勤め先近くの蕎麦屋で昼飯を食べていたとき、一人の男が入ってきて二人前のそば(おそらくかけ蕎麦だったのではないか)を注文し、どんぶりを二つ抱えて、店から小走りに出て行った。後で店の親父が薄ら笑いを浮かべながら、「あれこれ噂のあるあの先生(店の辺りが地盤の政治家)は報道各社に追われて、みなの前に顔を出すことが出来ない。それで、車の中で食べるそばを秘書が注文に来たのさ」と話しているのを聞いた。ゆっくり食事も出来ず、こそこそと逃げ回る政治家のあわれな姿を見た気がした。件の政治家は、かつては労働大臣や政党幹事長まで務めた人だが、結局、横領/詐欺容疑で逮捕され、罪人となった。
かつては政界汚職で逃げおおせたものが大勢でいたが、政治家に対する国民の目が厳しくなった今日、悪いことをしていたら逃げ回っても駄目だ。自分は間違っていないと本当に自信があるなら、堂々と対決したほうが得策である。逃げ回って成功しても、ごまかして逃げおおせたというイメージが貼り付き、胡散臭い政治家として大きなダメージを受ける。対決して潔白が明らかになれば、その実直な態度が、逆に、尊敬されよう。決着をつけるにはそのほうが早道だ。裁判を回避するために、行政訴訟を起こすなどは、どう考えても賢明ではない。手練手管をろうして政治の混乱がいつまでも続くようでは、国民が困る。
ちなみに、件の政治家の弁護士であった男と、後年、ある財団の運営をめぐって対峙する羽目になった。弁護士もいろいろで、法廷闘争をチラつかせ、歪曲した論理を押し通そうとする者もいるようだ。(ボブ)
かつては政界汚職で逃げおおせたものが大勢でいたが、政治家に対する国民の目が厳しくなった今日、悪いことをしていたら逃げ回っても駄目だ。自分は間違っていないと本当に自信があるなら、堂々と対決したほうが得策である。逃げ回って成功しても、ごまかして逃げおおせたというイメージが貼り付き、胡散臭い政治家として大きなダメージを受ける。対決して潔白が明らかになれば、その実直な態度が、逆に、尊敬されよう。決着をつけるにはそのほうが早道だ。裁判を回避するために、行政訴訟を起こすなどは、どう考えても賢明ではない。手練手管をろうして政治の混乱がいつまでも続くようでは、国民が困る。
ちなみに、件の政治家の弁護士であった男と、後年、ある財団の運営をめぐって対峙する羽目になった。弁護士もいろいろで、法廷闘争をチラつかせ、歪曲した論理を押し通そうとする者もいるようだ。(ボブ)