今月のロッキン・オンの特集は「ピンク・フロイド 狂気から40年。今、その全史を刻む。」とあるように、今年は「狂気」リリースから40周年な訳だが、この1973年というのはフロイドの「狂気」だけでなく、ブリティッシュ・ロックの傑作アルバムが次々にリリースされた、まさにアタリ年、ワインで言うと「ビンテージ・イヤー」という感じ。
特に俗にプログレッシヴ・ロックのフィールドでは本当に傑作アルバムだらけなのに改めて驚かされる。
いわゆる5大バンドではフロイドの「狂気」を始め、クリムゾンの「太陽と戦慄」、ELPの「恐怖の頭脳改革」、ジェネシスの「月影の騎士」、それにイエスの「イエス・ソングス」(と「海洋地形学の物語」これは除外かな?)という傑作アルバムが集中しているし、ヴァージン・レーベル第1弾アルバムであるマイク・オールドフィールドの「チューブラー・ベルズ」も73年のリリース。
73年をピークとしてプログレッシヴ・ロックは行き詰まり、その後、一気にマイナー・ミュージックへと転げ落ちていく訳だが、60年代末から70年代初期にかけて、凄まじい勢いでブリティッシュ・ロックが進化していった時期を生で体験できた人は本当に幸せだったんじゃないかな…と思ってしまう。(あと10年、否、あと5年早く生まれてきたかった…って感じ。)
まぁ、そんなことを言っても詮無いこと。我々としては、その当時のマスター・ピースが、最新技術でリマスターされ、超高品質なサウンドで楽しめる…ということをありがたく思わなければならないのかもしれない。
今日は週末金曜日、ワインでも飲みながら、73年に発表された傑作たちを聴いて、長い夜を過ごしたい…と思う次第である。