奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1081)

2019-08-10 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「橋本治のかけこみ人生相談(橋本治著・幻冬舎文庫2018刊/2013.11~2017.8幻冬舎Plus連載記事)」を読んだ。橋本治(はしもとおさむ1948~2019)氏は、東大(文学部国文学科)卒で、“桃尻娘(1977)”で小説家デビューを果たして、引き続き、小説、評論、戯曲/古典の現代語訳、エッセイなどの執筆で活躍した。-----

「橋本治のかけこみ人生相談」は、橋本治氏の慈愛に満ちた回答がそれぞれのお悩み質問に付されていて、誰が読んでも良くこのように親切に回答できるものだなと感心するしかないのである。橋本治氏が東大卒であることを感じさせないのは、橋本治氏自身が東大出の同窓生に好感をいたいだ事は少ないと書いているように、本当に庶民目線でその庶民の悩みを一緒に悩んでくれるのである。お悩みの相談の文章は舌たらずや説明不足の物が多いのだが、適格に予測してその足りない箇所を言い当てているかの如くで、読んでいると頭のよい探偵の推理を聞いているようで心地よくもなるし、そのためか気が付けば読了してしまっているのである。人生相談の話題ではあるが、珠玉のようなお伽話を聞いた児童のように、読み終わると、心が安定して、夜分であればきっと眠りを誘われる処だろうと思うのである。-----

橋本治氏の人生相談の続編を読みたいと思ってもこれも遺作の1冊なのである。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする