炉端での話題

折々に反応し揺れる思いを語りたい

仲睦まじい赤ゲラ

2012-06-28 17:08:40 | Weblog
 庭に飛来する小鳥のうち、赤ゲラ、青ゲラ(キツツキ類)は、樹木に孔をあけるだけでなく、屋根の庇うらの木や壁面の木に穴をあけ、屋根裏に侵入するので、迷惑な鳥だ。我が家は幸い被害にあっていないが(好きな木材があるらしい)、近所で大きな穴をあけられている家をしばしば目にする。
 先日、2羽の赤ゲラが庭の唐松に飛来した。1羽はそのままじっとしているが、後の1羽はどこかに飛んで行ったかと思うとすぐにまた残った1羽のもとに戻ってくる。ぼんやりその動きを見ているうちに、飛び回る1羽がじっと動かない1羽にひょいひょいと近づくのに気づいた。目を凝らしてみると、何か(おそらく餌であろう)を口移しで与えている。動かなかった1羽はメスで、飛び回っては餌を持ってくる1羽はオスの番なのであろう。今まであまり歓迎しなかった赤ゲラだが、その睦まじい光景に思わず頬が緩む。
 メスは唐松の幹にしがみついたままじっと動かない。オスが飛び去ると口をあけて空を見上げたりしている。どこか具合でも悪いのだろうか。おなかが不自然に膨らみすぎているような気もする。卵でも抱えているのだろうかと家内に問うと、そのような時期ではないのではないかと言う。
 かなり長い間動かなかったが、突然、ぱっと勢いよく羽ばたいて林の奥に消えてしまった。元気だったのだ。そうか、自ら動きまわることをしないで食べさせてもらっていることが多いので、メタボだったのだと合点し、なにやら苦笑したい気分になった。

 しかし、憂鬱な話題が多い昨今、この珍発見にほっとしたのも確かだ。(青)

最新「TOP500」事情

2012-06-19 18:21:18 | Weblog
 スパコン「京」が世界最速となったと、文科省と理研(マスコミも)は、1時期、大騒ぎしたが、最新のTOP500(2012年6月)は、IBM製のセコイア(Blue Gene/Sequoia)が世界最速の座を「京」から奪ったと報じている。セコイアが16.320 petaflops、「京」が10.510 petaflops。かつて、私は「スパコンで世界一になるということにあまり意味はない。これまでのスパコン開発の歴史を見れば、一時期、トップに立っても直ぐ1~2年後にはその座を奪われていることの繰り返しである。」と書いた(2009年12月1日)。トップでなければ学問の進歩はないなどとのたまわった連中は、それではまた巨費をかけてスパコンの再開発を主張するのであろうか。
 「京」がトップになったか否かは問題ではなく、それがいかに活用されているかである。あまり報じられていないように思われるが、その後の稼働状況を知りたいものである。気象庁は天気予報の精度を上げるために、新たに(気象関係のものとしては最速の)スパコンを導入すると報じられたが、「京」を有効利用することは考えられないのであろうか(省庁縦割りで駄目なのか)。(Robert)

発達障害児童の育成について

2012-06-18 05:53:17 | Weblog
 発達障害の子供達が多くなっているという。学校教育の現場に携わっている教師からもそのような傾向があると聞かされる。
 2012.6.13のNHKのクローズアップ現代「薬漬けになりたくない-向精神薬をのむ子ども」の番組があった。発達障害の兆候があれば小学校低学年の子供でも向精神薬を処方している医師は全国の7割にのぼり、向精神薬を飲む子供が増えた背景と副作用に苦しむ実態が放映されていた。将来の日本を背負う子供達のことを思うと、暗い気分に陥ったものである。
 教育現場の先生の話しである。ある発達障害を持つ子供は、しばしば教室中を歩き廻り、時には大声を発して先生の話しが伝わらないように授業を妨害する。いまの学校現場では教師が強制的な制止を生徒に加えることはできないから、このような生徒の行動は、できるかぎりの受忍のもとに授業を行う。発達障害を持つ児童が正常な行動をした場合は、過剰とも思えるほどに褒めそやすことを教師は試みるという。しかしながらこのような教師の言動は正常な児童にとって逆効果をもたらす。教師が障害児に優しく接し、特別扱いすることに違和感を持つからである。
 学校現場の教師としては、発達障害があると思われる児童の父兄に学校現場の困惑を伝え、精神科の医師の診断を受けるように依頼することになる。このことはクローズアップ現代でも報道されていた。
 精神科の医師は忙しいと聞いている。僅かな時間の診断を基に向精神薬の処方をすることになりかねない。子供に対する投薬量も定かに解らなければ、報道にもあるように副作用の影響で、足の麻痺が生じることもあろう。そもそもケースによっては向精神薬の必要性があるかどうか、この番組を見ながら首をかしげたものである。
 最近の教育現場のことを聞くと、発達障害児を受け入れる態勢も地方自治体によって対応が異なるであろうが、大都市圏では整ってきている。しかしながら、このような環境で児童を教育するためには、医者の診断書があることが望ましい。診断書がない場合、これも地方の事情によって異なるであろうが、教育委員会等がかかわる煩雑な手続きがいるという。現在の日本では医者によらない教育現場での障害児の診断はできないからである。外国の先進国では、教育現場でも心理学的な専門知識を持つ職員が医者の代わりに診断を下すことができるという。もとより投薬など、医師として行為はできないが、投薬によらない児童の育成については助言できる。

 日本は発達障害児童の診断に関しては後進国である。
 児童心理学に関する専門的な知識を持つ学校職員を養成し、その職員によって発達障害の診断ができるはかりではなく、投薬によらない発達障害児に応じた教育を行い、優れた人材に育成できるようにしてはどうか。
 必ずや国益の増進につながる。
 多くの優れた歴史上の人物、幼少のころは発達障害児であったとされている。
発達障害児は有用な人材として育成可能な事実である。
(応)


最近の韓国事情点描

2012-06-05 08:20:10 | Weblog
釜山は、船旅の客となって訪れた。釜山の名前の由来のように、お釜を伏せたよう小高い山が連なるくぼみに巨大な船は挟み込まれるようにしてすべりこむ。先導を務めるタグボートは特につかない。
 岸壁に接岸するまで、港の入り口から小高いこんもりとした緑の山あいに立ち並ぶ高層ビルが遠望される。平地が少ない釜山の都市は、緑の山と林立する白亜の住居高層ビルとの織りなす景観から異国であることを印象づける。
 これらの高層住居ビルには日本の住居ビルの様子とは違うことに気がつく。船から降りて観光バスに乗ってから、よくよく観察すると、これらの高層ビルには布団干しとか洗濯物が見あたらない。都市の景観を損なわないための配慮であろうと想像する。


 韓国人女性の観光ガイドは、造船所の横を通過するときに「これまでは活気にあふれた造船所でしたが、最近は造船事業が低賃金国に移りつつあり、減産傾向にあります。釜山市内の人口も減少しています」という。韓国経済も凋落しつつあることを知った。このことは後に述べる韓国の実業家と朝食のテーブルを共にしたときの話題からもわかる。
 ガイドは続ける。子供の教育に大変な熱意を込めて、日本円にして20万円/月の投資をする家庭もあるという。教育費のために主婦も働きに出る。韓国では驚くほどの教育熱心な家庭が多いらしい。林立する高層住宅の近くのマーケットでは、調理済みの食材が容易に手にはいるから、主婦として手の込んだ料理をしなくともいいと説明する。教育熱心な家庭の子供達は、塾通いとか家庭教師による詰め込み教育が競争のように行われているとガイドは説明する。
 このような話しを聞きつつ、ぼんやりと想いをはせる。強烈な詰め込み教育で知識は豊富に身につくかも知れないが、独創性は犠牲にならないだろうか、盆栽を育てるような人材育成になっていないだろうか、と。

 韓国の1995年から2011年までの17年間にわたるインフレは年率3-4パーセント程度であった。この間、日本はデフレ状態であるから、日本国内の物価の変動はほとんどない。韓国の通貨のウオンと日本円貨の為替レートは必ずしもインフレ率とは連動するとは限らない。今回韓国を訪れたときにはこのような経済状態の推移から、日本人観光客にしてみれば物価は安い様な感覚を持つ。韓国人には円高に映る。日本人観光客にとっては食事代が安くつくから好都合である。
 米国と韓国はほぼ同じインフレ率で推移し、日本はデフレ状態なので、工業製品の輸出は韓国にとって優位であると、かって筆者は観測したことがある。為替レートがインフレ率と連動するとすれば、日本の工業製品が高価になるからである。その事実としてテレビ製品、今年1月の米国市場では、韓国の製品に対して日本製品の半値以下になっていた。いま、日本のテレビ工場が閉鎖に追い込まれ、東南アジアに製品工場が移っている事実がある。

 バスの窓から、ひしめく自家用車は当然ながらすべて韓国製である。日本車は見かけない。外車としてはベンツとかBMWを時折まざる程度である。韓国の自家用車にハイブリッド車の製造を開始しているかどうか気になっていたが、ついに確認できなかった。韓国でハイブリッド車を生産し始めたら、日本が誇る自動車産業が潰れるかも知れないからである。

 船旅の終わり近くに朝食で一緒のテーブルについた韓国の実業家、恐らく隠居しているとはおもわれるが、これから日本の企業に勤めている息子に会うという。孫との対面も楽しみと嬉しそうに笑みをたたえる。
 筆者はこれ幸いと、気になっていた経済と教育について質問した。経済は確かに凋落しつつあるという。IT産業は、素晴らしく成長しているように思えるがと問いかけた。経済活動の全体から見るとテレビ製品などの好景気を含めたIT産業の繁栄は一部に過ぎないとの見解であった。さらに現在日本の国会で審議されている消費税のことも念頭にあり、消費税のような課税が韓国でもあるかどうかを尋ねた。物価が安く感じることから、消費税が課せられていなのではないかと疑問を持ったからである。韓国でも商品の付加価値税として10パーセントが課せられており、定かではないがすでに20年以上経過しているという返事であった。
 教育に関して、多額を投じる教育投資が広く行き渡っていることを認めたが、現在直面している課題は、大学を出た若者の就職率が50パーセント程度であるという。これには聞く耳を疑った。帰国後、インターネットで調べてみた。調べた結果について、ここでは述べないでおく。興味がある方はご自分で調べることをお薦めしたい。

 僅かな時間しか滞在しない韓国の旅行の見聞ではあるが、意外に知らないお隣の国の事情である。
 インターネット検索を行っていると「韓国が謝罪しなければ、北朝鮮は聖戦を開始する」というニュース記事も見つかる。韓国がいかなる謝罪をしなければならないか、これまたよくわからないが、あまり楽しくない記事である。
(応)

米国のビジネス・モラルは低下しつつあるのか

2012-06-03 11:16:27 | Weblog
 最近米国を個人旅行したときに、ビジネス・モラルが低下しつつあるのでは、ということをいくつか体験した。

 まずはレンタ・カーでのことである。
最大手のレンタ・カー会社ではあるが、あらかじめ予約しておいた出張所のような場所から片道で米国産の乗用車を借用した。2-3時間走ったところで、なんと「ガソリンが少なくなりました」と車が告げてきたではないか。ガソリンは満タンで借用したはずと、契約書を見ると確かに間違いはない。
借用したときに確認はしなかった。大手の会社であるから、ガソリンは満タンと信用していたからである。
 致し方なく、すぐに給油した。
 もとより満タンがえしの契約であるから、返却時には満タンにしてレンタ・カーを返却した。
返却時に契約デスクにクレームを言ったが、証拠がないから、釈然としないが未確認の自己責任として自分自身に言い聞かせた。

 米国内空港ホテルでのことである。
大きなホテルで日本からでもインターネットにより予約できる。ここに友人夫妻が東京から夕刻5時頃到着予定との事前連絡があったので、打ち合わせのために7時頃電話を入れた。交換手は「まだチェックインされていません」という。
 再度9時過ぎに電話すると「チェックインはまだです」という返事である。
 友人は米国内の乗り継ぎもあったから、いささか不安になり、日本在住の友人に電話を入れ、日本を出発したのか、途中で乗り継ぎがうまくいったかなどを調査してもらった。日本から出発したことだけ確認できた。
 11時近かったが、再びホテルに電話を入れたが、チェックインしていないという。
一晩中、心配にとりつかれて熟睡できなかった。
 明くる朝、7時頃ホテルに電話を入れたら「すでにチェックアウトされました」という。
なに、なに??・・・。
 朝食もそこそこにホテルに駆けつけて、フロントにたどりつくと、人の良さそうな初老の係は友人の部屋に電話を繋いでくれた。なんとチェックアウトはしていなかった。
ロビーで待っていることを告げて、安堵した。
 米国のホテルは、セキュリティのために宿泊客の部屋番号は一切伝えないことは知っていたが、電話もできる限りとりつがない方針になっているようなことは知らなかった。
 ヘタな英語をしゃべる日本人には適当にごまかして電話をとりつがなかったのかも知れない。何しろ空港内の宿泊客の出入りが激しくて忙しいこともあり、ビジネス・モラルは棚上げにしていたのであろうか。

さらにある。
全世界展開するチェーン・ホテルに2泊し、クレジット支払いを済ました数日後のことである。
本部からホテルの宿泊費支払いの件で、宿泊先のホテルに連絡してほしいという。早速連絡したところ契約のない日本のクレジット会社の支払いであったから、別のクレジット番号を要求された。要求金額を聞くと手元のクレジット支払いレシートの倍額になっている。
なんと4泊分の請求である。
これはビジネス・モラルの低下と軽く済ます分けにはいかない。うっかりクレジット番号を通知もできない。
幸いにして現地在住の友人がいたので、電話連絡して、ホテルで掛けあってもらい、この友人にクレジット番号を伝えて支払いを済ませた。堂々と全世界展開するチェーン・ホテルのことであった。
 友人も「米国では最近はしっかりと見極めなければいけない。うっかりは禁物です」という。

 僅かな期間の個人的な米国旅行であったが、このような体験、いいまでの記憶にはない。私が年老いたのか、或いは米国のビジネス・モラルが低下ししつつあるのか。
 一言いえることとしては、時間的な余裕を持ってじっくりと油断なく米国の個人的旅行はこなした方がいいということである。
(応)