花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

秋、動物の名前が付いた花々(2)

2023-09-19 | 植物 花

今日の動物は、<猫>です、<猫>の名前が付いた植物達です、「ネコノヒゲ」、「キャットテール」

「ネコジャラシ」を挙げます、皆、猫を彷彿とさせる形、姿です。

学名では、<猫>を著わした名前では、必ずしも無いのですが、和名や別名では<猫>を指しています。

<「ネコノヒゲ / 猫の髭」>

雌蘂、雄蘂が、上向きに伸びて、反り返る様子が、宛ら、”猫の髭” です。

総状花序に白、淡い紫、淡いピンクの花を茎下から順次咲かせます。

初夏から晩秋へと長い期間愉しむことができます。

花色は、白、薄紫色で、茎下から順次咲き上がります。

薬草(薬効ー利尿、血圧降下)、クミスクチン茶としても知られています。

シソ科、オルトシホン属、非耐寒性多年草、インド、マレー半島原産

学名    Orthosiphon aristatus、英名 Cat's wiskers、別名「クミスクチン」、「キャッツウイスカー」

「ホワイトキャットマスターチ」、「オルトシホン」

学名 Orthosiphon   は、ギリシャ語で  Ortho は、”真っ直ぐ”、siphon は、”管” の意味とか

別名の「クミスクチン」は、マレー語で、「クスミ」=髭、「クチン」=猫 の意味となっています。



下図は、猫の髭のUPです、似ています。

 

次の “猫” は、「アカリファ 'キャッツテール'」です。

<アカリファ 'キャッツテール,'」>

赤い猫のシッポです、仲間の「アカリファ・ヒスビタ」< ベニヒモノキ>より穂の背丈が低くて

太い違いが有ります、トウダイグサ科、エノキグサ属、西インド諸島原産、多年草、英名 Cat´s tail

別名「キャッツテール」ですが、早春に花咲く「ブルビネラ」の別名が「キャットテール」ですので

紛らわしい名前です、厭いて、“キャッツテール” と “キャットテール” で 区別しています。

小さな花が、集まって穂状の花を咲かせます、雄蕊が目立ちますが、花弁が無いのも特徴です。

次に挙げるイネ科の「エノコログサ」<猫じゃらし>に似ていて、どちらも、猫に纏わる花の姿です。

トウダイグサ科、アカリファ属、非耐寒性這性多年草、西インド諸島原産、学名   Acalypha reptans=A.hispaniolae

英名   Acalypha 、Cat tail 、Summer love 、

別名 「アカリファ」、「アカリファ ´キャットテール`」、「キャットテール」


他の画像は、動画にしました、赤いシッポのオンパレードです。

 

<エノコログサ」>

下図は、イネ科の「エノコログサ」(狗尾草) Setaria faberi愛称「ネコジャラシ」ですので

序でに、挙げてみました、猫用の "玩具" と言うよりも<犬のシッポ>の方が、的を射ているようですが ・ ・ ・ 

犬の尾っぽに似ているので ”犬っころ草” から「エノコログサ」となった由

尚、「エノコログサ」の名前は、「犬っころ草」から「狗(犬)尾草」の漢字名も付いてます。

<犬の尾っぽ>にも似ているからですが、「ノコログサ」ではないのが不思議です。

宮沢賢治の詩には、“いのころ草” と詠われていろのですが ・ ・ ・ 仔細は、分からないのです。

漢字表記も「犬子草」、「狗尾草」とか、でも一番は、「ネコジャラシ」かな、学名   Setaria viridis 

英名   Green bristle grass、Foxtail grass




次は、上載の「エノコログサ」に形状が 似た「ベニヒモノキ」<紅紐の木>を載せてみました。

<「ベニヒモノキ」>

「エノコログサ」が、多年草なので、「ベニヒモノキ」の常緑低木との違いが有りますが、似た様な花穂の花です。

「ベニヒモノキ」の方が、「エノコログサ」より長い花穂が下垂します。

花弁が無いのも両者似ています、花期としては、露地では、夏から秋に懸けて開花しますが

温室などでは、冬でも視ることができます、今が盛りのヒユ科の「ヒモケイトウ」にも似ています。

トウダイグサ科、エノキグサ(アカリファ)属、非耐寒性常緑低木、

マレー半島、ニューギニア、インドネシア原産、学名   Acalypha hispida、別名「アカリファ」

英名    Chenille plant、Pussy tail、Foxtail   、英名の   Chenille   とは、毛足が長い艶の有る糸を指す由

Pussy tail (子猫ちゃんのシッポ)には、太すぎますが   Foxtail  が妥当かな

学名の   hispida  は、毛が生えている意味とか、毛深いことは、間違いないのです。


秋、”動物” の名前が付いた花々(1)

2023-09-15 | 植物 花

秋、動物の名前が付いた植物の果実、花を多数見受けます、皆、名前に相応しい形です。

最初は、<タヌキ>の名前が付いた「タヌキマメ」と<キツネ>名前が付いた「フォックスフェス」の実と、花です。

「タヌキマメ」(狸豆)

茎の先端の総状花序に数個の蕾を着け、蝶型で青紫色の花を咲かせます。

花は、早朝に咲き始め、午後には、萎みます、一日花です。

花後に萼が生長して、豆果を包みます、葉は、細長く笹の葉に似ています。

名前の由来は、茶色の粗い毛を生やした萼が、”狸の毛深い躯と腹の辺りを著わすから” とか

”花を真向かいから眺めると狸に似ているから”との説も有り

他には、”狸の陰・に似ているから” との説も載っていました。

マメ科、タヌキマメ属、一年(多年草)、日本、中国、朝鮮半島、熱帯アジア原産、学名 Crotalaria sessiliflora

学名の Crotalaria は、ギリシャ語の Crotalon <玩具のガラガラ>の意味で

熟した果実を振ると、鞘の中の種子がガラガラと鳴るからとか

Rattle box には、おもちゃの<がらがら>の意味が、果実が弾ける前に、振ると種子がカラカラと音がします。



下図は、果実の鞘が熟して、縦に溝が入った面白い形の種子が、飛び出します。

下図は、最近、近習で撮った狸と思われる画像ですが、茶色い粗い毛が、名前の由来にも頷けます。

 

次の “狐” は、「フォックスフェイス」の果実と花です、果実は、黄色に色付き始めています、狐の顔に似てので此の名前が付いた由

果実の先端が、尖って突き出ている所為ですか、似ている画像が一枚在りましたので添付しました。

紫色で星型の花と熟す前の緑色をしたもので、黄色い “狐色” ではないのですが、似てはいます。

当然、英名に  Foxface が有ると思ったのですが

英名には、Nipplefruit 、Lady nipple、Cow´s udder、Lady nipple   等々で、 Fox に関するものは、無いのです。

確かに、Nipple (乳首)や   Udder (乳房)の方が似ているかも

 学名が   Solanum mammosum   ですが、Mammosum  も、ラテン語で “沢山の乳頭突起を持つもの” の意味とか

矢張り、乳房や乳首の方が合致するのかも ・ ・ ・  有毒なので口に含むことはできませんが ・ ・ ・ 

ナス科、ナス属、非耐寒性常緑低木(一年草)、ブラジル原産、学名    Solanum mammosum 

別名 「ツノナス」(角茄子)、「キツネナス」、「カナリヤナス」(金糸雀茄子):「カナリヤナス」は、艶々した黄色い色が

鳥のカナリアの羽の色に似ているからとか

 

小さな耳と突き出た顔が、確かに狐です。

下は、他の “狐" と ”角 " の 映像です。

花は、夏期にに咲き、ナス科の花の特徴を著わしています。



「サルビア」シリーズ(最終回)

2023-09-12 | 植物 花

今迄、多種の「サルビア」を挙げてきました、此等以外にも、多数の種類の「サルビア」が視られますが、割愛します。

「サルビア」シリーズ」の最後に、一般に「サルビア」と称される「サルビア・スプレンデンス」を挙げて

「サルビア」シリーズを閉じます、今後、機会が、有れば、再度、載せてみます。

「サルビア・スプレンデンス」>

和名が、「ヒコロモソウ」緋衣草とのことで、緋色の花が多いのですが、品種改良も進んで

赤、ピンク、青紫、紫、白と多彩です、花は、シソか特有の唇形で、長い筒状の先端に咲かせます。

花序は、15から30cm位、草丈、25かr50cm位、茎は、四角柱、花は、輪散状に咲かせます

初夏の頃から晩秋の頃と開花期が長い花です。

シソ科、サルビア属、緋耐寒性一年草(日本)、温かい土地では、多年草、原産地ー南Salvia アメリカ

学名  Salvia splendens  、英名   Salvia 、Scarlet sage




 

最後に、NHKアーカイブから、前回にも載せた此のシリーズの「サルビア・ファリナセア」

「サルビア・コクシネア」の動画を添付して終わります。


「サルビア」シリーズ(6)

2023-09-09 | 植物 花

今日は、「サルビア・グアラニティカ」、「サルビア・プラテンシス」、「サルビア・オフィシナリス」です。

 

<「サルビア・グアラニティカ / ガラニチカ」>

総状花序をだして、濃い青紫色の筒状唇形の花を咲かせます、黒い萼の色、緑色の葉、花の青紫の

コントラストを楽しみます、花の形は、次に載せる「サルビア・プラテンシス」(「メドウセージ」)に似ています。

其の為、輸入業者が、「サルビア・グアラニティカ」を「サルビア・プラテンシス」と間違ったので

今でも、「サルビア・グアラティカ」を「メドウセージ」と呼んでいることが有るようです。

花冠がユニークな形ですので愉しめます。

香料として利用するセリ科の「アニス」の香りがするので、 英名に此の名前が付いていました。

シソ科、アキギリ属、耐寒性多年草、南アメリカ原産、学名 Salvia guaranitica英名   Anise scented sage


次は、「サルビア・プラテンシス」です、花の色が青紫、ピンク、白等と多彩です。

<「サルビア・プラテンシス」>

 茎の先端に総状花序の花穂を着けて、小さな舌状の花を咲かせます。

似た花で、近縁種に「サルビア・グアラニティカ」 Salvia guaranitica  が有りますが、其れより小さいさな花です。

葉は、卵型で対生、シソ科特有でザラザラしています。

「宿根サルビア」の中でも早咲きの品種です、暑さが苦手なので、後釜は、「サルビア・グラニティカ」になります。

シソ科、サルビア属、地中海沿岸、ヨーロッパ原産、学名   Salvia pratensis 、英名   Medow sage

別名 「メドーセージ」、この名前は、「グラニティカ」にも付いてますが、此方が正解とか

Salvia  は、ラテン語で<治療、薬用になる>の意味で、Pratensis  は、<草原に生える>意味と有り、薬草です。

後に、「サルビア・プラテンシス」(「メドウセージ」)と間違えられた「サルビア・プラテンシス」を挙げます。


最後は、「セージ」の別名が付いた「サルビア・オフィシナリス」からです。

<「サルビア・オフィシナリス」>

単に、「セージ」と呼ぶ場合は、此の「サルビア・オフィシナリス」 、英名  Common sage  を指すとのこと。

英名の  <Sage> は、サルビア属全体を指すとのことで、種類が多いことが解ります。

“オフィシナリス” とは、薬用の意味とかで、古来薬の原料として利用した由

亦、ソーセージのセージは、此のsage から由来するとのこと。

Sage  は、ラテン語の   Salveo (治療) → フランス語 の   Sauge

由来するとか、確かに、葉を揉んで嗅ぐと “薬っぽい” 香りがします。

シソ科、サルビア属、耐寒性多年草、地中海沿岸原産、学名   Salvia officinalis

英名   Common salvia 、Common sage、Garden sage別名 「ヤクヨウサルビア」



「サルビア」シリーズ(5)

2023-09-07 | 植物 花

<「サルビア」シリーズ> の今日の花は、「サルビア・インボルクラータ」です。

<「サルビア・インボルクラータ」>

総状花序に、ピンク色の筒状花を咲かせます、先端は、サルビア属特有の二唇形の花弁です。

我々が、”蛸の頭” と称する<苞>が一枚一枚捲れて散る後から此の筒状花が現れるのです。

筒状花が、丸で "蛸の足(手)” ですか、赤い色なので ”茹で蛸” ですね。

秋から初冬の頃が、最盛期になります。

英名が Rose leaf sage ですが、葉が「バラ」の葉に似てるので此の名前になったようです。ですか、

葉の形は「バラ」の葉に似ていますが、艶が無いなど質感は違います。

シソ科、サルビア(アキギリ)属、落葉低木、メキシコ原産、学名   Salvia involucrata

英名   Rose leaf sage、Rosebud sage、別名「ローズリーフ セージ」

蛸の頭の様な苞が


下図は、「サルビア・インボルクラータ」の葉ですが、「バラ」の葉に似ていますか