りゅーとライフ

(MiddleTown Dreams)「りゅーとぴあ」と「ビッグスワン」をフランチャイズに新潟生活を楽しんでいます。

ラ・フォル・ジュルネ新潟2013雑感。子育て世代にコンサートの楽しみを…。

2013-04-29 21:11:47 | コンサート

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 GW前半最終日、ラ・フォル・ジュルネ新潟2013の余韻に浸る。

 ラ・フォル・ジュルネ…と言うと、いつも話題になるのが、小さい子供さんの入場の是非。

 正直、ガサゴソうるさい高齢者よりもよっぽどお行儀の良いお子さんもおられるので、杓子定規にあんまり厳しいことを言いたくはないのだが、実際、幼児の声が響いていたコンサートもあったし、お母さん、お父さんが子供を抱えて途中退席…というシーンも結構お見受けした。(やはり、そういったコンサートは大ホールが多かった。しかし、小さいお子さんを連れてコンサート…というのは凄い度胸だと思う。小心者の私には絶対無理…。)

 
 ラ・フォル・ジュルネでは3歳児以上入場可というコンサートが主流な訳だし、小学生以下は500円引き…と、主催者側も小さいお子さんの入場を奨励している様なのだが、本音を言わせていただければ、いかに聴きやすいモーツァルトとは言え、小さい子供に45分間静かに聴いていなさい…というのはやはり無理があると思うのだ。

 ぶっちゃけ言わせてもらうが、こちらの方も迷惑だし、連れてきている親御さんも、積極的に子供を連れてきている訳ではないのではないだろうか。

 やはり、ここは、思い切って小学生以下は入場不可、そのかわり、託児室を拡充、チケットを購入したコンサートの間はお子さんを無料で預りますので、お父さん、お母さん、コンサートを十二分に楽しんで来てください…と割り切った方が良いのではないだろうか…と愚考する次第。

 普段のクラシック・コンサートでは見るのは高齢者ばかり…という一因は、子供がいるので、子育て世代の30、40代が、なかなかコンサートホールに足を運べない…という現実もあるかと思う。東京では対応が難しいと思うが、地方都市の新潟あたりなら、ちょっと力を入れれば、対応できる問題のハズ。

 普段のコンサートはともかく、ラ・フォル・ジュルネについては、無料託児所を開設するなど、主催者側には一考願いたい…と思った次第である。


凄っげ…、圧倒的凝縮感。小黒亜紀ピアノリサイタル 

2013-04-29 06:14:33 | コンサート

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 ラ・フォル・ジュルネを聴いて、古町のレストランで食事とワインを楽しんだ後、家族と別れ、今日の本命、だいしホールで開かれた小黒亜紀ピアノリサイタルへと足を運ぶ。

 小黒亜紀さんは新潟市出身、新潟中央高校音楽科を卒業された後、東京音楽大学に進学、新潟県音楽コンクールで大賞を受賞…などの経歴をお持ちで、新潟ピアノ界の若きエースとの呼び声高いお方。

 私は恥ずかしながら、先月行われたコンチェルトさんのインストアライブで初めてお聴きし、その超絶技巧に驚愕、これは本リサイタル絶対聴かねばならんな…と言う感じだったのだが、なんとか都合がつき(午前中、家族のご機嫌を取って、「じゃ、あとはよろしく…。」って感じ。)当日券購入で本リサイタルに臨んだ次第。

 ピアノ:小黒亜紀

 D.スカルラッティ ソナタ L.23、L336、L375
 L.ベートーヴェン ピアノ・ソナタ「へ短調」Op.57 第23番「熱情」
 J.S バッハ  シャコンヌ   (ブゾーニ編曲)

 F .ショパン 24の前奏曲  Op.28

 本リサイタル、ごらんのとおり超重量級プログラムで、「本当にこんなの全部やっちゃうの?最後までテンション続くかなぁ…。」と思ったのだが、そんなのは素人の杞憂、小黒さんは最後まで緊張感溢れる演奏をベーセンドルファーで聴かせてくれた。

 チラシのとおり小黒さん、ルックス的には笑顔が素敵なキュートで上品な方…という感じなのだが、演奏の方は本当にダイナミック。そのテクニックとともに、ルックスと演奏の乖離振りは「新潟のメジューエワ」と言った感じ。

 小黒さんの演奏を聴かれた方は、誰しもその凄まじいテクニックとダイナミックな演奏に圧倒されると思うのだが、個人的に「これは凄いな…。」と思ったのは、彼女独特のリズム感。飛び跳ねるようなリズム感はちょっと他では聴けないもので、ショパンの前奏曲、特に後半などは、その彼女の個性が遺憾なく発揮された演奏になっていたと思う。

 全体を通して、本リサイタルにかける気迫、時間を掛けて曲を仕上げてきたのは素人の耳でも分かったし、それが見事に結実したリサイタルだったのではないだろうか。

 個人的に、今日のベストだと思ったのはアンコールに演奏されたカプースチンの8つのコンサートエチュードの終曲(だったですよね)。これが「ちょっと、他の人には真似できないな…。」と言った感じのぶっ飛びの演奏で、呆然のうちに終演となった。(昨日の小曽根さんのカデンツァ並の衝撃)。 

 …と、ここまで読まれた方は「地元出身だからって、持ち上げすぎなんじゃないの?」と思われた方もいるかも知れないが、本当に凄いのだ小黒さん。機会を見つけて是非、彼女のピアノを聴いて欲しいと思う。

 まだお若い小黒さん、今後、さらにスケールの大きなピアノを聴かせてくれるのは間違いないところ。このような方の成長の過程を間近で見ることができる…というのはなんと素晴らしいことだろう。(私の場合、ちょっと出遅れてしまったのが残念だけど。) 

 ラ・フォル・ジュルネとバッティングしながら、8割位席が埋まっていたのは幸いだったが、これだけの演奏、もっと多くの方に聴いていただきたい…と願わずにはいられない。

  次のリサイタルが今から楽しみ。小黒さん、それに関係者の皆さま、ありがとうございました。