おう久しぶりだなあ。
なに、お土産に栗か。ほう今年の栗は猛暑のせいか、ホクホク感がなくて実が固いのだって。そうか、むかしは実のかたい天津栗というのがあった。駅近くの露天で焼け石と一緒に回しながら焼いている。それを袋詰めにしたものを買い込んで、道々歩きながら、その栗に親指をたてて外の皮を剥いでかじる。ほのかに甘みがあってうまい。
そんな栗にならないかな。
ばあさん、栗をいただいたよ。栗御飯はどうかな。
屋内照明の話しを聞きたいっていうのかい。「緑色発光素子の話題」を読んだが、発光素子の進歩も速い。それだけに、これからの屋内照明も革命的に変化することもある得ることだ。
夜の照明は、長年の間ハダカ火が使われた。ローソクとかランプだ。ガス灯も明治の初期にあったようだが私は見たことがない。ローソクといえば、ファラデーの講演をまとめた「ローソクの科学」という本があるが、これはいまでも面白く読める。1980年代の科学の夜明け頃に若い人にわかり易く、実験をしながら説明した、その講演を記録してある本だよ。なに電子書籍で読むって? 安い文庫本であるよ。どこでも手軽に読める文庫本の方が手軽ではないのかい。
エジソンが開発したと言われている白熱電球が出現してから、これが屋内外の照明に使われた。二十世紀の照明は白熱電球全盛といってもいい。
なになに、蛍光灯があるって。
しかしなあ、欧米諸国の海外旅行をするとホテルなどでは蛍光灯が少ない。欧米人は蛍光灯があまり好みでないらしい。私の知人などは自宅には絶対に蛍光灯を使わないと言うよ。どうしてかなあ。
点灯するまでに時間がかかるとか、蛍光灯は劣化するとチラツク、白熱電灯の方が暖かみがあるとか、夜は部屋全体を明るくせずに、部分的に照明した方が落ち着くというのだろうか。これからの屋内照明のあり方の参考になるかもしれないな。
うーん、発光ダイオードは、街角の交通信号機に見かけるようになった。電球よりも寿命が長く、しかも省エネだそうだ。そういえば乗用車のバックライトも発光ダイオードに換わっているね。
今日は発光ダイオードの照明について聞きたいって。
わしも少し使ってみているけど。寝て本を読むときの照明に。しかし光りの出る部分よりもその後ろの部分が大きくて重い。全体が重くなっているから安定性がよくない。
いまひとつは旋盤工具の照明だよ。知っての通り旋盤工作は趣味のひとつだが、蛍光灯の照明だと工作物が縞模様に見えることがある。この現象をなんとか言ったかな。フリッカーとかストロボ現象だったかい。これは困ることがある。発光ダイオード照明だとこれはない。
なになに、ついこの間のニュース、ある地方の役所で発光ダイオード照明を取り入れたら気分が悪くなる職員が続発し、よく調べてみたら発光ダイオード照明のチラツキが原因だっていうのかい。それは省エネのために発光ダイオードを直流点灯にしないで、交流点灯させたのが原因だろうねぇ。そう、これも将来の照明のあり方に参考になる。
ほう、発光ダイオード単体で数ワットクラスのものが市販されいうのか。しかしそれは危険でもある。発光ダイオードは白熱電球に比べても点光源に近い。その点光源から高いエネルギーの光りが出れば、目の中の一部に点のようなヤケドをすることは間違いない。これが盲点にあたれば失明しかねないな。
発光ダイオードの電圧に対する発光特性は急峻だから、電圧が僅か上がるだけで急激に光量が増える。驚くことに光量が増えると発熱も意外に大きい。このことは電圧を僅かに変化させただけで発光ダイオードは破壊することになるね。
そこでこのことを防ぐために、動作電圧よりも高い電圧から抵抗を通して電圧をかけている。二倍以上の電圧であるとすれば、それだけで電力は半分が熱になるから無駄になっている。
100ボルトの家庭内配電に使うことができる発光ダイオード電球が販売されているが、発光ダイオードは数ボルトで発光するから、かなり大がかりな変換回路が組み込まれているわけで、私が使っている枕元灯が重い理由だよ。
将来はどうだって。
新しく家を建てるときには、低圧直流電源を100ボルトの動力線とは別に設置しておくことを薦める。配管だけでもいいよ。いまジャバラ配管などは手軽にできるからな。これは憶測だが、中点をアースにしてブラス・マイナス6ボルト程度の3線式直流配電がいいのではないかと思っている。
これに発光ダイオードの照明はもとより、テレビをふくめたあらゆる電子機器の電源にする。テレビもブラウン管から液晶式になってから、高い電圧は必要としなくなった。液晶テレビの発熱の大部分は、バックライトの供給電源であり、現在これも発光ダイオードに置き換えて、省エネ・テレビとして販売している。将来は低電圧供給テレビが出現するとさらに省エネ化できる。
最近は、屋根の上に太陽光発電パネルが載せている家屋が増えているが、発電素子自体の発生電圧は低い。これを商用電力の100-200ボルトにまで高めるためには無駄な電力を使っているわけだ。いうまでもないが、低い電圧のままの方が効率はいい。
まあ、低い電圧の直流を貯蔵する電池のことも別の課題があるが、これはまた別のときに話しをしよう。
発光ダイオードは僅かな電圧の変動で発光量が変わり、そのための電流も急激に増えることはすでに話した。そのために抵抗を接続していて、結構エネルギーを無駄にしていることも言ったよね。この無駄を無くすには、どうすればいいかって。それには電流制限素子を使うのが理想的だよ。
電流がある一定以下であれば抵抗値が低くて、電流が増えると熱が発生し、そのために抵抗値が急激に大きくなる素子が既に開発されている。これを利用すればいい。ただし、いまは高い発光出力ダイオードに適した電流制限ダイオードは入手できないようであるが、時間の問題だね。
それが実現すれば、低電圧供給電源に接続する構造が簡単なしかも安価な照明源ができる。
なになに、蛍光灯の嫌いな欧米人に受け入れられる、しかも危険性のない照明器具にするにはどうすればいいかって。
それは、この年寄り出番ではないよ。若い君たちが、大いに芸術的な感性を働かせて解決してくれたまえ。
なが話になったな。
オーイ、ばあさん栗御飯はどうかい。なになにようやく栗を塩ゆでにしたから、これから皮を剥くのか。それも手伝いしろっていうの。
そうか、では一緒に栗の皮むきをしよう。
(応)
なに、お土産に栗か。ほう今年の栗は猛暑のせいか、ホクホク感がなくて実が固いのだって。そうか、むかしは実のかたい天津栗というのがあった。駅近くの露天で焼け石と一緒に回しながら焼いている。それを袋詰めにしたものを買い込んで、道々歩きながら、その栗に親指をたてて外の皮を剥いでかじる。ほのかに甘みがあってうまい。
そんな栗にならないかな。
ばあさん、栗をいただいたよ。栗御飯はどうかな。
屋内照明の話しを聞きたいっていうのかい。「緑色発光素子の話題」を読んだが、発光素子の進歩も速い。それだけに、これからの屋内照明も革命的に変化することもある得ることだ。
夜の照明は、長年の間ハダカ火が使われた。ローソクとかランプだ。ガス灯も明治の初期にあったようだが私は見たことがない。ローソクといえば、ファラデーの講演をまとめた「ローソクの科学」という本があるが、これはいまでも面白く読める。1980年代の科学の夜明け頃に若い人にわかり易く、実験をしながら説明した、その講演を記録してある本だよ。なに電子書籍で読むって? 安い文庫本であるよ。どこでも手軽に読める文庫本の方が手軽ではないのかい。
エジソンが開発したと言われている白熱電球が出現してから、これが屋内外の照明に使われた。二十世紀の照明は白熱電球全盛といってもいい。
なになに、蛍光灯があるって。
しかしなあ、欧米諸国の海外旅行をするとホテルなどでは蛍光灯が少ない。欧米人は蛍光灯があまり好みでないらしい。私の知人などは自宅には絶対に蛍光灯を使わないと言うよ。どうしてかなあ。
点灯するまでに時間がかかるとか、蛍光灯は劣化するとチラツク、白熱電灯の方が暖かみがあるとか、夜は部屋全体を明るくせずに、部分的に照明した方が落ち着くというのだろうか。これからの屋内照明のあり方の参考になるかもしれないな。
うーん、発光ダイオードは、街角の交通信号機に見かけるようになった。電球よりも寿命が長く、しかも省エネだそうだ。そういえば乗用車のバックライトも発光ダイオードに換わっているね。
今日は発光ダイオードの照明について聞きたいって。
わしも少し使ってみているけど。寝て本を読むときの照明に。しかし光りの出る部分よりもその後ろの部分が大きくて重い。全体が重くなっているから安定性がよくない。
いまひとつは旋盤工具の照明だよ。知っての通り旋盤工作は趣味のひとつだが、蛍光灯の照明だと工作物が縞模様に見えることがある。この現象をなんとか言ったかな。フリッカーとかストロボ現象だったかい。これは困ることがある。発光ダイオード照明だとこれはない。
なになに、ついこの間のニュース、ある地方の役所で発光ダイオード照明を取り入れたら気分が悪くなる職員が続発し、よく調べてみたら発光ダイオード照明のチラツキが原因だっていうのかい。それは省エネのために発光ダイオードを直流点灯にしないで、交流点灯させたのが原因だろうねぇ。そう、これも将来の照明のあり方に参考になる。
ほう、発光ダイオード単体で数ワットクラスのものが市販されいうのか。しかしそれは危険でもある。発光ダイオードは白熱電球に比べても点光源に近い。その点光源から高いエネルギーの光りが出れば、目の中の一部に点のようなヤケドをすることは間違いない。これが盲点にあたれば失明しかねないな。
発光ダイオードの電圧に対する発光特性は急峻だから、電圧が僅か上がるだけで急激に光量が増える。驚くことに光量が増えると発熱も意外に大きい。このことは電圧を僅かに変化させただけで発光ダイオードは破壊することになるね。
そこでこのことを防ぐために、動作電圧よりも高い電圧から抵抗を通して電圧をかけている。二倍以上の電圧であるとすれば、それだけで電力は半分が熱になるから無駄になっている。
100ボルトの家庭内配電に使うことができる発光ダイオード電球が販売されているが、発光ダイオードは数ボルトで発光するから、かなり大がかりな変換回路が組み込まれているわけで、私が使っている枕元灯が重い理由だよ。
将来はどうだって。
新しく家を建てるときには、低圧直流電源を100ボルトの動力線とは別に設置しておくことを薦める。配管だけでもいいよ。いまジャバラ配管などは手軽にできるからな。これは憶測だが、中点をアースにしてブラス・マイナス6ボルト程度の3線式直流配電がいいのではないかと思っている。
これに発光ダイオードの照明はもとより、テレビをふくめたあらゆる電子機器の電源にする。テレビもブラウン管から液晶式になってから、高い電圧は必要としなくなった。液晶テレビの発熱の大部分は、バックライトの供給電源であり、現在これも発光ダイオードに置き換えて、省エネ・テレビとして販売している。将来は低電圧供給テレビが出現するとさらに省エネ化できる。
最近は、屋根の上に太陽光発電パネルが載せている家屋が増えているが、発電素子自体の発生電圧は低い。これを商用電力の100-200ボルトにまで高めるためには無駄な電力を使っているわけだ。いうまでもないが、低い電圧のままの方が効率はいい。
まあ、低い電圧の直流を貯蔵する電池のことも別の課題があるが、これはまた別のときに話しをしよう。
発光ダイオードは僅かな電圧の変動で発光量が変わり、そのための電流も急激に増えることはすでに話した。そのために抵抗を接続していて、結構エネルギーを無駄にしていることも言ったよね。この無駄を無くすには、どうすればいいかって。それには電流制限素子を使うのが理想的だよ。
電流がある一定以下であれば抵抗値が低くて、電流が増えると熱が発生し、そのために抵抗値が急激に大きくなる素子が既に開発されている。これを利用すればいい。ただし、いまは高い発光出力ダイオードに適した電流制限ダイオードは入手できないようであるが、時間の問題だね。
それが実現すれば、低電圧供給電源に接続する構造が簡単なしかも安価な照明源ができる。
なになに、蛍光灯の嫌いな欧米人に受け入れられる、しかも危険性のない照明器具にするにはどうすればいいかって。
それは、この年寄り出番ではないよ。若い君たちが、大いに芸術的な感性を働かせて解決してくれたまえ。
なが話になったな。
オーイ、ばあさん栗御飯はどうかい。なになにようやく栗を塩ゆでにしたから、これから皮を剥くのか。それも手伝いしろっていうの。
そうか、では一緒に栗の皮むきをしよう。
(応)