家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

三角窓と省エネ

2008年06月21日 | 家について思ったことなど
我が家が購入した新車にはサイドウインドウの前部に小さな三角形の窓がある。
これを見ていて、前世代のクルマにかつて標準装備されていた「三角窓」の存在を思い出した。

新車の三角形の窓はフィックスしていて開け閉めできないが、かつての「三角窓」はクルリと回転させて外の風を取り込むことができた。角度によってたっぷりと風を受けることも出来るし、弱めることも出来る。
前世代のクルマではエアコンが装備されていなかったがゆえにこうした工夫がなされていた。
その後エアコンが標準装備され、車内環境をエアコンに依存するようになり、むしろ密閉性を高めるために開閉できる三角窓が排除されていった。工程や部品を少なくしてコストを下げる目的もあっただろう
省エネの観点からいうと、この三角窓は残しておくべきではなかったかと思う。これがあったら、エアコンを稼動させる時間を減らせるからだ。頭の方にしっかり風が受けられればエアコンをつけなくともよいという状況は少なくない。

私はクルマから三角窓が消えたようなことが住宅に関しても起きているように思う。
機械的空調に頼るシーンが増え、断熱性能と気密性能の重要度が増した。断熱・気密性能を高めることばかりに目が向かい、その分、通風性能がないがしろにされている。
気密性能を示すC値でいい数値を出すためにフィックス窓を多くした家なんてこともあるようだ。
クルマにしろ住宅にしろ、性能を高めることは総じていいことだが、その一方でいつのまにか別の性能が低下するのは考え物だ。

断熱・遮熱性能が高く、なおかつ風通しのいい家なら、エアコンを使わなくていい日や時間を増やせる。
エアコンを使うことを前提に、効率的にエアコンを稼動させる工夫もいいが、エアコンに頼らない時間も増やす。
省エネの工夫ってそういうことではないだろうか。

温暖化対策で省エネ性能の高い住宅を優遇するのはいいが、どんな住宅であっても実際に省エネな生活をしている人だって優遇するような策も考えるべきだと思う。
本気で省エネに取り組むのなら、期待より結果に重点を置いた方がきっといい成果につながるだろう。