上海市人力資源・社会保障局が2010年の上海資企業給与の増加指導ラインを発表した。平均が11%、上限16%、下限4%だ。
この指導ラインは現地の経済成長、消費者物価、労働就業、人的コスト及び前年度の給与水準等の主要な経済指標を元に決められる。ちなみ主要他都市の状況は次の通りだ。
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基準ライン |
上限ライン |
下限ライン |
広州市 |
11% |
16% |
3% |
廈門市 |
9% |
11.5% |
6.5% |
山西省 |
15% |
25% |
3% |
浙江省 |
12% |
上限設けず |
4% |
上海市人力資源・社会保障局では生産経営が正常、経済効益良好な企業は、平均ラインを参照して賃上げ率を確定することができるとしている。前年の平均給与が全市従業員の平均給与の60%を下回る企業の場合、上限ガイドラインを参考にすることができ、経済効益が良好でない企業は下限ラインを参考にすることができるとしている。また、赤字により賃上げが困難な企業については一定の手続きを踏んで従業員に状況を説明しなければならないとしている。
そもそも賃上げ率の指導ラインというのが企業から見て大きなお世話でもあるが、逆に言えばこれを参考にすればこういう根拠があるということで納得を得やすいともいえる。しかし、賃金格差が大きいという状況の中で、果たして低賃金従業員と高賃金従業員が同じ賃上げ率というのもおかしな話で、そのあたりまで踏み込まないと発表された賃上げ率が一人歩きしてしまう可能性がある。まあ、そこまでやってもらっても大きなお世話であるに違いないのだが。しかし平均で11%か、日本だと昇格でもしない限りこんな上昇率はなかなかないあ。