漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

波乱の親睦会(10/13) 底意地の悪い質問

2008年10月04日 18時48分07秒 | 第10話/波乱の親睦会

現代の人達は、例え日常を遠く離れたファンタジー物であっても、
その中で魔法使いや妖精や妖怪などが活躍したり、どんなに奇怪な出来事が起こったとしても、
登場する人間達が人間らしく振舞い、語っている事に何も疑問を感じません。

 でも、ウォルポールさんがゴシック小説の元祖「オトラントの城」の第2版の序文で、
「古いロマンスの世界では全部が想像力にまかせて書かれていて、
ヒーローやヒロインの活動・感情・会話が不自然極まりない。」
なんて書いているくらいなので、昔はきっと違っていたのでしょうな~。

 ウォルポールさんの言う事を信じて、「アーサー王」系列の話と
「シャルル大帝と12勇士」系列の中世騎士道物語辺りを読んでってみると、
全編に渡ってヘンな所や突っ込み所が満載なのかもしれません。

 今の所、作者の頭に浮かぶアリアリと不自然な所といえば、
「ローランの歌」でローラン(オルランド)のロンスヴォーでの戦死を知った
婚約者のオード姫がいきなり絶命する場面と、
「トリストラムとイズールト」でトリストラム・ド・ライオネスの戦死を知った
イズールトがやはりトリストラムの遺骸の傍らでいきなり絶命する場面です。
いずれも死因は「ロミオとジュリエット」のヒロインのように自殺したのではないのでした。

 ウォルポールさん、「新しいロマンスでは、日常の自然を写し取ろうと躍起になったあまり、
空想力がせき止められてしまっている。」とも言っていて、新旧のロマンスを融合させて、
面白い一方で登場人物には例え異常な事態の真っ只中であろうとも、
フツーの人ならこうふるまうだろうとフツーの人が想像して納得できるような
ふるまいをさせようじゃないかと試みたとの事でした。


哲学小説といったら確か前に「ソフィーの世界」って本があったよな?
分厚すぎたから読む前にどっと疲れて中止した記憶がある。

その本すごく有名だったわよね。私も読んでいないけど。
ハリソンさんの提案もいいけど、なるべく短めにした方がよりいいって事ね。
今時の哲学者さんが書くんなら、星新一さんのショートショート感覚ででも書いて欲しい所だわ。

ドゥニ・ディドロ(1713-84)は「運命論者ジャック」を書いているが、
お終いの方にトリストラム・シャディのパクリ疑惑を書いている。
推定創作年代が1770~78年で、シャンディの該当箇所は、
1765年出版の8巻の中にあるので、どー見ても冗談
なのじゃが。

ひょっとしてヴォルテールさんの「カンディード」って、
前に宮元亜門さんが演出したミュージカルの原作なんじゃないの?

さよう、音楽の作曲者は有名な「ウェストサイドストーリー」の
レナード・バーンスタインじゃ。

「ウェストサイド―」の原作は「ロミジュリ」よね。

ウォルポールさん、ハリソンさんの事いぢめてるのかな~?


作者はミュージカルといったら、「ラ・マンチャの男」(原作はセルヴァンテスの「ドン・キホーテ」)がいいですな~。
東京の帝国劇場で、2005年に松たか子さんがアルドンサ(ドルシネーア姫)の役を演じているのを鑑賞しましたが、
実は歌が相当上手いって事が分ってびっくり仰天しました。
今日の続きは明日。



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