呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

怪しい有機野菜

2010年08月19日 | 日記
 中国にも有機野菜がある。以前置いてなかったスーパーでも置くようになってきたので、需要が増えてきたのだろう。しかしどうもこの有機野菜が怪しいらしい。
 有機野菜と認められるためにはその基準がちゃんとあるのだが、それが守られていないケースが散見されるそうだ。

 ・ 有機野菜を栽培しているところの近く非有機野菜を栽培している場合、ちゃんと仕切っておかなければならないにもかかわらず、それができていない
  ⇒これだと化学肥料が有機野菜栽培地に紛れ込む可能性がある。
 ・ 有機野菜の生産業者は一定の販売量をクリアすると補助金をもらえる制度があり、これを詐取するために販売量をごまかしている業者が少なくない。
 ・ 国家が認定した認証機構より認証を受けて初めて有機食品を名乗れるのだが、認証に当たっての検査水準がまだ標準化されていない。
 ・ 認証期間と業者が癒着しており、認証がきっちりと行われていないケースも多い。
 ・ 有機食品と非有機食品は分けて運送しないといけないにもかかわらず、ひとつの車輌で搬送しているケースも多い。

 以上のほか、栽培者の意識も高くなく、有機野菜というブランドを打ち出すことで、有機野菜は価格も高いためこれによって稼ごうとする業者も多い。有機野菜の認定は厳格な基準があるとはいえ、実際は基準が守られていないケースが多いということだ。

 業者のモラルが低い、認証機構による認証も怪しい、うそをつかれると一般消費者としてはなかなか見抜くことは難しい。中国の場合食品でトラブルが起こると健康への被害が大きいイメージがある。毒ギョーザをはじめとして、最近では早熟粉ミルクも騒がれている。どうしてこうなるかなあ。有機野菜なんて十分差別化できる商品なのに、業界のモラルが低いために胡散臭く感じられてしまう。こんな報道を見ると確かに有機野菜って高いだけで何がいいのと思ってしまうので、あえて値段の高い有機野菜を買うという動機付けが弱くなる。これじゃあまじめな業者が報われないわ。

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3 コメント

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中国産有機野菜なんて恐ろしくて (しろくま)
2010-08-22 15:15:30
有機野菜の肥料は当然主に堆肥ということになりますが、堆肥はちゃんと醗酵させて作ったものであれば醗酵熱で殺菌されますが、いい加減な作り方や糞尿をそのまま田畑に撒いた場合、どんな病原菌や寄生虫卵がくっついてるか分かったもんやありまへん。大体畑に撒いている水自体病原菌や有害化学物質、重金属満載のドブ川の水ということも多いですし。
畑まで視察してよほど信用できる場合以外は、むしろ日系企業が植物工場で水耕栽培した野菜のほうがいいと思いますけどね。
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Unknown ()
2010-08-22 17:20:25
げっ!有機野菜のほうがよっぽど危険ということですか!
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例外のない規則はないですが・・ (しろくま)
2010-08-23 09:24:15
はい。いい加減な有機はむしろ殺虫剤と化学肥料で育てた野菜より怖いです。もちろん、他人の健康や生命夜意自分の金が大事と思わない、まじめな農民が作っている有機は野菜や果物本来の味がしてうまいです。
中国でも一流レストランでは市場から仕入れるのは信用できんので、自前で農場持って野菜を作っているところもあるようです。
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