15年近く使用していたブラウン管式テレビジョンの受信映像が雑色化する故障となり、ついにハイビジョンに取り替えることになった。
そこで課題が突きつけられた。地上波ディジタル放送の受信についてである。せっかく地上波ディジタルが受信できるハイビジョンを購入したのであるから、これを受信したい。また2011年7月には従来のアナログ式テレビジョンは停止されるとう。
地上波ディジタルの受信が可能な14素子のUHFアンテナをあわせて購入した。聞くところによると東京タワーから電波は送信されているという。受信機の設置場所は、東京タワーから約30㎞離れ、丘陵による起伏の多いところである。
早速東京タワーの方向側の屋根近くにアンテナを設置したが、受信機は「信号が受信されていません」というエラー表示がでて受信できない。方向を微妙に変えたがよくならない。アンテナの接続を点検するが異常はなさそうである。外も暗くなり遂にあきらめて従来のアナログ放送を見ながら一晩を過ごした。
明くる日、東京タワーとは反対側にアンテナを移し、しかも発信源とは正反対の方向にアンテナを向けたところ、なんと正常に地上波ディジタル放送が受信できた。受信機には信号レベルを表示する機能があり、これで調べると正常な値の範囲である。明らかに信号は起伏の多い地帯での反射波である。
映像はまことに美しい。日本におけるテレビジョン放送の質の高さに改めて敬意を表する。このような映像を庶民が楽しむことができるのは世界の中で日本だけではないかと技術的愛国心をくすぐる。
地上波ディジタル放送は、ある信号レベル閾値を超えて映像がでるか、閾値以下であれば全く映像が出ないか、まさにディジタル的である。アナログの場合のように、信号レベルが低いとノイズが雪降りのような状態というわけではない。雪が降ろうと、とにかく映像が現われれば安心できるが、地上波ディジタル放送の場合は、エラー表示で冷たくつきはなされる。
そこで考えたことは、2011年にアナログ放送が中止されるとなるとなると様々な問題が起こるのではないだろうかということである。
・従来の概念でアンテナを簡単に設置して、地上波ディジタル放送を受信できるだろうか。できなければアンテナ設置業者が繁盛するか、あるいは一挙に地域のケーブルテレビジョンが普及するかであろう。
・これまでのアナログ放送しか受信できないテレビジョン・セットの場合は、ディジタル・チューナーを新たに購入しなければならない。勿論UHFのアンテナがない場合は、これをあわせて購入しなければならない。当然自前の費用である。
腹だたしく感じた人は、このことで訴訟を起こすかも知れない。
・地上波ディジタル放送で移動する自動車などでも受信できるという説明も散見されるが、果たしてそのようなアンテナがアナログ放送停止までに実用化できるだろうか。今の状況では携帯電話のようにいたるところ中継所がなければ移動体内の地上波ディジタル放送の受信は困難であろう。
このように考えてくると東京タワーからの電波による放送がいつまで続くだろうかという疑問も湧いてくる。 (悩)
そこで課題が突きつけられた。地上波ディジタル放送の受信についてである。せっかく地上波ディジタルが受信できるハイビジョンを購入したのであるから、これを受信したい。また2011年7月には従来のアナログ式テレビジョンは停止されるとう。
地上波ディジタルの受信が可能な14素子のUHFアンテナをあわせて購入した。聞くところによると東京タワーから電波は送信されているという。受信機の設置場所は、東京タワーから約30㎞離れ、丘陵による起伏の多いところである。
早速東京タワーの方向側の屋根近くにアンテナを設置したが、受信機は「信号が受信されていません」というエラー表示がでて受信できない。方向を微妙に変えたがよくならない。アンテナの接続を点検するが異常はなさそうである。外も暗くなり遂にあきらめて従来のアナログ放送を見ながら一晩を過ごした。
明くる日、東京タワーとは反対側にアンテナを移し、しかも発信源とは正反対の方向にアンテナを向けたところ、なんと正常に地上波ディジタル放送が受信できた。受信機には信号レベルを表示する機能があり、これで調べると正常な値の範囲である。明らかに信号は起伏の多い地帯での反射波である。
映像はまことに美しい。日本におけるテレビジョン放送の質の高さに改めて敬意を表する。このような映像を庶民が楽しむことができるのは世界の中で日本だけではないかと技術的愛国心をくすぐる。
地上波ディジタル放送は、ある信号レベル閾値を超えて映像がでるか、閾値以下であれば全く映像が出ないか、まさにディジタル的である。アナログの場合のように、信号レベルが低いとノイズが雪降りのような状態というわけではない。雪が降ろうと、とにかく映像が現われれば安心できるが、地上波ディジタル放送の場合は、エラー表示で冷たくつきはなされる。
そこで考えたことは、2011年にアナログ放送が中止されるとなるとなると様々な問題が起こるのではないだろうかということである。
・従来の概念でアンテナを簡単に設置して、地上波ディジタル放送を受信できるだろうか。できなければアンテナ設置業者が繁盛するか、あるいは一挙に地域のケーブルテレビジョンが普及するかであろう。
・これまでのアナログ放送しか受信できないテレビジョン・セットの場合は、ディジタル・チューナーを新たに購入しなければならない。勿論UHFのアンテナがない場合は、これをあわせて購入しなければならない。当然自前の費用である。
腹だたしく感じた人は、このことで訴訟を起こすかも知れない。
・地上波ディジタル放送で移動する自動車などでも受信できるという説明も散見されるが、果たしてそのようなアンテナがアナログ放送停止までに実用化できるだろうか。今の状況では携帯電話のようにいたるところ中継所がなければ移動体内の地上波ディジタル放送の受信は困難であろう。
このように考えてくると東京タワーからの電波による放送がいつまで続くだろうかという疑問も湧いてくる。 (悩)