漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

標的(14/16) 男の子はお母さんに似て…

2008年06月07日 13時37分09秒 | 第8話/標的

 昔、イタリアのフィレンツェにフィリッポ・リッピ(1406-69)という、
カルミネ修道院の僧侶兼画家がいました。

 この人50代の時に、サンタ・マルゲリータ修道院所属で23歳のルクレツィアさんと駆け落ちしてしまいましたが、
描く絵があまりにステキなので、特別に許されて還俗し、正式に結婚したのでした。
ルクレツィアさんは、フィリッポさんが描いた聖母のモデルになっているのだそうです。
二人の間に、結婚する前に生まれちゃった息子のフィリッピーノさんも後に画家になったそうな。

 スターン聖下も、いろんな女性と浮名を流して、
(そー言えば聖下もリッピさんと同じ年の頃に、23歳の子持ち主婦に熱を上げていたんだっけな~!)
― 「卑猥の書」なんて言われている本も書いたりして、「破戒僧」呼ばわりされていたそうですが、
探せば歴史の中には、スターン聖下なんぞ、

「気恥ずかしいくらいの純情派」

なんじゃないかってゆー、スゴい聖職者がきっとまだまた沢山いるんですわなー!

 かの赤毛の司祭ヴィヴァルディも、ミサの途中で曲想が浮かぶと、
中断してどっかへ行っちゃったとかの奇行の持ち主だったっていうし、
女性関係の噂が、故郷にいられなくなった原因の一つになったらしいしな~。

 話は変わり、ハリソンさんの御母上のリジィさんはかなりキツい性格の人だったようですが、
こういう性格の女性にありがちな、「ギスギスして鶏ガラみたいな容姿」だったんでしょうか?
ハリソンさんも時々、「癇癪持ちなんぢゃないの?」
と思われる言動をしていますが、子供の頃に、こーゆー母親の側に居過ぎたのが原因なのでしょうか?

 ラファエロ・サンティ(1483-1520)は、聖母子の絵を沢山描いているので、
ハリソンさんの言っているのは、どの絵の聖母なのかは今の所特定できないのですが ― 。

 一方、ウォルポールさんの御母上のキャサリンさんも、
さすがは50近くになっても、うらやましい限りの容姿端麗なウォルポールさんを産んだだけある、
ブルネットの美女でしたが、こちらも夫の神経をすり減らすよーな、
スゴい性格の人だったようですな!


ウォルポールさん、お父さん以外の男性とお母さんとの間に生まれた子なんじゃないか?
― って、噂になっていたんだって。

確かにパッと見は「英国の〈逆〉田沼意次」に似てないよな。

ロバートさんはいかにも男臭いって感じの人よね。
でも、「結婚式で新郎新婦の写真を合成して、子供はどんな顔か?」
― みたいな感じで両親の肖像画を見てみると、
ウォルポールさんみたいな顔の子は絶対生まれて来そうに私には思えるけど。

ハリソンもそうだけど、ゴスヲタオヤジも
不自然なくらい「性のニオイ」がしないよな…。
何でなんだろうな?
作者の方針か?

パンディはウォルポールさんの事
「ゴスヲタオヤジ」って呼んでるけど、
わたしには「ヲタ臭」も「オヤジ臭」もしていない感じがするんだけど。
逆にお洒落な感じすらするんじゃないの?

何か、あの「苺ケ丘城主様」…とかよー、
「本当はツンデレ?」 ― みたいな妙に女受けしそうな所はないでもないよーな…。

あはっ、パンダッチったら、だから嫌いなんじゃないの?!

しかしキャサリン殿、
首相夫人だというのに・・・浪費だの、派手に遊び回ったりだの、果ては不倫疑惑だのと、
…昔の欧州の世間は大らかな所もあったんだの~。
現代日本なら、皇室バッシング記事がいらなくなるほど、女性週刊誌であれこれ言われるじゃろうて。
 夫側だって、政策が上手く行っていなければ最悪の場合は、内閣不信任案で総辞職。
その後は総選挙で、国民はせっかくの日曜日に投票所へ行くのが面倒で大迷惑!
― なんて事にもなるに違いあるまいに。


明日は、ウォルポールさん直々に個人情報を言っていただきます。
今日の続きは明日。