寓居人の独言

身の回りのことや日々の出来事の感想そして楽しかった思い出話

トラブルメーカーになりたくないけど

2015年04月07日 13時39分38秒 | 日記・エッセイ・コラム

 最近、昨年妻を病気で亡くした60代後半の方の話を聞きました。
 彼は自分に素直になれないで困っているということのようでした。
  彼は病気の妻に対して定常だったときと同じようにいろいろなこと

で文句を言い時には手も上げたことがあったという。そのうち妻が生

死の境を彷徨うようになったときに彼はハッと気がついて大きな後

悔の念にとらわれたそうです。妻が元気なときに何故もっと優しくし

てあげなかったのだろうか、妻が好きなところへ旅をしたいと言った

とき何故そんなことはくだらないといってしまったのだろうか、何故

妻ともっと楽しい時を過ごさなかったのだろうか等々後悔の念は次

から次へと生まれたといいます。
 そうして妻が遠くへ行ってしまったとき、彼は酒に後悔の気持ちを

紛らわせたといいます。しばらくして彼は仕事をしていた頃の状態に

戻っていきました。職場は学校で子供たちは自分の言うことを全て

受け入れてくれました。そして年長の同僚の言動の一つ一つにいら

いらするようになっていきました。そのうち年配の同僚に対して強い

口調で文句を言うようになりましたが、年配の同僚は彼を相手にし

ませんでした。それで彼のいらいらがますます増長していきました。
 やがて彼も定年を迎えました。彼は体力もあり、生活状態が全く

変わってしまいましたが、彼の習性は変わることがありませんでし

た。そんな時期に妻が永久の国へ旅立ってしまいました。初めて

孤独の寂しさを経験した彼は何とか自分を取り戻そうとしましたが、

なかなか上手くいきませんでした。今までの世界とは全く別の世界

に入ったのです。つまり大人の世界に入ったのです。

 そうすると今まで全て自分の言うことを聞いてくれた世界とは全く違

ってしまったのです。しかし彼は自分の性格を変えることは出来ませ

ん。それで居住地の団体に入っても高齢者に対して高圧的な言動を

とるようになりました。 高齢者の中には同調するものがいて彼の行

動はエスカレートしていきました。

 その結果彼は横着者とかトラブルメーカーと言われるようになってし

まいました。妻との死別、世の中が自分の意のままにならないいらだ

ち、その他いろいろな原因が彼をトラブルメーカーにしてしまったのか

もしれませんね。

 他人を攻撃することで自分を隠さなければならない彼を哀れと思うこ

ともありますが、自分の行き方を自分で変えない限り彼はいらいらから

脱出することは出来ないでしょう。 

 困ったものです。