奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その381)

2017-09-09 00:19:58 | 奈良・不比等
国文祭・障文祭なら2017」に捧げる
歴史ファンタジー小説・北円堂の秘密

「それでも原発が必要な理由わけ(櫻井よしこ&奈良林直対談・ワック2017刊)」を読んだ。櫻井よしこ(櫻井良子1945生れ)女史は慶応大中退・ハワイ大学卒のジャーナリストであり、奈良林直(ならばやしただし1952生れ)氏は東工大卒で東芝の原子炉技師を経て北海道大学名誉教授となっており、原子炉工学の専門家である。-------
「それでも原発が必要な理由」では、東電福島第一原発事故の1~3号機のメルトダウンに至った経緯とその原因を知り得る限り詳細に説明してくれている。櫻井よしこ女史の役割は対談の相方であるが素人が専門家に質問する形で進行していく。唯、櫻井よしこ女史は原子炉には素人ではあるが事の成り行きから事故現場の状況把握が的確でズバリと奈良林直氏に質問を投げ掛けて読者の理解を手伝ってくれている。櫻井よしこ女史はこれまでの福島事故の調査書を全て読んで知って居られて、素人のスタンスで対談に臨んで居られる風であった。だから更に福島事故に関して国民が感じる疑問点の多くを新聞記事やTVの薄っぺらい掘り下げではなくてはっきりと原子炉の構造も含めて言及をされている。「それでも原発が必要な理由」には説明図も詳しく載せられており、本物の原子炉工学者の説明は科学ジャーナリストの取材記事よりはずっと分かり易いと思った。
事故により経験値を得たのであるから、社会にとって必要悪の面が有るのも承知して、怖がってばかり居ずに積極的に利用することを再開してはどうかとお二人は提言している。------
奈良県でも古代には大仏造営のために多くの作業員が鉛中毒に侵された歴史を持っていることも確かであり、文明の発展には乗り越えて来た数々の履歴が有ることを理解せねばならないのであろう。
コメント
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