奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1179)

2019-11-15 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「8050問題の深層~限界家族をどう救うか(川北稔著・NHK出版新書2019刊)」を読んだ。川北稔(かわきたみのる1974生れ)氏は、名大大学院博士課程修了、現在は愛知教育大学(教育学部)准教授である。社会学を専攻しており、不登校、ひきこもりなど社会的孤立について研究している。------

“8050問題”の説明は次の通り。“80代の高齢の親が50代の無職やひきこもり状態の子どもと同居し、経済的な困窮や社会的孤立に至る世帯が増えている。”、“8050問題を高齢の親と壮年期の子どもの同居から生じる社会的な課題としてとらえていて、支援の対象になりにくい40歳以上の子どもをもつ家族が焦点となる。”、“二重の孤立をもたらす場合もあり、ひきこもりと介護拒否はひきこもりの子どもの存在を知られたくない高齢者が外部の人に介護の相談をするのを避けるのである。生涯未婚率の上昇は親との同居を已(や)む無くさせるのである。”------

章立ては次の通り。“終わらない子育て”、“ひろがる社会的孤立と8050問題”、“ひきこもり支援の糸口”、“限界家族をどう救うか”------

“限界家族”の説明は次の通り。“ひきこもり問題を抱える家族が家の外にSOSを出せないケースは多い。過酷な家庭内暴力やその背景にある親子間、きょうだい間の関係の悪化、あるいは食べる物にも困るような生活の困窮。生死を左右するほどの病気を抱えていても声を出すことは難しい。ぎりぎりまで我慢を重ね最後まで家族だけで耐え、解決を図ろうとする。その結果、ときに共倒れに至る”、“過疎化が進み、65歳以上の人が50%を超える集落は限界集落と呼ばれる。社会のなかには共倒れ寸前の限界家族が隠れているのではないか。”、“ずいぶん以前から問題視されてきた子どものひきこもりが何ら解決されることなく、今や大人のひきこもり問題に発展して来てしまっているのだ。7040世帯が8050になる頃にはもっと日本社会は貧困が進んでひどくなることが懸念される。”------

高学歴に相応しい職業は数が少なくて、全員がホワイトカラーに就く訳にはいかず、ブルーカラーあるいはブラック企業に就くと、嫌になって辞める人数が増えて、ひきこもりになる例が多い。収入が無ければ結婚もできず男性の未婚率は2010年で20%になっている。女性は10%。少子化が止まらないのは然も有りなんと言った処だ。出口のない問題だが、乗り越えなければならない喫緊の課題である。

 

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