ハリソンさん、ここでアラベラさんに言っている、
「 君自身が書けばいい。 」
― と、いうのを、
パリの在住英国人の親睦会で、ヒュームさんから言われちゃってるんですが、
覚えていらっしゃる方いますか?
…実は、作者もさっき思い出したくらいなんですがね ― 。
今話10ページと11ページの間では、
漫画では省略されていますが、アラベラさんはユージン様から、
「 もう、こんなお姉さんの恋愛妄想を元にした小説なんて書きたくない! 」
― と、いう叫びを叩きつけられ、アラベラさんは衝撃を受けたのでした。
アラベラさんの原案で、ユージン様が実際に執筆した小説が
どのような内容かを大雑把に言うと、
「 めぐり逢う魂 」 は、何度も言うように、ほとんど 「冬のソナタ 」 だし、
「 マレストン・ホール 」 は、 「 小公女セーラ 」 + ジェイン・オースティンさんの
「 マンスフィールドパーク 」 みたいだし、
「 家庭教師 」 は、 「 ヌーヴェル・エロイーズ 」 + 「 高校教師 ( 旧 ) 」 + 「 魔女の条件 」
みたいな話なのでした。
その中で、 「 家庭教師 」 が、ユージン様の作品の中では、
初の殺人シーン ― ( しかも主人公男女共謀の ) ― も出て来るという、
突出して過激な内容で、
アラベラさんの生い立ちと願望が色濃く反映されていたのでした。
同じ頃に発売されていた、 「 トリストラム・シャンディ 」 第5・6巻の
売り上げが不振の一方で、 「 家庭教師 」 は賛否両論・新境地開拓との話題で売れていました。
それでも、ユージン様は大変不本意で不満足なのでした。
今話の最後で、 「 ハリソンさんとシャンディ氏との関係のさらに何パーセント 」
― かが明らかに…?!
来週は、アラベラさんがハリソンさんの言葉にピキーン!
となって、帰宅してしまいます。
〈 次回の更新は9月12・13日の予定 〉