山本藤光の文庫で読む500+α

著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

花田清輝『復興期の精神』のこと

2019-04-22 | のほほんのほんの本
花田清輝『復興期の精神』のこと
朝日新聞に作品社の増子信一さんが、花田清輝『復興期の精神』(講談社文芸文庫)について書いていました。本書は「山本藤光の文庫で読む500+α」で取り上げています。増子さんは次のように時代を語っています。

――1970年代の初めは「埴谷千年、吉本万年」という言葉がまだ生きていて、埴谷雄高『幻想のなかの政治』、吉本隆明『共同幻想論』がもて囃されていた。(朝日新聞2019.04.17)

このあと増子さんは、
――花田・吉本論争でコテンパンにやられたオールド・左翼、花田を読んでいると白眼視されること必至。
と書いています。しかし私同様、花田清輝によって読書の幅が拡大したとも添えています。若い人にはぜひ読んでもらいたい作家が、花田清輝です。埴谷、吉本よりもずっと知的だと、私は信じています。もっとも二人はほとんど読んでいないのですが。
山本藤光2019.04.22

061cut:甘いな

2019-04-22 | 完全版シナリオ「ビリーの挑戦」
061cut:甘いな
――Scene09:営業本部の嵐
影野小枝 安田本部長が去り、森永本部長が着任しました。現状について、3部長が説明を求められています。
森永 業績が低迷している理由を説明してもらいたい。
片岡 申し訳ありません。現在5年後19位に向けて、鋭意努力中です。
森永 私が質問しているのは、現在のことではない。過去のことだ。きみたちはそのために、何をしてきたのか。
片岡 新製品のすべてが大手メーカーとの併売のため、苦労することが多いのが原因のひとつです。
森永 甘いな。そんなことを理由にあげるから、勢いがつかないんだよ。
片岡 すみません。
森永 雑誌で読んだけど、エスなんとかのために、現場から精鋭を引き抜いたんだって。
漆原 SSTです。現在1年を終えて、2年目に突入しています。MR活動の質を上げて、業績向上を図ろうとの意図です。
森永 そんなままごとで、現場は変わらない。MRの1日の面談医師数は何人だ?
三枝 病院班と開業医班とでは違いますが、平均すると10人くらいかと……。
森永 データは取っているんだろう?
三枝 データは取っていません。
森永 甘いな。だからMRは働かないんだ。
影野小枝 とんでもない展開です。

風が吹けば桶屋が儲かる

2019-04-22 | 知育タンスの引き出し
風が吹けば桶屋が儲かる
風が吹けば桶屋が儲かる。この言葉は誰もがご存知だと思います。しかしその理屈を完全に覚えている人は少ないので、整理しておきます。

――風が吹くと、砂ぼこりが立って砂が目に入り盲人が増える。盲人は三味線を弾くので、それに張る猫の皮を取ることから猫が減り、猫が減ると猫を天敵とする鼠が増える、増えた鼠は桶をかじるので、結果的に桶屋が儲かることになる。
山本藤光2019.04.22

352:夜間大学と大学進学塾

2019-04-22 | 小説「町おこしの賦」
352:夜間大学と大学進学塾
 四月二日。標茶町生涯学習センターは、朝から多くの生徒を迎えていた。九時の開所と同時に、一階ロビーには人が満ちあふれた。マガジンラックには週刊誌が並べられ、北海道新聞や釧路新聞なども置いてあった。
瀬口恭二と長島太郎は「おはようございます」と、一人一人を迎えた。

四階の『知だらけの学習塾』のオープンは、十時であった。続々と、塾の運営者が姿を見せはじめた。囲碁教室の大場純一は恭二にあいさつしてから、上気した声でいった。
「ワクワクしています。いよいよですね」
「生徒は何人くらい集りましたか?」
「三十人ちょっとです。町長の奥さんのお父さんも参加してくれています。村田善治さんの計らいで、おあしすの里のサークルは、みんな知だらけに合流してくれました」
「それはいいね」

 午後五時。役場での執務を終えて、恭二は生涯学習センターに足を運んだ。夜間大学と受験塾の様子を、見ておきたかったのである。最初に、夜間大学をのぞいた。まだ授業がはじまっておらず、詩織と勇太が後ろの席で談笑していた。恭二を認めて、勇太が手招きした。
「今日から、ピカピカの一年生だ。詩織ちゃんも一緒で、何だか高校時代に戻った感じがする」
「ちゃんと勉強しなよ」
「もうすぐ五十歳だ。手抜きをしている時間はないよ」
「ミユさんも一緒じゃなかったの?」
「ミユは教科書を見て、卒倒してしまった。だからそっとしておくことにした」
「しゃれてる場合じゃないだろう。残念だけど、仕方がないか」

 高校生の受験教室は、すでに授業がはじまっていた。恭二は後方の入口から、A教室のなかへ入った。樋口正直が教壇に立っていた。
「数学の基本は国語力です。数学の点数を上げたかったら、まずは国語の読解力を身につけなければなりません。だから長島先生の国語の講義は、しっかりと聞いてください」

 恭二は窓越しに、隣りのB教室をのぞく。村田善治が英語の授業をしていた。耳を澄ます。
「今日から、センター試験の過去問に挑みます。先生の授業のレベルはきみたちの実力に合わせますので、とりあえず実力診断テストを行います。はい、テスト用紙を後ろに回して。所要時間は三十分。またほとんどの生徒は解けないと思うけど、チャレンジしてみてください」
 生徒から笑い声が響いた。

小野なりこさん当確

2019-04-22 | 妙に知(明日)の日記
小野なりこさん当確
一緒に仕事をしていた小野なりこさんは、都民ファーストの会の千代田区から出馬していました。今朝彼女のブログを確認したら「当確です」とありました。自分の娘みたいな小野さんは、きっとまともな政治をやってくれると思います。彼女の武器はたぐいまれなる「傾聴力」と「共感力」にあります。私が最も大切に思っている二つの才能をもった希有な人です。当選を確認するまでおめでとうはいいませんが、素敵な人が政治に参入することになるでしょう。
山本藤光2019.04.22