11月10日の昼に日生劇場でモーツアルトの「コジ・ファン・トゥッテ」を観る。1時30分に始まり、20分の休憩を挟んで終演は5時過ぎだった。客席は満員。オケは読響で指揮は広上淳一、演出は菅尾友。モーツアルトが好きなので、観にいったわけだが、演出のひどさにがっくり来た。
完全な読み替え演出で、時代は現在、大学の研究室のようなところでパスコンおたくのような学生が、好きな女子学生のアンドロイド(ロボット)を作り、それに恋して恋人同士になるというような設定。おまけに、主要な場所は、大学の男子トイレだったり、女子トイレだったりして、まったく下品な事この上ない。読み替え演出が一概にだめだというつもりもないが、9割以上の確立で失敗するのでやめた方が良いだろう。
特にこの作品は、人間の女性が、貞節を守ると見えても、そんなことは幻だとして、賭けをするわけで、二組の恋人の男性二人が、変装して入れ替わって口説いて成功するかどうかというのが、話の骨格だ。ところが、変装して(ドレッド・ヘアーのヒップ・ホップ系のムード)登場するが、入れ替わって口説かない。おかしいなと思って見ていると、女性の方が男性を選ぶムードの演出だ。いくら女性上位時代だとは言っても、口説いたら落ちるということを立証する賭けなのだから、女性側が選ぶ演出はおかしい。また、女性は黄色とマゼンダ、男性側は緑と青という区別になっていて、黄色と緑、マゼンダと青がカップルというのだが、組み換えがいつ起こるのかとみていて分かりにくいこと甚だしい。紅組と青組とかカップルは色を合わせないと観客側は混乱してしまう。
おまけに、相手がアンドロイドだとしたら、人間の女性の心などあり得るのかという疑問もわく。
また、歌手たちは歌っているときも含めて、常に動き回っている。そのほかにも正体不明のロボットが動き回る。せっかくの聴かせどころのアリアになっても動き回るので、落ち着いて音楽が聴けない。観ていて、下手な歌だから、聴かなくて済むように舞台の動きでごまかす演出なのかと思ったほどだ。
大体、ドイツ系の演出というのは、歌手が下手だから、そうやってごまかす傾向があるが、モーツアルトの作品だし、イタリア語なので、きちんと落ち着いて聞きたかった。歌はそんなにひどいということでもないが、ソプラノとテノールは不安定な部分が結構目に着いた。まあ、結構難しい歌なので、動き回りながら歌わせるのかかわいそうではないかと思った。
照明も良くないと、きちんと言っておく。なぜ歌っている歌手に照明を当てないのか。基本が崩れている。
今回のプロダクションは、日生名作シリーズとして、小中高校生を招くようだが、こんなのを見せられたら、オペラが嫌いになるのではないかと心配した。急いで家に帰り、ソーセージの食事を済ませて、グルベローバ版の「コジ」を見て、口直しをした。
完全な読み替え演出で、時代は現在、大学の研究室のようなところでパスコンおたくのような学生が、好きな女子学生のアンドロイド(ロボット)を作り、それに恋して恋人同士になるというような設定。おまけに、主要な場所は、大学の男子トイレだったり、女子トイレだったりして、まったく下品な事この上ない。読み替え演出が一概にだめだというつもりもないが、9割以上の確立で失敗するのでやめた方が良いだろう。
特にこの作品は、人間の女性が、貞節を守ると見えても、そんなことは幻だとして、賭けをするわけで、二組の恋人の男性二人が、変装して入れ替わって口説いて成功するかどうかというのが、話の骨格だ。ところが、変装して(ドレッド・ヘアーのヒップ・ホップ系のムード)登場するが、入れ替わって口説かない。おかしいなと思って見ていると、女性の方が男性を選ぶムードの演出だ。いくら女性上位時代だとは言っても、口説いたら落ちるということを立証する賭けなのだから、女性側が選ぶ演出はおかしい。また、女性は黄色とマゼンダ、男性側は緑と青という区別になっていて、黄色と緑、マゼンダと青がカップルというのだが、組み換えがいつ起こるのかとみていて分かりにくいこと甚だしい。紅組と青組とかカップルは色を合わせないと観客側は混乱してしまう。
おまけに、相手がアンドロイドだとしたら、人間の女性の心などあり得るのかという疑問もわく。
また、歌手たちは歌っているときも含めて、常に動き回っている。そのほかにも正体不明のロボットが動き回る。せっかくの聴かせどころのアリアになっても動き回るので、落ち着いて音楽が聴けない。観ていて、下手な歌だから、聴かなくて済むように舞台の動きでごまかす演出なのかと思ったほどだ。
大体、ドイツ系の演出というのは、歌手が下手だから、そうやってごまかす傾向があるが、モーツアルトの作品だし、イタリア語なので、きちんと落ち着いて聞きたかった。歌はそんなにひどいということでもないが、ソプラノとテノールは不安定な部分が結構目に着いた。まあ、結構難しい歌なので、動き回りながら歌わせるのかかわいそうではないかと思った。
照明も良くないと、きちんと言っておく。なぜ歌っている歌手に照明を当てないのか。基本が崩れている。
今回のプロダクションは、日生名作シリーズとして、小中高校生を招くようだが、こんなのを見せられたら、オペラが嫌いになるのではないかと心配した。急いで家に帰り、ソーセージの食事を済ませて、グルベローバ版の「コジ」を見て、口直しをした。