奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1074)

2019-08-03 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「気にしない気にしない(ひろさちや著・PHP文庫2016刊)」を読んだ。ひろさちや(1936生れ)氏は、東大(印度哲学科)卒、同大学院博士課程修了し、1965~85には気象大学校教授を務めた。難解な仏教思想を易しく説く著書でファンが多い。-----

「気にしない気にしない」は、仏教から拝借した人生訓を此れでもか此れでもかと書き連ねて、人生はクヨクヨしても損ですよと延々諭し続けてくれている本である。読んで心地よく感じる人と、余り癒されない人もおられるでしょうが、ひろさちや氏のファンの多いことを考えると、ひねくれ者でなければ「気にしない気にしない」は、一休さんの頓智を聞くようで笑いを誘われてしまうのである。------

何冊も同様の本を執筆されている割には、そんなに書くことがあるのだろうかと思うのであるが、読んでみると前に読んだことは忘れている読者が多いのか、また引き込まれて読みこんでしまうのである。丁度、落語家の噺を聴いた際に心地よくなる心境と似ているのだが、理由はわからない。-----

あとがきには“シェイクスピアのお気に召すまま”の台詞“世界はすべてお芝居だ。男と女とりどりに、すべて役者にすぎぬのだ”どうせろくな配役にしかあり付けないのだから、ほんのちょっと損をする阿呆な生き方をしましょうと結んでいる。映画カサブランカの台詞“昨夜何処にいたの。そんな昔のこと覚えていないね。今夜会ってくれる。そんな先のこと分からない”も阿呆のやり方だと例に挙げている。このようにひろさちや氏は、読者の扱いが上手くてファン獲得をなさっているので同窓の学者には評判が良くないそうである。

 

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