寓居人の独言

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東日本巨大地震関連(6) 福島原発関連

2011年06月20日 21時48分26秒 | 日記・エッセイ・コラム

  福島第1原発事故を誘発した大地震対策や津波の大きさを過小評価していたことなどを考え合わせると、作業従事者の健康管理が杜撰にならなければよいと思っていた。

 しかし、恐れていたことが現実になってしまった。放射線被曝を防御することは、放射性物質を取り扱う作業をする方にとってもっとも注意しなければならないことである。そういう意味で線量計は各自が携帯しなければならないことである。ところが全員に行き渡るだけの数量の線量計が無く、線量計を携行しない状態で現場作業をやっていた人がいたという。通常運転の際は勤務が交代制になっているのでおそらくは不足状態にはなっていなかったのだろう。しかし緊急時には多数の作業員が作業することになるので全員に携行させることが出来なかったということだろうと推測する。その結果、基準値以上に被爆してしまった方が8人も出てしまった。いやもっといるのかもしれない。

 以前、東海村のJOC被曝事故があった際も放射線に関する知識もなく、基本的な教育も受けていない下請け企業の作業員が、防護服の着用もなく16kgのウランの加工作業中に臨界事故が発生した。そのために多量の放射線を被曝し2名が死亡し、救助隊員や現場に駆けつけて作業した社員、さらには周辺の一般居住者にも被爆する方がでた、と報道された。

 この事故は、ウランからでた中性子による被爆であったために、より深刻な状態になり、10km以内の居住者にもいろいろな制限が実施された。余談であるが、この事故で発生した中性子あるいはγ線が、百km以上離れている横須賀市にある,ある施設で観測されたということを聞いた。放射能事故は事故原因によって影響を受ける範囲が著しく広くなることが判る。

 放射線被曝の可能性が高い空間での作業をするのは、作業員の承諾を必要とするのかどうか不明であるが、作業内容に関して詳細な説明が必要であろう。当然企業はそうしていることと思う。作業員がその作業内容について理解し承諾し作業に従事したとして、あるいはそれを怠って作業をさせたとしたら、作業員の健康および放射線管理をおろそかにしたとして企業は責任を負うことになるのは当然だろう。

 福島原発で安全のために活動されている方々、本当にご苦労様です。くれぐれもお体に気をつけて下さい。また、放射線被曝線量を管理している方々、作業する方々の放射線被曝防御とそれでも受けてしまう被爆線量の管理をきちんとやって下さい。そして健康管理はきっちりやって下さい。

 筆者も若い頃、仕事の関係で、出力100kwという研究用の小型の原子炉を利用していたことがある。そのときの放射線被曝量の管理をやって下さった原子力研究所の方は非常に厳格に線量計の装着や積算被曝量などの管理を実施して下った。また、そこで仕事を始める前には必ず「安全教育」を実施してくださった。た。健康管理のために行う健康診断などもきちんと受けるよう指導して下さった。今になっても、有り難うございましたといいたい気持ちである。


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