炉端での話題

折々に反応し揺れる思いを語りたい

鉛蓄電池の並列接続で起こる問題(続)

2009-08-25 10:19:07 | Weblog
鉛蓄電池の並列接続について記述したところ、AOさんから貴重なコメントをいただいた。解り易いコメントなので、ここにそのまま再記する。
―――――
私は電池を並列につなぐという話を聞くたびにぞっとします。応さんの話はよくわかりますが、電池を定電圧電源と内部抵抗(しかもこれは0に近く極端に低 い)の直列回路に置き換えて、それを二つ並列に接続した回路を考えれば、寒気がします。完全に等しくない(完全に等しいなどとは普通考えられない)定電圧 電源の差に等しい定電圧電源の両端に二つの内部抵抗が接続されたのと同じ事になります。内部抵抗は極め低いので、たとえ差分の定電圧電源の値が小さくても その定電圧電源をショートしたような状態になり、大きなショート電流がながれます。その結果、それぞれの電池を劣化させるか、最悪の場合、破壊することも 考えられます。
―――――
鉛蓄電池を並列接続することは、製造年月日、ロット番号が同じでも好ましくない。インターネットを検索すると、自家用車で電力を多く使うため、例えばキャンピングカーへの改造など、バッテリーを並列接続したいとの書き込みがある。またバッテリーを複数利用するための充電装置、アイソレーターなどの商品もある。
極め付きは、マイクロコンピュータを組み込んで制御するバッテリーの多重化方式を特許申請したものまである。バッテリーの端子電圧、消費電流を細かく記録しながら最適に近い状態で充電と放電を制御する方式である。そのような装置は、現在の技術で実現可能であることは理解できるが、バッテリーの価格とは比較にならないほど高価になることが予想できる。
自家用車の場合、手っ取り早いのはバッテリー積載容積一杯の最も大容量のバッテリーを単独装備することである。容積の範囲ならば、オルタネータの充電容量も十分であろう。それでもバッテリー上がりが生じるような消費電力となる改造はよしたほうがいい。オルタネータには最大充電電流が記載されているが、これは短時間の最大電流であって、連続的にこの電流で充電できるわけではない。オルタネータを眺めると空冷のために被服導線がむき出しになった構造からもそのことがわかる。純正品以外の容量の大きいオルタネータの交換なども止めたほうがいい。
余談であるが、先般家族がしばらく乗らなかった車のバッテリーがあがってしまった。理由を調べたところ最近の自動車は使用しない状態でもバツテリー電力を消耗している。多分電子機器のキープアライブ(生存保持)のためであろう。

どうしても予備を含めて複数の鉛蓄電池を使用したければ、大容量のスィッチを装備して、手動で切換ながら単独使用する方法が最も確実かつ安価な方法である。面倒だが、私はこの手法を用いている。
大容量のダイオードを使って並列充電する方法もあり、その手法を検討してみた。しかしながらエンジンについていえば、大電流が流れる始動回路と充電回路とは、一体接続されている。始動回路と充電回路を切り分ける改造は好ましくないから取りやめにした。自動車の場合、車体検査に違反する可能性がある。

結論からいうと鉛蓄電池は並列接続して使用しないほうがいい。

反論はある。
もともと鉛蓄電池は、内部電極が並列接続構成されているから、並列接続でもいい筈ではないかと。
そこまで踏み込まれると返答に困る。
精度よく製造された品質のいい鉛蓄電池は、内部電極の並列性(内部抵抗の均一性)が良いから、寿命が長い筈であるとしかいえない。そういえば鉛蓄電池は劣化し始めると急速に能力が低下することを経験的に知っている。これは内部電極が並列接続されており、劣化に伴い並列性が損なわれることが素因になっている、とこれまた想像である。
正確なことは、鉛蓄電池の製造会社での研究とか実績の成果にゆずることにする。
(応)

訳の分からぬ日本語

2009-08-13 16:22:31 | Weblog
 最近の政治家の不真面目さに、腹立たしさと失望を感じる。特に、訳の分からない日本語(?)をひねり出し、それを振りかざす事で、訳の分からないままごまかしているのではないか。新聞まで疑問を呈するどころか、それに悪乗りしているのは情けない。政治家は言葉が命であり、分かりやすい明瞭な言葉で、それなりの重みを持って国民に語りかけるのが第一義ではないか。
 おかしな日本語の例を示せば、「政治の責任力」。新聞一面にでかでかと出ていた。「政治を確実に実行する力というならわかるが、わざわざ「責任力」と断る意味が分からない。いったい何の「力(能力)」というのであろうか。政治の結果に対して責任を取る能力があるとでもいう積もりなのであろうか。しかし、責任を取るのは当たり前であって、能力の有りなしには関係が無いのではないか。あるいは責任を取るいろいろな方法があって、それを適宜うまい具合に選択(策を弄して)してうやむやにしてしまう能力があるというのであろうか。
 もうひとつ、「政権担当能力」。能力が有るか無いかは国民が判断することで、失政の反省がないまま、自画自賛すべきことではない。国民から政権を付託されているという意識が欠如しているのではないか。むしろ、ここでいう「政権担当能力」とは、恥も外聞も無く政権しがみつく能力ではないのと、皮肉りたくもなる。
 もう少し真面目に政治を語ってもらいたいものだ。
 妙な感じといえば、衆院解散宣言のときにほとんど全員の議員諸公が万歳をしていたが、万歳を叫ぶ気心が知れないし、どういうことなのか理解できない。いよいよ国民の審判を受ける時なのであるから、もっと真剣で厳粛な瞬間なのではないか。
 こういう話はしたくないかったが、我慢しきれなくなった。(Robert・Nielsen)
 

鉛蓄電池の並列接続で起こる問題

2009-08-07 10:57:55 | Weblog
ある重要なシステムのエンジン動力源に始動のために鉛蓄電池を使用している。安全のためにこの鉛蓄電池、つまりバッテリーは2台装備している。この2台のバッテリーは並列接続すると、同時購入したものでも並列接続したまま使用すると何となく寿命が短い。
いろいろ調べてみるとアンバランスになったバッテリーは並列接続して使用しない方がいいといわれている。インターネットのなかで「教えて」のなかでも様々な記述があるが、その理由が明らかに書かれていない。そこで精密電流計と電圧計でその理由を調べてみた。

その結果をここでできるだけわかりやすく述べたい。
結論からいうと老朽化して容量が低下したバッテリーが、未だに現役で充分働き得るバッテリーの足を引っ張り、これをダメにする。

理由を述べよう。
バッテーの充電には、エンジンなどではオルターネーターという交流発電機があり、この発電した交流を直流に変換して充電する。バッテリーが過充電とならないように充電電圧は、完全充電状態の電圧に設定されているから、充電が満杯になると電流が少なくなる。DIYショップで販売されている鉛蓄電池の充電器もこのような定電圧となるような構成になっている。
老朽化バッテリーと現役バッテリーを並列接続して充電するとどうなるだろうか。老朽化バッテリーは容量が低下しているので短時間で満杯となる。一方現役のバッテリーは容量が大きいので満杯になるまでの充電時間が長くかかる。充電器の電圧はほぼ一定のままであるから、そのまま充電を続けると老朽化した方は過充電となる。バッテリーの過充電は、その寿命を縮める原因の一つであるから、老朽化したバッテリーはさらに老朽化が昂進する。一方現役のバッテリーの完全充電に必要な充電時間が短いと不完全充電状態のままとなる。
この並列接続バッテリーでエンジンを始動するときはどうなるだろうか。老朽化したバッテリーは容量が少ないから、すぐに始動する仕事を抛棄する。そこで現役の充電が少ないバッテリーがこれに代わってエンジン始動の大電流を供給する。
エンジン停止中、何もしないときはどうだろうか。鉛蓄電池は使用しなくとも自然に放電する。老朽化したバッテリーは容量が少ないので自然放電は早い。放電すると電圧は低下する。このとき現役のバッテリーが維持している電圧より低下すると、現役は老朽化したバッテリーを救済するよう充電電流を流す。現役バッテリーは完全充電となっていないにもかかわらず、である。従ってエンジンは停止して何もしていない時にも自由放電以上の負担が現役のバッテリーにかかってくる。
このような状態の繰り返しがおこるから、現役バッテリーは充分にエネルギーを供給されないまま、老朽化バッテリーの面倒をみながら酷使される。当然のことながら寿命も短くなる。

以上が鉛蓄電池を並列接続した時に起こる事象であることが、そこそこ精密な測定を行って得た知見である。興味のある方にはデータを提供してもいい。

さて、このようなことは、どこかの国の中で起こっている現象と似ているのではないか。
(応)