エー、というわけでですね、先日は、八に乗せられてつい、大昔に流行ったアイアンバタフライなんてバンドのイナガダダビダで
エアーバンドしてしまいました。でもね、やっぱり、なんですなあ、日本人なら演歌です。神さんにも言われました。隠居なら演歌を歌えってね。
八「おう、隠居いるかい」
隠「八か、ああ、熊も一緒じゃねえか。いいとこに来た」
八「何がいいとこに来ただ。なんか、たくらんでいやがるな」
隠「いやいや、今日はこれからね、エアー演歌です」
八「この前は、ロックのエアーバンドで、今度はエアー演歌かい」
隠「その通り、」
熊「で、何を歌うんですか」
隠「ぴんからトリオの女の道です」
八「そんなの知らないよ」
隠「大丈夫、こうやってね、あたしの脇に二人で立つね」
熊「隠居の脇に立ってどうするんですか?」
隠「二人ともギターを弾く真似するんですよ」
熊「こうですか」
隠「あっ、動いちゃいけないよ。あのトリオは動きが少ないんだから。さっ、あたしが歌うからね、左手はネックをつかんでる感じでね、右手をおなかのあたりで上下に動かしてね、あっ、左手は時々動かしてね、コード押さえてるふりをするんですよ」
八「ところで、隠居はこの歌の歌詞を知っているのかい」
隠「イヤー、知らないんですよ。演歌で三人組っていったらぴんからトリオしか思いつかなくてね」
八「じゃあ、歌えねえじゃないか」
隠「いや、だから、歌ってるふりして、マイク持ってね、こうやって、顔を振ってるだけでいいんですよ」
といって、エアー演歌を始めるのですが、八と熊はエアーギターなんですがね、動きが少ないし、あたしはエアーボーカルなもんで、首振るだけなんですよ。誰も、CDなんて持ってないんで、音も出ないし。なんだか、エアー演歌ってのはお通夜みたいなもんです。
(エコロジジー)