ずっと、チャレンジしてみたいと思っていた。
それがマラソン大会。
でも自分からそれを求めはしなかった。
そんな頻繁にではなく時々でしかないけれど、家の近所を6kmくらいジョギングしたり、皇居ランをやったり、ゲートブリッジの往復をやったりはしていたので、10kmくらいの距離なら走れるだろうと思っていた。
一度だけだけど、練習後に卓球場から自宅までの約8kmを走って帰ったこともある。
でも、日常生活で走行するのは歩道かあるいは路側帯。
幅は限られていて歩行者や自転車との離合も度々生じるし、進行方向に対し路面が左右どちらかに傾いていたり(カント)する箇所が実に多かったりもするので、両手でまっすぐにこいで進むことが出来る箇所と言うのは実は思いのほか少ない。
だから、「走る」とか「ペースを維持する」とか以上に「真っ直ぐに進む」ことに対してものすごく気を遣うし、ストレスがかかる。
だからこそ、マラソン大会とかだとのびのびと車道をまっすぐ走れて気持ちいいだろうなぁなんて憧れていた。
もちろんそれは普段使っている自分の日常用の車椅子で。
車椅子マラソンや陸上競技で使用される「レーサー」と呼ばれる競技用車いすを僕は持ってもいないし乗ったことすら無い。
あくまでも自分が使っている自分の車椅子で走ることを前提としていた。
日常の延長線上での「ラン」に憧れていた。
それは夏頃だった。
普段練習で使わせてもらっている体育館に区主催のマラソン大会参加者募集のポスターが貼ってあった。
10kmと5kmで参加出来そうだった。
問い合わせてみると車椅子でも参加OKということだったのでエントリーすることにした。
もちろん10kmでしょう。
と思っていたけど、翌月にはパラ卓球の全日本選手権が控えているので、万が一を考えて5kmにした。
結果的に、その判断は大正解だった。
5kmなんて余裕でしょ、と高を括っていたのだけれど、いやいや、全然そんなことは無く、スタート地点の競技場のトラックからまずカントがあったのでタイヤを漕ぐのは左手のみ。
そもそも、今回のコース、僕は一度も走ったことが無い。
というか、通ったことすらない。
だから、それがどんな道なのか、登りや下りがどうあるのか、路面状況は?とか、そういうデータを一切持ち合わせることなくスタートラインに立ったのだ。
正確には座っていたけど(笑)
だから、「あの辺はこのラインを走る方が良い」とか路面状況だとかコースレイアウトすらも、情報を全く持ち合わせていないいきあたりばったり(笑)
折り返し地点とかコースの案内は表示があるから大丈夫でしょうという超楽観視。
とにかくこぎ続ける、それしか考えていなかった(笑)
コースに出てからは更にそのカントは大きくなったので更に左手のみ。
もうその時点で左三角筋に乳酸を感じる(笑)
右手の推力が加わらない分左手の負荷がより大きくなるから。
「あ、これやばいかも」と思い始めたころに1km地点通過。
もうこの時点で余裕は全くなし。
早速焦り始めたところでそれまでで最大カントの左折箇所。
からの橋のアーチによる上り坂。
といってもわずかな距離だけど、その数十mが結構重くのしかかる。
一気に減速(笑)
でもそれを超えると今度は下り。
今度は加速。
しかも全くこがない(笑)
多分、それを見たほかの一般ランナーは「ずるい!」と思ったはず(笑)
少し下ってから折り返し、再度橋によるアーチを渡ることに。
今度は長い登りだった。
途中右にカントの付いたところもあり、それが本当に辛かった。
超低速となって、でも進み続け、マスクを外したくなるけどここで止まると余計に辛いからとそこは必死でこぎつづける。
そして頂点を超えてまた下る。
そこでようやくマスクを外し、路面の段差や凹凸に注意しながら、また他のランナーさんとの接触のないように気を付けながら、こがずに進む(笑)
フラットになるとまた右に少しカントがついていて、他のランナーさんとの位置やコースを意識しながら左手、左手、左手、両手、また左手、左手・・・といった具合にこぎ進む。
するとそこでようやく2km地点。
まだ2km!?
心が折れそうだった(笑)
そして折り返すと、先ほど長く下った道を今度は登らなければならない。
でもそれはもう下りながら覚悟は出来ていたので、自然な感じでアプローチ出来ていたと思う。
もちろん酷い減速に変わりはないけど(笑)
なるべくカントの無い両手で均等にこげるラインを選んで進む。
その登りが長く感じたなぁ。
でも、ゲートブリッジに比べれば全然短い。
だからとにかく両手でこぎつづける。
そしてまた下り。
「ずるい!」と思われてるだろうなと思いながら、抜かれた方々を抜き返す(笑)
そして、後はとにかくカントの無いラインを選びながら、でも急なレーンチェンジは他のランナーの方に危険を及ぼすのでそこは後方確認も行いながら無理のない範囲でこぎ続ける。
途中から路面は石畳になったけど、幸いフラットな石畳だったのでペースを落とすことなく進むことが出来た。
実は今回、車椅子の小さな前輪だけ交換しておいたのだ。
以前使っていたダンパー付きのもの。
現状よりも少しタイヤも大きいので路面の影響を受けにくい。
それがその石畳で効果を発揮した。
いや、石畳だけでなく舗装路全般にその効果はあるのだけれど、特に石畳ではその恩恵を受けた。
ダンパー付きで車輪も大きく接地面も大きいから車椅子の動きは少し重くなるけど、転倒のリスクを減らし、路面の段差に対して減速をせずに走れることを考えれば、僕にはその方が効率的だという判断による交換だった。
石畳を終えると最初に超えた橋のアーチ。
このタイミングでこの登りはしんどいぞ!と思いながら必死でこぐ。
そして下る途中での右折箇所。
ある意味ここが今回の一番の思い出になった。
下りの勢いは殺したくない、でも曲がる為には減速しなきゃならない。
遠心力も働くから体重移動もしなきゃならない。
右手はより強くブレーキをかけながら曲がっていく。
すると、自分が思っているよりもラインが膨らんでいく。
結構ギリギリのラインになったと思った。
車椅子マラソンでもコーナーでの転倒シーンを度々見たことがあるけど、それが良く理解出来た気がする。
調子に乗って下っていると、かなりの大きなリスクになるし、周囲に迷惑をかける結果を生むなと痛感。
そして見通しの良いフラットな直線に。
ある意味初めて気兼ねなく両手で真っ直ぐにこげた箇所だった。
気持ちよく走れた。
登りで遅れた分を取り戻すつもりでこいでいった。
一般ランナーを抜くことも出来た。
皇居前のフラットな箇所と同じ感じの気持ち良さ。
そして4kmを過ぎて、スピードが乗ってきたところでまたカント発生。
そして減速(笑)
さらにそこから登りと、カント(しかも結構ある)とが重なる箇所が。
シケイン状に折れ曲がった登りで、その曲がる角それぞれにカントがある状態。
最終局面でこれはしんどいぞ!
と思いながら必死でこぐ。
登ると今度は下る。
そこでまた右折箇所。
しっかり減速して、体重移動もしつつ(でないと、タイヤを空転させるとブレーキも効かない)進行方向を変えて、段差を注意しながら競技場へ帰ってくる。
一般ランナーをアウトから抜きにかかる(笑)
ラストスパートは出来たけど、そこで必死になるのはちょっとカッコ悪いかなと思ったので(笑)、クールに、スマートに、あくまでもマイペースに淡々とこぎ続ける。
そして今度は別のランナーを抜こうとした時、横に並んだ瞬間そのランナーのペースが上がる。
ちぃ!と思った(笑)
そしてゴール。
無事に走り終えることが出来て良かった。
そして、その足で車椅子屋さんに向かい前輪を元に戻してもらう。
翌日からは練習を予定しているので、それに支障をきたしたくないから。
普通に街を走る時、例えば信号待ちなどで止まって水を飲むような瞬間がある。
一呼吸を入れることが出来る。
でも、こうした大会の場合はそれはない。
だから、一呼吸を入れずに走り続けるか、あるいは、自分の意志で立ち止まるかの2択になる。
僕は学生の頃からそうだったけど、途中で歩いたり止まったりするのはかっこ悪いことだと思っている。
だから、よほどのことでもない限り止まらない。
結果的に歩くような遅いペースになったとしても、とにかく走る気持ちでこぎ続ける。
自分に負けずに前に進み続ける。
それをモットーにしている。
今回もそれを実行できたのは良かった。
ただ、もう少しクレバーに走ることは出来ると思うし、そうすることでより効率よく上手に走れるんじゃないかとも思った。
車椅子屋さんでも「日常車で5kmはしんどいですね」と言ってもらえたけど、それで得られるものもその分だけ大きいと思っている。
自身のトレーニングの効果を実感出来たし、逆にどの個所に課題があるかも確認できた。
車椅子で走る僕の姿はそりゃぁ目立ったと思う。
僕を追い抜くランナーの方々からも声をかけていただいたし、沿道のスタッフの方もそう。
「え!?車椅子!?」と声を上げる子供たちも複数いた。
ニュースや記事で見るのではなく、その姿を目の当たりにするからこその影響力だろうし、それが今後の社会のプラスになればとも思っている。
先月フィンランド大会を終えてから、慌ただしい時間はこれでようやく一区切りを迎えることが出来た。
ここからは来月の全日本に向けてより集中して活動していく。
心配なのは今日の身体への負荷(笑)
走り終えた時点で「あ、こことここ」と言った感じで通常ではない疲労感を覚える。
日常生活に支障をきたすような筋肉痛もある(笑)
車椅子屋さんに向かうときも、動きがおじいちゃんのようになっていた(笑)
でも、それだけ良いものを得ることが出来た。
身体への負担があったとしても、それは思考と感情でおつりがくるほど補えている。
さぁ、明日からまた頑張っていこう。
走り終えた爽快感、達成感というのは他に例えようのないものがある。
5kmだけだけど。
そう考えると、車椅子マラソンや陸上の選手達って言うのはとんでもないアスリートだと思う。
今回僕は5kmを大体35分くらいで走ったと思う。
車椅子マラソンは42.195kmを1時間半くらいだから、とんでもない。
その時間ずっと腕を動かしてこぎ続けるのだから、それは物凄いこと。
そんな彼らをリスペクトしつつ、僕は僕のステージを精一杯こぎ続け、前進していこうと思う。
今日は帰宅してから食べたピオーネという黒ブドウがやけに沁みたのだった(笑)
それがマラソン大会。
でも自分からそれを求めはしなかった。
そんな頻繁にではなく時々でしかないけれど、家の近所を6kmくらいジョギングしたり、皇居ランをやったり、ゲートブリッジの往復をやったりはしていたので、10kmくらいの距離なら走れるだろうと思っていた。
一度だけだけど、練習後に卓球場から自宅までの約8kmを走って帰ったこともある。
でも、日常生活で走行するのは歩道かあるいは路側帯。
幅は限られていて歩行者や自転車との離合も度々生じるし、進行方向に対し路面が左右どちらかに傾いていたり(カント)する箇所が実に多かったりもするので、両手でまっすぐにこいで進むことが出来る箇所と言うのは実は思いのほか少ない。
だから、「走る」とか「ペースを維持する」とか以上に「真っ直ぐに進む」ことに対してものすごく気を遣うし、ストレスがかかる。
だからこそ、マラソン大会とかだとのびのびと車道をまっすぐ走れて気持ちいいだろうなぁなんて憧れていた。
もちろんそれは普段使っている自分の日常用の車椅子で。
車椅子マラソンや陸上競技で使用される「レーサー」と呼ばれる競技用車いすを僕は持ってもいないし乗ったことすら無い。
あくまでも自分が使っている自分の車椅子で走ることを前提としていた。
日常の延長線上での「ラン」に憧れていた。
それは夏頃だった。
普段練習で使わせてもらっている体育館に区主催のマラソン大会参加者募集のポスターが貼ってあった。
10kmと5kmで参加出来そうだった。
問い合わせてみると車椅子でも参加OKということだったのでエントリーすることにした。
もちろん10kmでしょう。
と思っていたけど、翌月にはパラ卓球の全日本選手権が控えているので、万が一を考えて5kmにした。
結果的に、その判断は大正解だった。
5kmなんて余裕でしょ、と高を括っていたのだけれど、いやいや、全然そんなことは無く、スタート地点の競技場のトラックからまずカントがあったのでタイヤを漕ぐのは左手のみ。
そもそも、今回のコース、僕は一度も走ったことが無い。
というか、通ったことすらない。
だから、それがどんな道なのか、登りや下りがどうあるのか、路面状況は?とか、そういうデータを一切持ち合わせることなくスタートラインに立ったのだ。
正確には座っていたけど(笑)
だから、「あの辺はこのラインを走る方が良い」とか路面状況だとかコースレイアウトすらも、情報を全く持ち合わせていないいきあたりばったり(笑)
折り返し地点とかコースの案内は表示があるから大丈夫でしょうという超楽観視。
とにかくこぎ続ける、それしか考えていなかった(笑)
コースに出てからは更にそのカントは大きくなったので更に左手のみ。
もうその時点で左三角筋に乳酸を感じる(笑)
右手の推力が加わらない分左手の負荷がより大きくなるから。
「あ、これやばいかも」と思い始めたころに1km地点通過。
もうこの時点で余裕は全くなし。
早速焦り始めたところでそれまでで最大カントの左折箇所。
からの橋のアーチによる上り坂。
といってもわずかな距離だけど、その数十mが結構重くのしかかる。
一気に減速(笑)
でもそれを超えると今度は下り。
今度は加速。
しかも全くこがない(笑)
多分、それを見たほかの一般ランナーは「ずるい!」と思ったはず(笑)
少し下ってから折り返し、再度橋によるアーチを渡ることに。
今度は長い登りだった。
途中右にカントの付いたところもあり、それが本当に辛かった。
超低速となって、でも進み続け、マスクを外したくなるけどここで止まると余計に辛いからとそこは必死でこぎつづける。
そして頂点を超えてまた下る。
そこでようやくマスクを外し、路面の段差や凹凸に注意しながら、また他のランナーさんとの接触のないように気を付けながら、こがずに進む(笑)
フラットになるとまた右に少しカントがついていて、他のランナーさんとの位置やコースを意識しながら左手、左手、左手、両手、また左手、左手・・・といった具合にこぎ進む。
するとそこでようやく2km地点。
まだ2km!?
心が折れそうだった(笑)
そして折り返すと、先ほど長く下った道を今度は登らなければならない。
でもそれはもう下りながら覚悟は出来ていたので、自然な感じでアプローチ出来ていたと思う。
もちろん酷い減速に変わりはないけど(笑)
なるべくカントの無い両手で均等にこげるラインを選んで進む。
その登りが長く感じたなぁ。
でも、ゲートブリッジに比べれば全然短い。
だからとにかく両手でこぎつづける。
そしてまた下り。
「ずるい!」と思われてるだろうなと思いながら、抜かれた方々を抜き返す(笑)
そして、後はとにかくカントの無いラインを選びながら、でも急なレーンチェンジは他のランナーの方に危険を及ぼすのでそこは後方確認も行いながら無理のない範囲でこぎ続ける。
途中から路面は石畳になったけど、幸いフラットな石畳だったのでペースを落とすことなく進むことが出来た。
実は今回、車椅子の小さな前輪だけ交換しておいたのだ。
以前使っていたダンパー付きのもの。
現状よりも少しタイヤも大きいので路面の影響を受けにくい。
それがその石畳で効果を発揮した。
いや、石畳だけでなく舗装路全般にその効果はあるのだけれど、特に石畳ではその恩恵を受けた。
ダンパー付きで車輪も大きく接地面も大きいから車椅子の動きは少し重くなるけど、転倒のリスクを減らし、路面の段差に対して減速をせずに走れることを考えれば、僕にはその方が効率的だという判断による交換だった。
石畳を終えると最初に超えた橋のアーチ。
このタイミングでこの登りはしんどいぞ!と思いながら必死でこぐ。
そして下る途中での右折箇所。
ある意味ここが今回の一番の思い出になった。
下りの勢いは殺したくない、でも曲がる為には減速しなきゃならない。
遠心力も働くから体重移動もしなきゃならない。
右手はより強くブレーキをかけながら曲がっていく。
すると、自分が思っているよりもラインが膨らんでいく。
結構ギリギリのラインになったと思った。
車椅子マラソンでもコーナーでの転倒シーンを度々見たことがあるけど、それが良く理解出来た気がする。
調子に乗って下っていると、かなりの大きなリスクになるし、周囲に迷惑をかける結果を生むなと痛感。
そして見通しの良いフラットな直線に。
ある意味初めて気兼ねなく両手で真っ直ぐにこげた箇所だった。
気持ちよく走れた。
登りで遅れた分を取り戻すつもりでこいでいった。
一般ランナーを抜くことも出来た。
皇居前のフラットな箇所と同じ感じの気持ち良さ。
そして4kmを過ぎて、スピードが乗ってきたところでまたカント発生。
そして減速(笑)
さらにそこから登りと、カント(しかも結構ある)とが重なる箇所が。
シケイン状に折れ曲がった登りで、その曲がる角それぞれにカントがある状態。
最終局面でこれはしんどいぞ!
と思いながら必死でこぐ。
登ると今度は下る。
そこでまた右折箇所。
しっかり減速して、体重移動もしつつ(でないと、タイヤを空転させるとブレーキも効かない)進行方向を変えて、段差を注意しながら競技場へ帰ってくる。
一般ランナーをアウトから抜きにかかる(笑)
ラストスパートは出来たけど、そこで必死になるのはちょっとカッコ悪いかなと思ったので(笑)、クールに、スマートに、あくまでもマイペースに淡々とこぎ続ける。
そして今度は別のランナーを抜こうとした時、横に並んだ瞬間そのランナーのペースが上がる。
ちぃ!と思った(笑)
そしてゴール。
無事に走り終えることが出来て良かった。
そして、その足で車椅子屋さんに向かい前輪を元に戻してもらう。
翌日からは練習を予定しているので、それに支障をきたしたくないから。
普通に街を走る時、例えば信号待ちなどで止まって水を飲むような瞬間がある。
一呼吸を入れることが出来る。
でも、こうした大会の場合はそれはない。
だから、一呼吸を入れずに走り続けるか、あるいは、自分の意志で立ち止まるかの2択になる。
僕は学生の頃からそうだったけど、途中で歩いたり止まったりするのはかっこ悪いことだと思っている。
だから、よほどのことでもない限り止まらない。
結果的に歩くような遅いペースになったとしても、とにかく走る気持ちでこぎ続ける。
自分に負けずに前に進み続ける。
それをモットーにしている。
今回もそれを実行できたのは良かった。
ただ、もう少しクレバーに走ることは出来ると思うし、そうすることでより効率よく上手に走れるんじゃないかとも思った。
車椅子屋さんでも「日常車で5kmはしんどいですね」と言ってもらえたけど、それで得られるものもその分だけ大きいと思っている。
自身のトレーニングの効果を実感出来たし、逆にどの個所に課題があるかも確認できた。
車椅子で走る僕の姿はそりゃぁ目立ったと思う。
僕を追い抜くランナーの方々からも声をかけていただいたし、沿道のスタッフの方もそう。
「え!?車椅子!?」と声を上げる子供たちも複数いた。
ニュースや記事で見るのではなく、その姿を目の当たりにするからこその影響力だろうし、それが今後の社会のプラスになればとも思っている。
先月フィンランド大会を終えてから、慌ただしい時間はこれでようやく一区切りを迎えることが出来た。
ここからは来月の全日本に向けてより集中して活動していく。
心配なのは今日の身体への負荷(笑)
走り終えた時点で「あ、こことここ」と言った感じで通常ではない疲労感を覚える。
日常生活に支障をきたすような筋肉痛もある(笑)
車椅子屋さんに向かうときも、動きがおじいちゃんのようになっていた(笑)
でも、それだけ良いものを得ることが出来た。
身体への負担があったとしても、それは思考と感情でおつりがくるほど補えている。
さぁ、明日からまた頑張っていこう。
走り終えた爽快感、達成感というのは他に例えようのないものがある。
5kmだけだけど。
そう考えると、車椅子マラソンや陸上の選手達って言うのはとんでもないアスリートだと思う。
今回僕は5kmを大体35分くらいで走ったと思う。
車椅子マラソンは42.195kmを1時間半くらいだから、とんでもない。
その時間ずっと腕を動かしてこぎ続けるのだから、それは物凄いこと。
そんな彼らをリスペクトしつつ、僕は僕のステージを精一杯こぎ続け、前進していこうと思う。
今日は帰宅してから食べたピオーネという黒ブドウがやけに沁みたのだった(笑)