花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

アオイ科の花(4)

2020-09-17 | 植物 花

今日のアオイ科の花(4)には、「ローゼル」、「ムスクマロウ」、「ハナアオイ」を挙げました。

<「ローゼル」>

「ハイビスカス」や「オクラ」の仲間です、花も似ています、花径 10cm 位、花弁 5枚

暗赤色の茎が、目立ち、緑色の葉とのコントラストを愉しみます。

白やピンクの花弁の中心は、赤褐色で鮮やかです、一日花ですが、次々と開花するので楽しみです。

花や果実は、ハイビスカスティー、ジャム、ゼリーに利用、生食もできます、酸っぱい味です。

アオイ科、フヨウ属、一年草(多年草)、学名 Hibiscus sabdariffa 、英名  Roselle、Jelly okra

Jamaica red sorrel、Indian red sorrel  等々

「ローゼル」の名前は、「薔薇」の花に似ているからとのこと

アフリカ原産、別名 「ロゼリ草」、「レモネードブッシュ」、「フロリダ グランベリー」、「ソレル」等々


因みに、下図は、「ワタ」と「オクラ」の花ですが、「ローゼル」の花に似ています。

Cimg73503亀吉

花後には、暗赤色に熟した艶の有る果実が稔ります、白色の果実も有ります。


花期が、初冬の頃迄ですが、夏の頃に開花したものも有り、花と同時に見ることができます。

ユニークな形状の果実は、萼と苞片が、肥大したもの、此の果実も緑の葉とのコントラストを愉しみます。

 

「ムスクマロウ」(麝香葵)も今が盛りです。

<「ムスクマロウ」>

「マロウ」の仲間には、「ゼニアオイ」Malva sylvestris subsp.mauritiana 、「ウスベニアオイ」M.sylvestris

馴染みのものが、多いのですが、今日は、「ムスクマロウ」にしました、草丈も低く、花も小ぶり(花径5CM)です。

花色は、白と淡いピンク、葉は、ハート型で縁に浅い切込みが、有ります。

葉に香りが、有るので、「麝香葵」の名前が、付いています。

古代から葉や花が、ハーブとして料理に利用されたとか

アオイ科、ゼニアオイ属、耐寒性多年草、ヨーロッパ原産、学名 Malva moschata 、英名 Musk mallow


最後は、「タチアオイ」(立葵)に似た花を咲かせる「ハナアオイ」(花葵)

=「ラパテラ・タリマストリス」にしました。

<「ハナアオイ」>

「タチアオイ」の別名とした説明がありましたが、別の花で草丈、花の色等違いが有ります。

「タチアオイ」が、草丈90~200CM、花径 5~10CM、花色が、ピンク、青紫、赤、黄、白、黒色

と豊富なのに対して、「ハナアオイ」は、草丈40~150CMと低く

花色も白、ピンクと少ないのです、亦、前者が、多年草に対して後者は、一年草の違いが、有ります。

アオイ科、ハナアオイ属、非耐寒性一年草、南ヨーロッパ、地中海沿岸原産、学名  Lavatera trimestris

英名   Annual mallow、Rose mallow 、Queen mallow


<各画像は、クリックで拡大表示します>


アオイ科の花(3)

2020-09-14 | 植物 花

朝夕、少しは、過ごし易くなってきました、空の様子も変化して、”秋の雲”  鱗雲と ”夏の雲” 入道雲が、同時に現れます。

此の時季のアオイ科の花として、「オクラ」、「ワタ」、「トロロアオイ」の

花々を挙げてみました、皆、似た様な姿の花々です。

最初のアオイ科の花は、「オクラ」の花です。

「オクラ」

緑色や赤色で、5cm 位の先が尖った五列の稜を持った実は、野菜として知るところです。

”オクラ レシピ” も多く、栄養も豊富だとか

花は、以下に載せる「ワタ」や「トロロアオイ」の花に似ています。

早朝に開花して、昼頃には萎んでしまう謂わば、”半日花” です。

30cm位の大きな葉は、3~5裂した掌状の葉です。

アオイ科、トロロアオイ属、アフリカ エチオピア原産、非耐寒性一年草

学名 Abelmoschus esculentus 、英名 Okura 、Lady's finger 、別名「アメリカネリ」

「オカレンコン」(丘蓮根)・ ・ ・ 実の断面が、「蓮根」に似ているから


次のアオイ科の花は、「ワタ」(綿) の花です。

「ハイビスカス」の花に似ています、淡く黄色い花の中心が、赤黒い輪の模様が着きます。

一日花で、葉は、掌状で3~7裂します。

花後、種子に密生して着いた毛(コットンボール)が、繊維の<綿>になるわけです。

「メン」、「綿」(ワタ)呼び名ですが、「メン」は、中国語<Main>発音するからとか

「綿」(ワタ)は、<ハラワタ >の< ワタ>からで、コットンボール(Cotton Ball)の形が

大腸や小腸に喩えたからと言われています。

アオイ科、ワタ属、多年(一年草)、熱帯アジア原産、学名 Gossypium arboreum 

英名Tree cotton、 Cotton plant、Cotton、別名「コットン」

 「トロロアオイ」も似た花を咲かせます、特に最初に載せた「オクラ」にソックリで

区別するのに苦労します、別名も「花オクラ」の名前が、付くほどです。

判別する簡単な目安として、「トロロアオイ」の花は、「オクラ」の花より約倍大きく(葯15cm位)で

平開します、「オクラ」は、花弁が、少し角度を付けた開き方をします。

花の底部が、暗紫色なのも「オクラ」に似ています。

「トロロアオイ」の葉は、掌状で5から9裂の深い切り込みが有り、細長い葉ですが

「アオイ」の葉は、切り込みが浅く3から5裂します、葉の幅が広い違いが有ります。

実も前者が、短い実に対して、後者の実は、細長い違いが、特徴です。

根からネバネバの液が採れるので、<トロロ>の名前が付いた由

アオイ科、トロロアオイ属、非耐寒性多年草(一年草)、中国原産、学名 Abelmoschus manihot

英名 Aibika 、別名「オウショッキ」(黄蜀葵)、「クサダモ」



色鮮やかな「ベニバナトロロアオイ」(紅花とろろ葵)Albelmoshus moshatus spp.taberosus

別名「アカバナワタ」(赤花綿)は、前回ののせました。

以上3種見た様な花を咲かせるので、判別が、難しいのですが、葉の形に、各々の特徴が

左から「オクラ」、「ワタ」、「トロロアオイ」の葉

「オクラ」と「トロロアオイ」は、実も似ていますが、

「オクラ」の方の実は、細長くて ”女性の指” の喩えの通りスンナリしています。

「トロロアオイ」の実は、ズングリとした ”坊主頭” です。

<各画像は、クリックで拡大表示します>


アオイ科の花(2)

2020-09-12 | 植物 花

アオイ科の花(2)には、「フヨウ」(芙蓉)、「アメリカフヨウ」(亜米利加芙蓉)

「スイフヨウスイフヨウ」(醉芙蓉)を挙げてみました。

 

夏、アオイ科の花は、「フヨウ」(芙蓉)からです、透き通る様な大振りの花弁が、夏を演出します。

「ハイビスカス」の仲間ですから、雄蘂の中心から雌蘂が突き出ているのが目立ちます。

一日花なので、儚いのですが、其処が見所かと思います。

花径が、15cm位で、5枚の花弁を着けます。

同属で、此の時季に咲く「ムクゲ」(木槿)が有ります、似ていて区別が、難しいのですが

「フヨウ」は、「ムクゲ」より葉が大きく、雌蘂の先端が、曲がっているので区別出来ます。

亦、前者は、枝振りが、横広がりですが、後者は、樹立する違いが有ります。

アオイ科、フヨウ属、耐寒性落葉低木、日本、中国、台湾原産、学名 Hibiscus mutabilis

英名 Cotton rose mallow

別名「モクフヨウ」(木芙蓉)・ ・ 「スイフヨウ」(水芙蓉)の名前の「蓮の花」と区別する為とか

「スイフヨウ」の名前では、最後に挙げる「醉芙蓉」が、有ります。



尚、アオイ科、フユウ属には、「フヨウ」に似た「ムクゲ」(木槿)が、有ります。

「フヨウ」と「ムクゲ」の違いは、「フヨウ」の葉は、掌状で5裂していますが

「ムクゲ」の葉は、細長い楕円形で3裂しています。

「フヨウ」は、多く枝分かれするので、横に広がった樹形をしています、「ムクゲ」は、枝を上方に伸ばすので

直立した樹形になります、「フヨウ」が “草” の感じに対して、「ムクゲ」は、“樹木” の感じがします。


次のアオイ科の花は、「アメリカフヨウ」(亜米利加芙蓉)です。

<「アメリカフヨウ」>

上に載せた「フヨウ」より花も葉も大きく、花径が、約30cm 位になります。

花色は、赤、ピンク、白、「ハイビスカス」の花に似ています。

此の花も一日花ですが、次々と花を咲かせるので、長い期間、愉しめます。

アオイ科、フヨウ属、耐寒性多年草、学名 Hibiscus moscheutos、英名 Swamp rose mallow

別名「クサフヨウ」(草芙蓉)

最後のアオイ科の花は、「スイフヨウ」(醉芙蓉)の花です。

花の色で、”酔い” の程度を計ります ・ ・ ・ 

 「芙蓉」の園芸種とされる「醉芙蓉」は、開花時期が、「芙蓉」より少し遅く咲き始めます。

「芙蓉」より葉も花も大きい違いも有ります。

八重咲きが、基本ですが、一重咲きも有り、「ヒトエスイフトウ」(一重醉芙蓉)の名前が、付いています。

朝の開花時には、白色で、ピンク、濃いピンク、赤色と変化して、夕方には、赤紫色になって、萎みます。

此の色の変化が、酔った状態に喩えた命名とか ・ ・ ・ 素面から酩酊までの顔色の変化ですか

酔いの回りが、早い物と遅い物が有って、白、ピンク、赤が混在するのも面白いものです。

アオイ科、フヨウ(ヒビスクス、ハイビスカス)属、園芸種、落葉低木、学名 Hibiscus mutabilis f.versicolor

mutabilis versicolor も ”色が変わる” 意味、変色する特徴を著わしています。

下図の花の色は、未だ素面の状態です。

 少しお酒が回ってきました。

程よい回り方です、いい気分です。

大分回ってきました、呂律も怪しげです。

 悪酔いの状態です。

酩酊、 出来上がりました。

<各画像は、クリックで拡大表示します>


アオイ科の花(1)

2020-09-10 | 植物 花

「ダチュラ (朝鮮朝顔)」 Datura spp. の花が、咲きます、黄色い蕾が、純白の色になって開花します。



今日のアオイ科の花は、「モミジアオイ」、「アカバナワタ」、「タチアオイ」の花にしました。

<「モミジアオイ」(紅葉葵)」>

「ハイビスカス」の花に似た 鮮やかな緋色の五弁の花が、輝きます。

一日花ですが、次々と咲きますので、一夏愉しめます。

「芙蓉」や「ハイビスカス」と同属ですので、似ていますが、「芙蓉」の様に花弁が重ならない特徴が有ります。

五裂した葉が、「モミジ」(カエデ)に似ている故の命名です。

アオイ科、フヨウ属、宿根草、北アメリカ原産、学名 Hibiscus coccineus、英名 Scarlet rose mallow

別名 「コウショッキ」(紅蜀葵)



次は、“アジアの「ハイビスカス」” と称する 「アベルモスクス」(アカバナワタ)です。

此花も「ハイビスカス」の花に似ています、夏が最盛期りですが、秋頃まで愉しめます。

「アカバナワタ」(赤花綿)

「オクラ」、「トロロアオイ」の仲間で、一日花ですが、次々開花するので、充分愉しめます。

「ハイビスカス」に似た花で、花径が、10cm似もなる大きな花です。

深く五裂した掌状の葉が、「綿」の葉に似てるので「赤花綿」の名前も付いたとのこと

アオイ科、アベルモスクス(トロロアオイ)属、熱帯アジア原産、非耐寒性多年草(一年草)

学名  Abelmoschus moschatus spp. tuberosus英名 Native rosella musk okra

ハイビスカス属からアベルモスクス属に分離した由、別名「ベニバナトロロアオイ」、「アカバナワタ」(赤花綿)

「アベルモスクス」、「アジアン ハイビスカス」、「サンセット ハイビスカス」



「タチアオイ」(立葵)も空に向かって高く茎を伸ばします。

「ハイビスカス」の花に似た花を、下から上へと穂状に次々咲かせます。

花の色もピンク、青紫、赤、黄、白、黒と豊富です、一重、八重が有ります。

アオイ科、タチアオイ(アルテア)属、西アジア、地中海沿岸、中国原産、耐寒性多年草(秋蒔き一年草)

学名  Alcea rosea、英名  Hollyhock


芋の花、「キクイモ」、「ガガイモ」

2020-09-08 | 植物 花

夏と秋が鬩ぎ合う空の下、「パンパスグラス」(Pampas Grass ) の銀の穂が、風に揺れます。



 

今回は、「キクイモ」(菊芋)と「ガガイモ」の花を挙げてみました。

<「キクイモ」(菊芋)>

河原や土手に「ヒガンバナ」と一緒に咲いています、黄色い絨毯を広げた様な光景です。

花よりも塊茎を食用とするレシピの方が、知られていますが、花も見応え充分です。

1~3Mの草丈の先端に「キク」の花に似た頭状を咲かせます、花の舌状花の先端が

3裂して「ヒマワリ」の花に似ています。

地下に「ショウガ」(生姜)に似た塊茎を作るので、「芋」の名前が付いた由

全世界に飼料として、特に第2次大戦後の食糧難の時には、大分御世話になったとのことですが

其の後、野生化して、現在では、侵入生物として ”悪者” にされています。

糖尿病に対する薬効も有るり、”天然のインシュリン” の異名も付いています。

原産地の北アメリカでは、アメリカインデイアンが、食料としていたとか

料理のレシピには、<天麩羅>、<グラタン>、<肉ジャガ>

<クリームシチュー>等々の料理が載ってました。

花は、「菊」の花に似て、塊茎が芋、味が、アーテチョーク なので、此の名前が付いたとか。

キク科、ヒマワリ属、多年草、北アメリカ原産、学名 Helianthus tuberosus

英名 Jerusalem artichoke、別名「アメリカイモ」、「ブタイモ」

「イレサレム アーティチョーク」「サンチョーク」、「ヒマワリ サンチョーク」等々


塊茎は、「生姜」に似ています、終戦当時は、食用としたので、花は、鑑賞外の存在でした。

”花より団子” の諺通りの扱いだったのです。

 

「ガガイモ」も面白い姿の花を咲かせます、「芋」の名前が付いているので載せてみました。

<「ガガイモ」(蘿摩)>

「キクイモ」の様に塊茎が、芋には、似てないのですが、種子毛が、素晴らしいのです。

芋の名前は、根より果実の形が、「芋」に似ているからかな

集散花序に、薄紫色や白色の5弁の花を咲かせます、花冠は、大きく反り返ります。

神話に登場するくらいなので、神代の時代から認識されていた由

10cm位の「ゴーヤ」に似た果実が、舟形の鞘なので神が、此の船に乗って現れたとの神話です。

葉は、ハート型で互生します、果実の中には、白い毛が沢山詰まっていて、熟すと割れて

其の毛が、「タンポポ」の綿毛の様に風に乗って飛び散ります。

昔は、綿の代わりに利用したようです。

真偽の程は不明ですが、民話の謎の生物<ケサランパサラン>は、此の種子を指しているとか

ガガイモ科、ガガイモ属、蔓性多年草、日本、東アジアに分布、学名  Metaplexis japonica


下図の様な薄紫色の品種も

"芋” の名前になった由来は、此の果実の形からか

”謎のいきもの”  ケサランパサランの正体とされた種子に着いた羽毛の様なもの