絲山秋子はやはり天才。
どの作品もしっくりくる。
わざとらしくない、決してエンターテインを強要しない、お涙頂戴しない、
そのくせ、すっと世界に入っていける。
小説に非関税障壁が無い感じ。
ダーティ・ワークは「小説すばる」に連載された短編を集めたもの。
タイトルはすべてローリング・ストーンズ の曲名。
絲山さんはロックや車には詳しい。
第一話はスタジオミュージシャンの女性ギタリストが登場する。
最初からスーッと入ってくる。
3話ぐらいまではその流れ。
その先から、だんだん登場人物が被ってくる。
短編かと思ったら、どこかで繋がってくる仕掛け。
2回目も読みたくなる。
そもそも絲山さんの小説は繰り返し読みたくなるのだ。
芥川賞を取っているが、直木賞にもノミネートされている。
面白いけれど文藝の香りがする。
とにかくどの小説も安普請でないのだ。
現代のTVや映画を狙って書くなんて対局にある感じ。
でもこういうものを求めていたんだよなあ。
私はこういう映画を見たい。
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