『ゲゲゲの女房』、舞台を調布に移して早くも二週が過ぎました。新婚生活もかなり落ち着いてきて、いよいよ良い感じで物語が進んでいますね。
場合によっては日に三回も見てしまう『ゲゲゲの女房』だけれど、第4週の最終日だけがどういうわけか、未見のままほったらかしになっていました。ようやく見たので、急いで第4週の感想を綴ります。
村井のだらず父さんの「屁」の講釈で笑った後に、飯田のだらず親父の安来節でしこたま泣かされ、結婚式が無事終わりました(茂は飲めないお酒を勧められるまま杯を重ねてつぶれてしまいましたが)。視聴者のニワトリさんは、あれよあれよという展開を泣き笑いしながら見ていればいいけれど、見合いからたった五日間で嫁入りした布美枝さんの心中を慮ると、第三者なのに重苦しい気持ちになってしまい、布美枝さんになったかのごとく、漠然としたしかしかなりの不安を感じながら村井家での一夜を過ごしたのですが、酔いから覚めた茂と狐の声に耳をすますシーンで少し救われました。この夜のことは生涯忘れられないと思いますが、十年後二十年後には懐かしい思い出になってくれることを信じて・・・。
東京への旅立ちは、故郷から一歩も出たことがない彼女にとって、確かに「新婚旅行」代わりになったかもしれませんが、勝手知ったところに帰ってくるわけではなく、一緒に旅行する相手も初対面に等しいのだから、「新婚旅行」のように楽しむわけにはいかなかった筈。会話も弾まずぎくしゃくしていたところに、得体のしれない友人(と称する人物)に乱入されて本当にお気の毒でした。
姉が手配してくれたタクシーで東京観光を楽しんだのも束の間、同じ東京でも自分たちの住む調布が牛!(可愛かった)がとうせんぼをするド田舎で、出窓のあるマイホームも貧相なボロ家とわかった時点で彼女の不安はピークに達したことでしょう。なのに、新妻の気持ちを斟酌せずに、見合い(結婚)のために一週間帰省したことを「致命的」と言って、部屋にこもって仕事に取りかかった夫には、失望するというか「間違った人と一緒になってしまったのではないか?」とまで思いつめても仕方のないところだったのですが、布美枝さんは芯から強い人だし(ここで、一、二週目のエピソードを思い出す)、茂のあけすけな言い方には嫌味が全くなくて、何事にも動じない飄々とした明るさをいつも持っている人物なので、それほど深刻にはならなかったのかもしれません(今だったら、即「実家に帰らせてもらいます」だったりして・・・)。
多少の重苦しさも、来週以降の展開(といっても、もう見てしまって「安心」しているわけですが・・・)に期待しましょう!
「生きる力がどれくらい強いかは、食い方を見ればわかる」と、布美枝の父が茂のことを看破していましたが、第6週になって初めて茂の戦争体験が少しだけ明らかになりました。
茂さんは、最悪の戦場の一つだった(本来最悪は一つしかないはずだが、この戦争ではそればかりがあった)ニューギニア戦線に送られ、腕を負傷する以前も、普通だったら何度も死んでいるところを奇蹟的に切り抜け、マラリアの高熱や腕の負傷で生死の境を彷徨った上で帰還されました。満足な薬も消毒薬もなかったために、切断された腕の傷口からウジがわき、頭髪が抜け骨と皮になるほど衰弱しながら食欲だけは衰えず、空腹を訴え一食も欠かさなかったそうです。死んでいると思われて担架で運び出されそうになったときは、さすがの茂さんも、もう駄目かと観念したそうです。
正しく「食べる力は生きる力」で生き抜いた水木さん。後方のナマレに送られてからは何度も禁を犯して(最初は営倉に入れようかと相談していた上官たちも、そのうち見て見ぬ振りをするようになったとか・・・)現地の村人と交流するようになり、戦場のすぐ隣で戦争とは一切関係ない暮らしをしている彼らと接しているうちに、「生きる」ことの楽しさを感じ、「これから先は楽しく生きれば良い。それが善だ」と思うようになったそうです(以上、梯久美子さんとのインタビューから抜粋)。
苛酷さで比較にはならないけれど、ゴーギャンがタヒチに感銘したのと同じカルチャーショックを受けたのかもしれません。テレビでおなじみだった「鬼太郎」の背景に苛酷な戦争体験があったことを知ったのは、つい最近のことです。
話は全然変わりますが、茂を演じている向井さん、『のだめカンタービレ』にも出演されていました。プレイボーイのチェリスト菊池役で! 自分の古い記事を読むと、たまたま黒木くんと並んで写ってました。福士さんより背が高かったから、180cmを超えてる? 茂と布美枝は人も羨む美男美女のカップルだけれど、嫌味がなくて好感度も高い! 6週目の今では、実に似合いのカップル(だんだん夫婦らしくなってきましたが、そのあたりの演出と演技もうまいものです)になってきました・・・。 これを書いたら出かけます~♪ すみません、コメントは後ほど!