MAYA+松尾明トリオ ~MEG LIVE 3.25

2011-03-26 22:50:00 | 音楽の森


 3月5日のホリー・コール(ブルーノート東京)はインフルエンザで行かれず、3月11日の『十五夜』LIVE(個人的には寺村容子さんのピアノがメイン。立川ハーフトーン)は地震により中止・・・。3月24日のMAYA+松尾明トリオもダメかなと思ったのですが、計画停電も回避され決行。大いに結構ということで、夜勤明けに一本仕事をしてから吉祥寺MEGに向かいました。
 18時近くに国立駅に着くと、駅が暗い! なるほど、こんな風に節電していたんだ・・・。個人的には(コンビニとか)蛍光灯が明るすぎる今までに違和感を感じていたので、正直遥かに好感持てます。吉祥寺に着くと、いつものようにネオンがキラキラしていたので、ちょっとがっかりしました。新聞にも紹介されていた銀座四丁目や渋谷ハチ公前のように明かりを絞って欲しいです。もともと国立の夜は暗いのですが、周りの人の顔が見えなくたっていいじゃない?
 まだ4回目の【MEG】なのに、急な階段を上って店の前に立つと何だかホッとします。自分が一番乗りでした。店内から洩れてくるリハーサルの音を聴きながら開店時間を待つのもいいものだと、持参した文庫本(鹿島茂『パリ時間旅行』)を開きました。





 今夜はどこに座ろうか・・・どこでも選べるとなると逆に迷ってしまうのですが、松尾(Ds)さんの隣に座ることにしました。音響的には今までのように中央(MAYAさんの目の前で)で聴いた方がバランスが良いのだけれど、今夜は松尾さんのドラムさばきが見たかったのと、この位置からだとピアニストの横顔と運指も見え、良い選択だったと納得。でも、今夜のピアノは寺村容子さんではありません(三木成能さん、上手かったですよ~)。
 MAYAさんは、本人曰く「真っ赤なアバンギャルドのスピーカーに溶け込むように、アルバム『Kiss of fire』以来の」勝負服ならぬ真っ赤な勝負ルージュをひいて、今夜の心情を表してくれました。ルージュだけではありません。黒いドレスの胸元に咲いた鮮やかな大輪に真っ赤なハイヒールの赤三本立て!
 松尾さんはいつも変わらぬ優しい笑顔でお客さんを迎えてくれました。ベースの嶌田さんは(声が裏返ってしまうほど)ノリノリでした。
 
 今夜のLIVEは、注文したバーボンのオン・ザ・ロックのように喉からすーっと沁みていきました。まだ胸のつかえが取れないせいか、(心に響くと言うのとは少し違う、でも腹式呼吸と同じくらい重要だと思う)腹で音楽を聴きました。
 5月25日に復刻発売される 1st&2nd アルバムを彼女自身が改めて聴いて感じたことや、このような状況でLIVEができることに対する想いが込められていて、スタート地点に立ち戻って積み上げてきた気持ちを検証するような選曲(久しぶりに歌う曲が多かったと言ってました)と構成で、全3ステージ歌い切りました。
 胸のつかえが取れないのは彼女も同じだったと思います。この日の彼女は、自分自身にも聴かせるように歌っていたような気がしました。松尾さんの超絶ドラムソロも聴けたし(汗をかいたのは久しぶりと照れてました)、三木(P)さんと嶌田(B)さんの踊るようなやりとりも楽しかったです。良いLIVEでした。

 今夜は、私の大好きなスタンダードの名曲ジョージ&アイラ・ガーシュインの「Our love is here to stay」を歌ってくれたのですが、となればもう一曲、このコンビの「誰にも奪えぬこの想い」も聴きたくなりました。自分は、フレッド・アステアのミュージカル映画でこれらの曲を知るようになった程度のジャズ・ファンなので、「誰のがいい」などのウンチクは全く言えないけれど、思い切って松尾さんにリクエストしてみようかな?
(松尾さんによれば、「岸壁の母」は無理だけど「泳げたいやきくん」まではやれるらしい)
 ニューアルバムの選曲が佳境に入ったMAYAさん、寺島靖国さんも1stステージから仁王立ち?で見守っていましたが、今度はジャズ色がかなり強くなるのでしょうか? その一方で、私からも寺島さんにお願いします。次の次ぐらいでいいけれど、MAYAさんにボサノヴァのアルバムを出させてあげて~♪

 土曜日は『ランナウェイズ』と『台北の朝、僕は恋をする』を観て、胸のつかえも完全に取れました。きっとそうなると思ったけれど『ヒアアフター』の公開中止や、全く関係ない筈の『原爆を視る』展の中止など、嫌な感じの自粛ムードが広がっています。「原発」の問題にしても、祈るだけでなく正面から見つめて、今後どうするのか態度を決める必要があるのでは? 非難を恐れて記事をさっさと削除してしまったけれど、今後は、自由にモノを言えない空気に呑まれないよう心がけます。


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