炉端での話題

折々に反応し揺れる思いを語りたい

山麓閑話(5)-小鴨の災難

2008-09-16 11:32:56 | Weblog
 八月末のある日、家の前で人声がするので出てみたら、子鴨5羽が我が家の側溝の排水枡に落ちて出られないでいる。親鴨が鳴きながら排水枡の周りを動き回っているが、どうにもならない。時々近くで見かけた野性の鴨だ。
 こちらがあまり声を立てると、子鴨たちは、排水枡から出水する排水管の奥へしり込みしてしまう。そちらに行ったら助からないぞと気がきでない。ようやく一羽が出てきたところで、家から持ち出した虫取り網で、排水管の入り口をふさぐようにしてすくい上げ、親鴨の方に放してやった。残りの4羽はどんどん排水管の奥へと進んでしまい、ついには小さな鳴声も聞こえなくなってしまった。排水管の先は地下の大きな下水溝だ。うまく出口にたどり着けるだろうか。
 救い上げられた子鴨は一目散に親鴨の方に駆け寄ってゆく。親鴨は仕方がないと思っているのか、1羽だけを従えて遠ざかって行ってしまった。
 4羽の子鴨は犠牲になってしまったのだろうか。慌てたので、われわれの対応がまずかったかもしれない。騒ぎ立てる前に、まず、排水管の入り口をふさいでおけばよかった。その後、排水枡に戻ってきていないか、時々、見に行ったが、遂に姿を現さなかった。いつまでも後悔が残った。(青)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿