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「ステレオタイプ」の語源(過去の妙に知よりすぐり)

2018-02-14 | 妙に知(明日)の日記
「ステレオタイプ」の語源(過去の妙に知よりすぐり)
ステレオタイプ。この単語に初めて出あったのは、高校生のころエッチなタイトルに惹かれてこっそりと読んだ本からでした。森鷗外『ヰタ・セクスアリス』です。

――揚弓(ようきゅう)店のある、狭い巷(こうじ)に出た。どの店にもお白いを附けた女のいるのを、僕は珍しく思って見た。(中略)今まで見た、普通の女と違って、皆一種のstereotypeな顔をしている。僕の今の詞(ことば)を似って言えば、この女たちの顔は凝結した表情を示しているのである。僕はその顔を見てこう思った。なぜみな揃ってあんな顔をしているのだろう。(森鴎外『ヰタ・セクスアリス』より)

Stereotype。まったく意味がわかりませんでした。ステレオとタイプならわかるのですが、それが1単語になっています。そのことは、ずっと忘れていました。先日読書中に、ぽこんと「ステレオタイプ」が飛び出してきました。

――ステレオタイプ的な発想に出会ったとき、私たちは、あらためて深く考えることもなしに、「ああそうか」「そんなものか」と反射的に受け取ってしまうことが少なくありません。(苅谷剛彦『知的複眼思考法』講談社α文庫P23)

――「常識」にとらわれないためには、まず何よりも、ステレオタイプから抜け出して、それを相対化する視点を持つことが重要です。複眼思考とは、複数の視点を自由に行き来することで、一つの視点にとらわれない相対化の思考法といってもよいでしょう。(苅谷剛彦『知的複眼思考法』講談社α文庫P27)

ステレオタイプ。意味はわかるのですが、どうしても語源がわかりません。事典にたよることにしました。
――本来は同じ鋳型から打出された多数のプレート (ステロ版) の意味。(ブリタニカ国際大百科事典)

それが型にはまった行動や思考に転じたのですね。

*昨日の購入の一押し本
干刈あがた『ウホッホ探険隊』(河出文庫)
復刊を喜んでいます。それにしてもすごいダブルカバーです。上のカバーにはこんなコピーが踊っていました。
――このタイトルから/絶対に/予想できない/感動が/待っている/注:小説です。

干刈あがたについては、『堤中納言物語』を紹介済みですが、絶対に本書は紹介させていただきます。文庫が絶版でしたので、紹介を断念していたのです。再読が楽しみです。
山本藤光2017.12.08

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