奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1072)

2019-08-01 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「令(うるわ)しく平和に生きるために(中西進著・潮新書2019刊/2016.1~2019.6潮“こころを聴く”連載記事の新書化)」を読んだ。中西進(なかにしすすむ1929生れ)氏は、東大(文学部)卒、同大学院修了し、筑波大学、大阪女子大、京都市立藝大、帝塚山学院などを経て、現在は日文研名誉教授である。国文学者、万葉学者として名高い。-----

「令しく平和に生きるために」は、題名にある通り、中西進氏が“令和”元号制定案の考案者であることが略(ほぼ)事実であることから、100%売れるに違いない新書として発売されたかのようであるが、まえがきには、偶々(たまたま)雑誌の連載が終了してタイミングよく新書化できたものであると断りを入れている。しかしながら令和の令を“うるわしい”と訓読みするとか中西進先生の独壇場的な分野の解説が入っており、これこそが令和の提案者の真の意味付けであったのだなと、納得させて貰える本であり、時宜に適(かな)っているのは当然であろう。-----

本文は、万葉学者の中西進氏の日頃の雑念をエッセイとして書きだした文節ばかりであり、新書化の際に手は入れているだろうけれど、面白い処と、そうでもない駄文があったりするのはご愛嬌と云った処で、令和の提案者になられたことに因んで、読者としては駄文でも目を瞑ることになる。齢87~90で書いておられるのであり、確かに国文学者としてお歳は取られても筆力は衰えてはいないのだろう。そしてAI(人工知能)を話題にしたりして、決して文系の知識の羅列ではない巾広い興味を示して下さっており、90歳代まで未だ未だ面白いエッセイならば世間に提供して貰えそうであると、中西進ファンの読者は次を心待ちにするのであろう。

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