炉端での話題

折々に反応し揺れる思いを語りたい

脳内物質とは

2008-08-24 10:07:38 | Weblog
「ゲーム脳」から「脳内汚染」を調べていたところ、「脳内物質」のことにまで及ぶことになった。
生田哲著「脳と心をあやつる物質」ブルーバックスを読んだ。初版は1999年であるから、10年近く売れ続けている本である。
生田氏は薬学の専門家の立場から、脳内物質の役割を解説している。脳内の物質、セロトニンとかドーパミン、メラトニンさらにはエンケファリンなど神経伝達物質等々がどのような役割をはたしているか、またこれらの脳内物質の効果を高め、あるいは減殺するために、どのような薬物があり、それがどのように作用しているかを説明している。脳神経症にかかわる薬物を投与されている方、あるいは薬物に依存しなければならないかなと考えておられる方、一読されることをお薦めする。
この本には、病因となる物質に、いかにして医薬品がピンポイントで作用するかという西洋近代生理医学の経緯も伝承記述されている。私は、時折ラジオ放送等で、和漢薬にも素晴らしい効能があることを耳にした。和漢薬はピンポイントで病因に作用しない。また効能もすぐには現われない。ヒトによっては薬効どころか、薬害に陥ることもあるといわれている。生田氏は西洋薬学の専門家であるから、東洋薬学のことは触れていない。個人的には華岡青州が創案した和漢薬の紫雲膏の効能に傾倒している。いかなる効能があるかということは、ヒトによって差があるであろう。効能についてのべること、ここでは割愛する。
脳神経に効能があるといわれている和漢薬もある。脳神経に関する和漢薬がどのように神経細胞に作用するかということは解明されているのだろうか。

ここで生田氏が少しばかり触れていることについて敷延しておこう。
生田氏は塩が大切であると力説している。神経細胞に塩の成分であるナトリュウム・イオンが入り込むことで電気的なパルス信号が発生すると述べている。このことは正しい。神経生理学の教科書をみるとナトリュウム・イオンが注入されたあと神経細胞からカリュウム・イオンが放出されて、電気的な平衡状態にもどるという。このことはナトリュウム・イオンの他にもカリュウム・イオンが神経細胞の活動には必要であることがわかる。
ちなみにスポーツ・ドリンクの成分表示をみていただきたい。カリウムが含まれていることが表示されている。夏の暑い時期、日射病にみまわれ、水だけを補給しても回復しないことがあるという。ミネラルの補給が必要である。マグネシュウムも欠かせない。豆腐を作るために使われるニガリには豊富に含まれている。ニガリは天然塩の中に存在する。
以上のことなどからすぐわかることは、塩化ナトリュウムのみを含む精製塩は脳神経の健康上、好ましくないことである。脳神経細胞の活動のために必要なミネラルが不足するからである。自家料理には天然塩、さらに味噌・醤油も天然塩を用いた製品を使用したい。
海水塩は、近代化学の物質で汚染されているおそれがある。できれば古代に生成された化石とも云える岩塩が好ましいと考えている。人類発祥時期の海水の古里がいい。
よく眠れないとか、イライラするなどと訴える方々には、ダメモトかも知れないがとことわって、天然塩の利用を薦めている。
我が家の食卓の上にもピンク色の岩塩がおいてある。時折ガリガリとおろし金ですり下して味付けをする。どこの産地か聞いてみたが知らない、スーパーの出店で買い求めたものという。
 生田氏が改めて天然塩のすばらしさをその著書のなかで語っていると思いたい。
(脳)

脳内汚染とは

2008-08-17 22:35:47 | Weblog
中学校の先生から、生徒達の異常行動が増えていることについて相談があった。そこで「ゲーム脳」について資料を集めていたところ「脳内汚染」のキーワードがあった。
さっそく岡田尊司著の「脳内汚染」文集文庫と「脳内汚染からの脱出」文春新書の二冊を購入して読んだ。
皮肉な言い方をすると、インターネットなどで「脳内汚染」にとりつかれた方には読みたくても読めない本である。かくいう私もいささか「脳内汚染」に罹患しつつあるので、これを精読することは「きついシゴト」であった。
岡田氏は、精神科の医師であり、京都医療少年院に勤務されているから、現場からの切実な訴えであること、まずは敬意を表しておきたい。
数々の専門医による脳についての図書には、著書の中で医薬品会社の宣伝かと疑いたくなるほど薦める医薬品のことが書かれていることが多い。しかし岡田氏の著書には、医薬品のことは一切ふれていない。
「脳内汚染からの脱出」には、本人の固い決心、周囲の人々による支援のもと、長時間かけて、根気よく治療しなければならないことが書かれている。それがいかに困難であるかを知れば、「脳内汚染」予防の方が、はるかにいいことを説いている。医薬品を使用しないで、何とか依存症を克服すること、これは高く評価したい。
ゲームとかインターネットによって、その依存症が発症することは、すなおに同意できる。しかし岡田氏は論文を引用しながらドーパミンの過剰排出と主張しているが、このことについては、正しいかどうかわからない。ドーパミンは、アドレナリンとかノル・アドレナリンと同じ神経伝達物質である。化学構造も類似している。神経繊維はこれらの神経伝達物質に選択性があることが生理学的にわかっている。いわば情報伝達のフィルターといえよう。
ヒトは褒められると嬉しい。ドーパミンが排出されて気持ちよくなるからだろうか。
それならば、あまりに褒められるとドーパミンの過剰な排出で精神的に何らかの異常をきたすかもしれない。ドーパミンの過剰な排出が依存症の原因と決めつけることは、インターネット掲載されているように精神学会の権威あたりから批判があることは理解できる。これは生理学の研究途上にある課題と推察する。

 「依存症」は、もとからある。
 困難な入学試験に合格して有名大学に入学した者が、麻雀のトリコになり、勉学はおろか講義も出席しないため、退学になったという話も聞いたことがある。麻雀依存症である。パチンコ依存症とか競馬依存症もある。いわゆるギャンブル依存症である。

 ここで、岡田氏が述べていないことについてふれておこう。
「インターネット依存症」「ゲーム依存症」が思春期に発症する危険性についてである。思春期は、子供から大人に変身する時期である。この時期、夢さえ見ない熟睡時(ノンレム睡眠ともいう)に脳内から、成長ホルモンが湧出することがわかっている。身体の成長は勿論のこと精神的な成長にも重要な働きをする。この思春期に「ゲーム依存症」などで、熟睡しなければ心身的な合併症を引き起こすことになる。知人の小児科医も臨床体験から、子供達の「こころ」の病がおおくなっていることを語っていた。
 思春期にあるヒトは、熟睡が不可欠である。睡眠リズムのために、夜の10時以降のインターネット、ゲームは一切行わないようにしなければならない。
以上のことは、すでに前にも触れているが、あえて再記する。

 さてこれを読んでおられる方、「脳内汚染」に罹っていると思われるのであれば、岡田氏の忠告に従って、直ちにコンピュータのスィッチを切り、コンピュータを破壊することが依存症からの脱出法である。
 あるいは「脳内汚染」治療のため、ゲーム感覚で接することのできるソフトウェアが出現するかもしれない。文部科学省推薦を受けるであろうソフトウェアである。
そのようなソフトウェアが出現するまで、コンピュータの破壊を思いとどまっておくことも選択肢の一つかもしれない。
(脳)

テレビ放送 -長老にお伺い-

2008-08-09 09:56:08 | Weblog
おっ、珍しいのが訪ねてきたのう。
なに、おみやげはイワシの丸干しだって。
そうかい。今年は千葉房総南端で、珍しくイワシがよくとれるというのか。石油の値段が高騰しているとき、有り難いことだな。
オーイ、ばあさん、さっそくイワシの丸干しを焼いてくれ。一杯やりながら話そうではないか。どうやって焼くかって。そりゃ、炭火がいちばんいいのにきまっとるよ。
そうか。炭がないか。
 仕方ないから、ガスのグリルで焼こう。孫が訪ねてきたとき「なまぐさい」というのかい。イワシの丸干しを焼くニオイは日本人のふるさとのニオイだ。マア、孫が訪ねてくるまでには風通しをよくして、ニオイ消しをしておくことだな。

そうか、「東京タワーはなくなるの?」という話題があったのでそれについて聞きたいって。ウン。そのブログは読んだよ。
地震のコトも書いてあったな。新東京タワーは地震で倒れないかって。そりゃわからんよ。1923年の関東大震災は、大きな地震であったがマグニチュードは7.9と記録されている。この程度の地震でも新東京タワーは使いものにならないかもしれない。何しろ600メートルの高さだから。自家発電装置があるだろうから、これはいいとしても新東京タワーまでのテレビ信号が届くかどうかわからないね。
どうしたらいいかって。
放送アンテナを分散配置すればいい。自律分散なら理想的だ。

オーイ、ばあさん、関東平野の地図をもってこいよ。
イワシが焼けたら一緒にな。
関東平野のまわりの山にテレビ放送のアンテナをいくつかおくのさ。房総半島なら標高352メートルの鹿野山、標高876メートルの筑波山、これは新東京タワーより高くできるね。足利の北にある山脈、ここには標高1197メートルの根元山があるがその山頂まで行かなくともいいだろう。さらに標高600メートルの高尾山がいいが、これは地元の反対があるかもしれないな。代わりに厚木の西にある標高1252メートルの大山はどうかな。丹沢山系の端は都合よく関東平野を睥睨する。
これだけ配置すれば、高層ビルの影でテレビ放送が見えないという苦情はなくなるだろう。テレビ放送の電波はこれまでのアナログ放送のままにする。画像の質はよくないから、今問題になっている視聴料はとらない。
ナニ、視聴料がはいらないと公共放送が運営できないって。それならばディジタル放送、将来ともケーブル配信に頼り切りになるであろうから、ケーブル・テレビの配信業者に課金するさ。ディジタルテレビの質のいい画像は有償であるということで視聴者は納得するだろう。視聴者は、ケーブル・テレビ配信会社を通して間接的に視聴料を支払うわけだ。

地震の記録では1707年に発生した「宝永地震」、マグニチュードは8.4といわれている。これは五畿七道にわたり大被害というから、本州全体が地震で揺れたと考えていい。この年に富士山も噴火しているね。そのときの噴火跡が富士山の横っ腹にある宝永山、このときは川崎で5㎝の降灰があったということだ。
関東周辺に配置したテレビ放送設備がこの様な大地震でもいずれかが生き残ることは期待したいが、これはわからない。宝永地震のような規模の地震災害では人工衛星テレビ放送のみが頼りになるかもしれない。ただし地上設備が正常に動いていなければの話だ。NTTは移動設備を常備しているといわれている。地方自治体は、くるかも知れない宝永地震級の大地震が起こったときに情報提供ができるかどうか。
忘れてはいけないのは、このような地震の時には、人ごとのように地震情報を聞くのではなくて、生き延びることのための情報がほしいのだよ。

おっ、イワシが焼けたか。さあ遠慮なくやりたまえ。
話は終わったから、北京オリンピック、高精細テレビの大画面を眺めながら運動選手の活躍に声援を送ろうではないか。
(納)


東京タワーはなくなるの?

2008-08-04 18:49:05 | Weblog
東京タワーは小説の舞台として登場した。
エッフェル塔を貴婦人にたとえるならば、東京タワーは戦後の東京を近代化する時代を背景とした無骨な剣士に見える。
その東京タワーは、テレビ・アナログ放送の終焉とあいまって、建造が計画されている新東京タワーにとってかわるという。

その後、東京タワーはなくなるのだろうか。
あるいは無骨な剣士を残す運動が盛り上がるのだろうか。
新東京タワーは600メートル以上の高さになるという。テレビ・ディジタル放送のサービス・エリアを拡大し、移動する自動車の中でもディジタルテレビを楽しめるという前宣伝である。
地上ディジタル放送の電磁波は、これまでのアナログ放送の電磁波に比べて波長が短い。地上ディジタル放送の電磁波の帯域は470Mhz-770Mhzと300Mhzと広範囲にわたる。
波長が短いために、ビル影による電波障害の影響は大きい。
地上波ディジタル放送の受像器を購入したとき、自宅でアンテナによる受信を試みた。何と東京タワーの方角ではモザイク状の画面となり高精細画面の受信はできない。そこで全く反対方向の丘の上に建っているマンションの反射波を捉えてみると、その方が良好であり、何とか受信できた。このような事情は、新東京タワーが建立されても大きく変わることはないとおもわれる。前述したように周波数範囲が広いから、あるチャネルではマンションの反射波が良好であるが、他のチャネルではさらに別の建造物からの反射波と干渉して受信できないこともあり得る。このことを専門家はマルチパスによる影響といい、地上ディジタル放送では、その影響はすくないという。しかしながら現実には、あるチャネルの放送が受信できないと知人がいっている。マルチパスによる干渉で受信電力が低下していることが充分考えられる。
アナログ放送が廃止されたとき、大混乱に陥るであろう。
後期高齢者の医療保険が本年4月に開始されて大騒ぎになったが、このような騒ぎではおさまらない。医療保険の場合と同じように、「これはすでに決まっていたことですから」といってテレビ放送の番組で頭を低くして、「よろしく御理解ください」といってもこれまでのアナログ放送のみを受信していた家庭に、頭を下げる映像は届かない。
大騒ぎの中で、業者はケーブル・テレビ配信を薦める。BSアンテナも不要となり、家屋のアンテナはやがてなくなるであろうから、都市の景観はよくなる。
しかしケーブル配信は、いいことばかりではない。先日、営業マンがきていわく一本のケーブルでテレビ信号の配信ばかりではなくインターネット接続、電話も可能という。すべて利用すると月額5000円以上かかりそうである。営業マンは、インターネットと電話料金を考えると必ずしも高くないという。そうかも知れない。しかし地震などの災害でこのケーブルが切断されたら、情報交換の孤島におかれるであろう。
アンテナ設置業者は引っ張りだこになるであろうが、充分に手が回らない様子もうかがえる。
アナログ放送の東京タワーが存在していれば、また古いアンテナながらアナログテレビが健在であれば、情報配信の孤立とはならない。
2011年7月24日にアナログ方式のテレビ放送を停止しなければならない理由は、よくわからない。もっと先延ばししてディジタル受像器が充分ゆきわたってから停止するわけにはいかないのだろうか。
私の手元には1980年製の受像器があり、今でも時折利用している。3年先にはテレビセットの寿命とは関係なくコンバータを付けない限り使えなくなるとはまことに寂しい。
(納)