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SAILIN' SHOES

デジタル一眼、ライカ等でのスナップ写真や、カメラ、音楽、鉄道・車、子育ての日々雑感です。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 / 村上春樹

2023-04-15 | 読書感想

村上春樹のリアルな話の長編小説。

お話は幻想的でも不可思議でも無いワクワクしながら先を急ぎたくなる長編。

主人公の多崎つくるは、幼いころからの鉄道駅を眺めるのが好きな少年で、

理系の大学に通い、自由が丘のワンルームに住み、実際には書かれていないが

明らかに小田急電鉄の駅を作ったり管理したりする部署に勤めている。

名古屋の高校時代に非常に仲が良かった男子3、女子2の5人グループが、

なぜだか多崎つくるが東京の大学に行った頃に、4人から絶縁される。

理由のわからない彼は、そのまま地道に小田急に勤めて駅を作っている。

年上の彼女から、絶縁された理由を解明しないと、一生、君は悩んだまま過ごすことになると

言われ、彼女が少しきっかけを作って、彼は解明するために名古屋へ向かう。

結論は・・・・

というちょっとワクワクする展開。

村上春樹にもこういう小説があるんだな。

小説に出てくるフランツ・リストの「ル・マル・デュ・ペイ・巡礼の年」はラザール・ベルマンで

何回も聴いている。

 

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散歩の達人 柏・流山・野田

2023-04-01 | 読書感想

 

15歳から流山に住み、柏で高校に通い、生活圏は柏だった。

流山では買い物するところが無かったw。

今はおおたかの森とかあるからなあ。

雑誌の中身は、いつもの特集より、範囲が広いのか、そもそもそうなのかわからないが、

のんびり、ゆったりしている感じ。

もはやこの地区はクルマが必須なんだよな。

東京のごちゃごちゃした感じも好きだが、ゆったり数倍は空間が広い、東葛飾地区も良い。

 

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田中兆子 / 甘いお菓子は食べません

2023-03-15 | 読書感想

昨年末に「私のことならほっといて」を読んでかなり衝撃があって

面白かった作家。

40歳になってから小説を書き始めて、それまでは戯曲などを書いていたとのこと。

寡作で、新潮から3冊出しているなかで2冊を読んだ。

この「甘いお菓子は食べません」がデビュー作。

40代の女性のすごい面を描いた短編集。

前半はまあまあかな。

後半は面白くなる。

40代の頃の思い出しも入っているんだろうか。

なんだかやはりすごい。

結婚について私たちが語ること、語らないこと / 花車 / 母にならなくてもいい / 残欠 / 熊沢亜理紗、公園でへらべったくなってみました / べしみ

特に最後の短編はR18である。

「私のことならほっといて」の方が全編すごいけれど。

なんだか本当に女性なのかわからなくなるw。

 

 

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panpanya / 模型の町

2023-03-13 | 読書感想

panpanyaは私が大好きな作家で、模型の町は2022年10月発刊の新しいコミック。

相変わらず最高。

今回は小学校の夏休み自由研究の町の模型が話の中心。

夏休みの自由研究ですごい紙の模型を作ってくる子、居たなあ。

テーマはやはり町。

合間に入る「ここはどこでしょうの旅」の5編がこれまたワクワク感がすごい。

読んでください。

 

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東急百年(私鉄ビジネスモデルのゲームチェンジ)/ 東浦亮典

2023-02-05 | 読書感想

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お会いしたことがある知人の東浦さんが書いたからということではなく、

この本は本当に読んで良かったし、素晴らしい内容だ。

私は1972年の鉄道ピクトリアルの東急特集を買ってから、東急をずっと研究してきたし、

当時は五島さんのファンでもあった。

この本はコロナにおける鉄道会社の有り方や東急の事もたくさん書かれているので、

最新の状況にも対応している。

東急のことはよーく知っているし、元東急百貨店の副社長の伯父とも会ったばかりだし、

90%は知っているのだが、残りの10%をスッキリさせてくれたのだ。

東急沿線に住んでいるビジネスマンなら読んだ方が良い内容だ。

主に沿線開発や文化の醸成、新しい開発の在り方、働き方の変化や駅周辺の変化、

エリアマネジメント、スマートシティーの事、などなどを中心に書かれているのだが、

第6章の駅と街の魅力の変遷が具体的で面白かった。

武蔵小杉に関する件もおっしゃる通りと共感できたなあw

一気に読む興味深さの本であった。

お勧め。

 

 

 

 

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グレイス・ペイリー / 最後の瞬間のすごく大きな変化

2023-02-04 | 読書感想

17編の短編。

いくつかは同じフェイスという主人公が出てくるので連作かと思えば、

どうやら作者のような気がする。

難解なものもあるが、全体的にはリズムや流れを感じて読む方がイイ。

アメリカの小説はそういうものが多い。

村上春樹が訳だというのもあるのか。

アメリカの人種問題や貧富の差の話も感じる場合が多い。

万人に勧める本では無いものの、味わいが深い短編が多い。

作者のグレイス・ペイリーは50年で3冊の本を出しただけで有名な作家なんだそうだ。

ユダヤ系の女性作家で、政治などにも興味の深かった人だそうだ。

他に訳書があるのかどうか不明だが、10年に一回は読んでおこう。

ちなみに先日閉店となった渋谷東急百貨店本店の7階、MARUZEN&ジュンク堂で買った。

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海の見える理髪店 / 荻原浩

2023-01-28 | 読書感想

家の下の古本屋で買った。

以前にも読んだ荻原浩。

この人の小説はシナリオがしっかりしてるのか、安定して面白いのだ。

海の見える理髪店は、短編が6編の小説だが、どでも家族を題材にした短編で、

なんだか愛おしかったり切なかったり懐かしかったり。

本当にうまいんだよなあ。

と思ったら、この本で直木賞をとっているのか。

そりゃあそうだよな。

第一話なんて、息子を持つ私だと涙ものだ。

荻原浩さんは元コピーライターだそうだ。

だから筋書きがしっかりしてるんだろうな。

また読みたくなる安定で失敗の無い作家だ。

 

 

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私のことならほっといて / 田中兆子

2022-12-04 | 読書感想

初めて読んだ田中兆子。

私の3歳下の作家だけど、小説を書き始めたのは40歳過ぎてからだそうだ。

「日常と異常の狭間に佇む七人の女性たち。」と帯にあるように不思議な女性が主役の短編7話。

【収録作】歓びのテレーズ / 薄紅色の母 / 匂盗人 / 六本指のトミー / 片脚 / あなたの惑星 / 私のことならほっといて

この作家は新潮から3冊出しているのだが、まだ寡作で、たくさん読みたい人になってしまった。

とにかく惹きつけられる。

一気に読んでしまった。

普通の生活なのに何かがすごく変わっていて、少し超常現象やSFミステリーっぽかったりもするが、

普通と隣り合わせの描写がすごい。

クチコミを見ると評価がすごく低かったりもするが、それが不思議。

こんなすごい作家ってなかなか居ないと思う。

世間にとらわれず書きたい小説を書いている感じもあって、怖いけど清々しいw。

お勧め。

もう1冊買ってしまった。

 

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柊サナカ / 天国からの宅急便

2022-11-21 | 読書感想

柊サナカさんの「天国からの宅急便」は冬に出た本だ。

なんで今頃の読了かと言うと、ずっとサイン本が出るのを待っていたから。

クラシックカメラ好きの柊さんが通う東日暮里の三葉堂寫眞機店にならいつかサイン本が入ると思って

待っていたのだったが、なかなか行けず、ついに入手したのだった。

相変わらず、ほっこりする本だった。

柊サナカさんの小説は必ずほっこりする。

で、絶対に失敗が無い。

どの本を読んでも必ず満足できるのだ。

ちょっと面白くないんじゃないの、なんてことはただの1回も無い。

今回は「天国からの宅急便」という会社というか仕組みが出てくる連作で、

どの話も展開がうまいし、最後まで結果が見えないミステリー仕立て。

このミステリー仕立てというのも柊サナカさんの共通したところ。

だからどうしても一気に読みたくなるのだ。

もったいない、もったいない。

日本カメラ博物館でお会いして立ち話をさせてもらったことがあるのだが、

和服の似合う柔らかい方であった。

これからも出たら読む。

でもサイン入りを探すけどw

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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少年期「九月の空」その後 / 高橋三千綱

2022-11-01 | 読書感想

髙橋三千綱は「九月の空」で芥川賞をとっている。

作者が29歳の時に「九月の空」を書き、44歳の時に少年期「九月の空」その後を書いた。

そして昨年73歳で癌で亡くなった。

その昔、売れ子だった髙橋三千綱はよくTVに出ていた。

ちょっとひねた感じで、世間に同調しない裏を往くような感じの人で、

そんなに好きでは無かったのを思い出す。

しかし小説は純文学で素晴らしい。

主人公が高校生から浪人生になるまでの剣道を交えながら、青春に出会った女性たちのことを

瑞々しくも女性の知らない面を感じていく様子を書いている。

最近のチャラチャラした雰囲気の小説ではない。

純文学であって、これぞ小説と満足できるものだ。

素晴らしい。

 

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