は、前述の「非核三原則」を掲げ、それは今も日本の国是として存在します。

 「対等の関係」「非核三原則」を言うならば、日本の取るべき道は、中央アジアの「非核地帯条約」を支持し、米国に対してこれに署名するよう進言するということです。
 そうでなければ日本は、国際社会において、それこそ「二重基準」のそしりを免れません。
 その基準を示したのが、彼らの「身内」であれば、なおさらです。

■ 誇り

 日本は中央アジアをよく知りません。それは民主党の小沢氏も同じでしょう。
 しかし、中央アジアの人々の、日本への目は違います。

 「真面目で律儀な日本人」

 中央アジアの人々が描いてきた、この日本人像を、私は同じ日本人として、政治家の「二重基準」などで壊してほしくないと思います。 
 それこそ日本人の「誇り」を、自ら傷つける行為です。

■ おわりに

 最後になりますが、今回触れた駐タジキスタン・駐ウズベキスタン大使の名前を明かしていませんでした。
 5年前、小泉首相の訪朝により北朝鮮が「拉致」を認めました。
 当時の官房副長官であった安倍晋三氏は、内閣官房参与の中山恭子氏とともに、この被害者の家族の傍にいました。
 その中山恭子氏こそ、この元大使です。

「ご出産」と自民党総裁選

2006年09月06日 | その他
■ かわいそうな人々

 私は、皇族に嫁いだ女性を、本当にかわいそうだと思うことがよくあります。

 例えば、近くでは「人格を否定」されたという雅子妃もそうですし、少し遡れば、裕仁皇太子(後の昭和天皇)と婚約した翌年に、山縣有朋元首相から「色盲の家系の者を、皇室に入れるのは国家の不祥」だと干渉を受けた、良子(ながこ)妃もそうです。

 結婚、出産のみならず、遺伝子にいたるまで、政治家や宮内庁などが口を出し、メディアを通じて報じられ、振り回される、まさに「人格を否定」されていると思いますし、かわいそうに思えてなりません。

■ 「ご出産」の日程

 9月6日、秋篠宮家にお子さんが生まれる予定です。
 男女いずれかは、事前の報道はありませんでしたが、日本中が慶祝ムードに染まることと思います。
 どちらであれ、生命が誕生するのですから、おめでたい話だと思います。 

 ただ、やはりこの母子を、かわいそうに思えてならないのは、この出産日の決定について、非常に政治的な匂いを感じるからです。

■ 政治的な「予定日」

 今年2月の「ご懐妊の兆候」が判ったとき、出産予定日は「9月下旬」と報じられました。
 そして8月8日に「前置胎盤」であると診断され、「9月上旬で『調整』」した上で、9月1日になってこの日が選ばれました。では一体、誰と何を「調整」したのでしょうか。

 「六輝」で言えば、6日は「友引」ですので、このような慶事には最適ですが、そのような理由であれば、「調整」に3週間もかかる訳がありません。
 
 「体調」であれば、数時間後どうなるか分からないのが出産です。「緊急手術もありうる」とされてきたのが、9月1日になって突然「5日後」という中途半端な日程を指定したのも、極めて不自然です。

 ここで見逃してはならないのが、「自民党総裁選の日程」です。
 
■ 「予定日」を許可した自民党

 かねてから、「9月下旬」という出産予定日をにらんでいた自民党は、それと重ならないよう、その直前の「9月20日」を総裁選の開票日に決めました。
 そして、7月27日の東京、8月5日の近畿を皮切りに、その前哨戦であるブロック大会を開始しました。

 その矢先の「早産の可能性」の報せです。

 自民党の9月の日程は、5日までブロック大会があり、8日が総裁選の告示日です。その前でも、その後でも総裁選がかすんでしまいます。それでは自民党としては面白くありません。

 そこで宮内庁が自民党と「調整」し、許可してもらったのが、この6日という日程なのではないでしょうか。

■ かわいそうな母子

 9月6日午前の「ご出産」、その後メディアが執拗に騒ぎ続け、最近あまり出番のない小泉首相や、総裁候補らの「お祝いメッセージ」を流し、慶祝ムードの中、あらためて8日に総裁選を思い出させる、という「段取り」が見えてきます。

 つまり宮内庁が、秋篠宮妃「ご出産」の日取りについて「9月上旬で『調整』」を図ったのは、自民党総裁選とそれに関係する日程だとしか思えません。

 そこでやはり、かわいそうに思えてならないのは、秋篠宮妃です。
 自民党の「ご都合」で我が子を生む日が決められ、その「段取り」によって腹部にメスを入れられる…母親として、女性として、人間として、このような屈辱があるでしょうか。 

 また、赤ん坊は自分で生まれるタイミングを選ぶといいますが、それが知りもしない自民党という組織の事情で左右される、その子もかわいそうです。

■ 武部発言と「次の日本」

 9月5日、最後の「ブロック大会」で、自民党の武部勤幹事長は、こう語りました。

 「9月8日から総裁選の本番がはじまる。国民が注目している。」

 「皇室報道」も含めて、強引に他のニュースを排除してまで、「国民が注目」するように仕向けておいて、その言い草なのですから、呆れてしまいます。

 自民党総裁選のキャッチコピーは、「次の日本を、誰に」です。
 このように「生命」をもてあそび、政治利用するような政党の総裁が誰になろうとも、「次の日本」を委ねたいとは思いません。