050cut:佐々木MR18回目
――Scene07:SST派遣先の営業所
影野小枝 奈良営業所の佐々木MRは、奥野さんとの最後の同行をしています。
奥野 いよいよ今日で最後だね。佐々木くんはよくがんばったよ。
佐々木 ありがとうございます。仕事が楽しくなりました。しっかりと成果を思い描く。新しい何かを発見する。失敗を恐れずに挑戦する。全部できるようになったら、きっと奥野さんみたいになれるんですね。
奥野 ところできみの顧客ニーズを探る活動って、5点満点で何点になった?
佐々木 おっと、「身の丈コンピタンシー」できましたね。今日は奥野さんに教えてもらった話法をA先生にぶつけてみます。
奥野 なぜ当社のB(重点製品)をお使いいただけないのですか、だろう。やっとその気になったか。叱られるかどうか、試してみよう。
影野小枝「身の丈コンピタンシー」は、ワンランク上の活動を可視化させる質問法ですね。それにしても、何度もやられているので、佐々木MRはなれたものですね。
奥野 今日は、きみが苦手だっていっていた3つの病院を中心に
回ったけど、合格だよ。もう単独訪問できるよね。
佐々木(同行ノートを開いて)奥野さんがA先生について知って
いる情報をページの下から書いてごらん、っていいましたよね、
あのとき5つしか書けなくて、奥野さんはそこに赤いラインをひ
きましたよね。あれから今日までどんどん新情報を加えたら、次
ぎのページまではみだしちゃいました。
奥野 これ「情報タワー」っていうんだけど、佐々木くんは集めた
情報を総動員して、ちゃんと攻略できるようになった。すごいよ。
佐々木 何だかうれしくて、泣けてきました。奥野さん、ほんとう
に長い間ありがとうございます。教えていただいたことを忘れず、
来年の優秀MRの表彰式を目指します。
影野小枝 佐々木さん、奥野さんの両手を握りしめて、泣いてい
ます。感動的な場面です。終わりましたね。やりましたね。私もも
らい泣きしてしまいました。