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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その627)

2018-05-13 08:15:00 | 奈良・不比等
「ルポ東大女子(おおたとしまさ著・幻冬舎新書2018刊)」を読んだ。おおたとしまさ(太田敏正1973生れ)氏は東京外大(英米語学科)中退、上智大学(英語学科)卒にて、リクルートに務める。2005年に独立し、以後、教育・育児ジャーナリストとして活躍している。-----
「ルポ東大女子」では、男女共同参画社会(1999)が叫ばれて久しいが、実現の“道半(みちなか)ば”の感が拭(ぬぐ)えない。電通過労死事件(2017)を見ても然り、偏差値最高格の女性総合職である東大女子の動向について現役生を交えてルポを敢行したものである。リクルートに務めていた“おおたとしまさ”氏は、手慣れた取材を幾つか経て、平易な言葉で東大女子の想いを活字にしてくれている。頂点を知れば裾野も分かると云うことでもあり、論理性の明確な東大女子の発言を引き出している。-----
結局の処、東大女子の結婚する相手は同じく東大生が7割であるとか、許せるのは早慶までとか下世話な話題が満載である。慶應出の車谷長吉(1945~2015)氏のお相手が東大女子の詩人・高橋順子(1944~)女史であったことがとても良く符合する。-----
世界のフェミニズム運動の波を受けて日本でもバブル経済の終盤頃に男女雇用機会均等法(1986施行、1997一部改正)が制定された。-----
しかしながら、高偏差値の東大女子を持ってしてもこのグローバル化する社会において、結婚し家庭を営む男女双方の自己実現と子育ての両立が根本的に難しい問題を社会構造的に孕(はら)んで居り、今も解決している訳ではない。そのための解決法が提案されているのではないが、偶々(たまたま)上手くいっている例などを挙げて、そう深刻にならず、諦めるのはまだ早いとも云いつつ、高偏差値の問題解決能力を使って対処して欲しいし、それを日本全体に普及できれば尚良いとも書いている。----
専業主婦が税制上からも消滅する時代にあって、二世帯住宅に住まう祖父母に孫の面倒を見て貰うシステムも数に限りがあるのであり、保育園が完備したとしても毎日送り迎えから夫婦互いにするにしても、日本のこれまでの無茶な働き方を止めなければ、到底核家族状態で子育てが出来ない事は明白である。企業のブラック性が問題となっているが、グレーゾーンにある会社も、もっと定時内に短時間勤務で働けるようにすべきであろう。-----
同一労働・同一賃金が世界の標準であると良く話題となるが、高度な社会であるが故に、偏差値の高い高学歴者でないと高報酬を得られないとも云えるのであり、東大女子の様な高偏差値を持つのであればダブルインカムで働いてメイドを雇えば良いのだろうが、フィリピンなどからの出稼ぎ労働者を雇えないと難しい。結局日本人も昔の様な家事手伝いなどの職業化が復活するのだろうか。介護・デイサービスなどはその亜流とも考えられるのではなかろうか。
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