炉端での話題

折々に反応し揺れる思いを語りたい

中国と韓国国内における意識教育

2013-03-04 19:12:57 | Weblog
 第二次世界大戦後に制定された日本国憲法は誠に素晴らしい緒言が掲げられていると筆者は感服している。
 「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、等しく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する(一部旧仮名遣いはそのまま)」とその一部に述べている。
 今年は第二次世界大戦の終戦後68年を迎える。日本国民は等しくこの憲法の緒言に掲げられた理念の元に諸外国との交流を深めていたと信じる。大戦中の日本国は戦争のなせる複雑な環境下にあって、様々な行動を起こし、困難な体験を蒙ったことを認識し、安寧な平和を願う日本国民になった。経済的な支援ばかりではなく、多くの知的、技術的支援を諸外国にもたらすことで、憲法の理念を果たしてきている。

 極めて残念なこととして、この憲法の理念のもとに日本国が歴史的に変転したことを中国と韓国では理解していないらしい。
 中国では過去の日本国の戦時中の様々な批判的な行動を若い世代の教育に用いることで敵愾心を育てつつあるのではなかろうか。最近の尖閣列島にまつわる市民の暴動、さらには旧正月の春節の花火に「東京大爆発」と銘打ったものがあることを聞くと日本国の憲法の理念を理解しない教育が深く浸透しつつあるように思われる。
 韓国でも、竹島の領有権、戦時中の慰安婦問題をもとに、戦前の日本国の批判的な行動を取り上げて、愛国心を育てており、日本国憲法の理念には理解を示していないように思われる。
 戦後日本国の歩む将来の道を示し、その教えに従って68年間の歴史にわたり、その精神を守り続けた日本国憲法の崇高な理念は、これを排除し、その代わりに戦前の日本国の好ましくない行動を基にして、中国・韓国共に若い世代に自国の愛国心を育成しているとしか思えない。中国・韓国の若い世代に日本国に対する敵愾心が育つとすれば、日本国憲法の崇高な理念は、その故に損なわれる。このことは、中国・韓国が日本国憲法の緒言に示した「平和を愛する諸国民の公正と信義」の信頼を瓦解させ、憲法の改変の原因となる。

 願わくば、恒久の平和を願う日本国とその国民は歴史的に変革したこと、また、それに従って交流した事実を中国・韓国とも理解し、そのことを若い世代の教育にあたってほしいものである。
(応)