電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

ジャッキー作品もうひとネタ

2006-09-17 00:15:41 | Weblog
『ファースト・ミッション』の話は終わりましたが、実は私が仕事で関わりかけて、結局なくなった話がありました。それはビデオメーカーのSPOという会社で働いていた時の話です。『ゴッドギャンブラー』のビデオを出すことになり、元所属の松竹富士と仕事をすることになったのですが、もう一本ビデオで出すにはどうだろうかと、とりあえず選定試写を見てくださいと言われて松竹の試写室で観た作品がありました。時は暮れも迫る12月の始めのことです。題名は『火焼島』という作品でした。はい、皆さんご存知の『炎の大捜査線』です。この作品の話を松竹富士に持ってきていたのは、『ファースト・ミッション』でも関わっていたオリエンタル・シネ・サービスでした。とにかく香港の有名スターがたくさん出ている作品なのですが、ジャッキー・チェンの作品にしては少し物足りない。それに上映時間が2時間超えていました。試写を見終わった後、社長と何本だったらうちで売れるかという話をして、年末には松竹富士にビデオを出す方向で考えるという返答をしたのでした。
そしてその年が終わり、お正月ぼけも覚めやらぬ、仕事始め早々のこと。社長からこうゆう話を聞いたのです。「あの映画、ヘラルドが買ってた。」なんと、正月を挟んで、ヘラルドに出入りしているある会社がその権利をかっさらっていたのでした。大変なのは松竹富士です。年末ではもう買ったつもりでいたので、新年のラインナップに『火焼島』を入れていたのでした。私的にはびっくりする話でしたが、もし、松竹富士が買っていたとしたら、もしかすると長いバージョンか、松竹富士ではさみを入れたバージョンを公開していたかもしれません。なぜならば、観たプリントは台湾版であり、この映画の売買の話はあのお方からの話だったと思われるからです。

ファースト・ミッションその20(最終話)

2006-09-15 22:50:58 | Weblog
ジャッキー・チェン主演の『ファースト・ミッション』は、日本では9月公開、そして香港では10月に公開されました。この逆転現象こそ、この作品が日本ありきで作られた作品であることを、皆さんはわかったと思います。実は、この作品、香港でGHで公開するにあたり、かなりもめたという話も耳に入っていたのですが、ここらへんあたりも日本で関わった人たちに話を聞いておきたいと思っています。
ところで、大けがをしたジャッキーでしたが、わずか1ヶ月あまりで回復するという、驚異的な回復力で復帰しました。そして日本の地方ファンのツアーをクリスマスに向けて、札幌、名古屋、別府で行ったのですが、私の実家が大分だったので、帰省がてらその会場に差し入れに行きました。でも、その時は会うことはできませんでした。
エミリー・チュウはその後、新宿で行われた香港エンタテインメント映画祭のオープニングゲストで来日した時、劇場の控え室で再会しました。ほんのちょっとの時間でしたが、でも覚えていてくれていて、それが個人的にはすごくうれしかったことを覚えています。
時は過ぎ、21世紀となった今、この『ファースト・ミッション』はDVD化されていない状況です。いつか、この作品がDVD化する時は、ぜひ監修を手がけたい気持ちでいっぱいです。なぜならば、今だにいろいろな資料や写真、映像が手元に残っているからです。
この作品の権利買った会社は、ぜひご連絡を(笑)。
これをもって『ファースト・ミッション』のお話は終了です。

ファースト・ミッションその19

2006-09-14 20:47:27 | Weblog
松竹の邦画番線に組み入れられた『ファースト・ミッション』ですが、これは当時、松竹の番組自体、なかなかヒットがなかったために、松竹富士の製作作品だった早見優主演の『キッズ』との2本立てで公開されることになってました。『キッズ』の方が私にとっては担当作品だったのですが、『ファースト・ミッション』担当となったので、個人的にはやれやれでしたが、しかし、プロデューサーの奥山さん(当時の松竹副社長の奥山融氏の息子)にそのことを伝えていなかったので、『キッズ』のエンドクレジットの宣伝担当のところに私の名前がクレジットされてしまい、後ですごく怒られたのでした。
いよいよ公開初日です。私は新宿松竹の担当として劇場に向いました。場内はほぼ満席でまあまあのスタートでしたが、やはり2本立ということもあり、上映回によっては入りの良し悪しがはっきりしていました。もちろんお客さんは『ファースト・ミッション』目当ての観客が多かったように思われます。最終的には全国興行収入7億円という数字で、松竹初のジャッキー作品としては物足りないものでした。やはり、東宝東和や東映で公開されたジャッキー作品に比べると、アクションの派手さが足りなかったのかもしれません。
ところが、公開されてからファンクラブのある四谷の事務所に行った時に、こうゆう話を聞いたのです。「ファンクラブの入会が増えているんですよ。」それはなぜか?それまでのジャッキー作品はアクションと笑いが中心の作品が多かったのですが、この『ファースト・ミッション』は兄弟愛あり、ジャッキーが刑務所に入れられるシーンあり、そしてラブシーンまであるといった、それまでのジャッキー映画とは雰囲気が違った作品だからでした。これこそ作品のキャッチコピーの「こんなジャッキー見たことない!」というフレーズが当てはまるほど、女性のハートを掴んだのでした。でも、いろいろと内情のある作品だったために、このことは外に言わないでほしいとファンクラブからは言われたのでした。
私にとって1985年の長い夏は終わりました。

ファースト・ミッションその18

2006-09-13 00:02:06 | Weblog
ジャッキー・チェンが離日した翌日、エミリー・チュウが1日遅れで香港に帰ることになりました。キャンペーンで彼女にちょっとホの字になっていた私ですが、残念ながら仕事があって見送りに行くことができませんでした。言葉はできないけど、思い切ってホテルに電話して、エミリーと話しました。でも、自分がたどたどしい英語だったので、何を話したのか、今思い出そうとしても思い出せないくらい、あがっていました。唯一覚えているのは、写真をGHに送るということでした。彼女が帰った後、社内ではずっとエミリーのことで冷やかされていました。それだけ、私がエミリーに舞い上がっていたことが気づかれていたのでした。
自分にとって初の本格的なキャンペーンで、しかも不眠不休で食事もとらない状況だったので、たった4日間にもかかわらず、体重は4Kgも減っていました。
さて、ほっとしたのもつかの間、大変な情報が入ってきました。新作撮影のためにユーゴスラビアへ向ったジャッキーが、撮影中に事故って大けがをしたというのです。皆さんもご存知の『サンダーアーム』の落下事故です。このニュースを聞いた時、私はこう思いました。「キャンペーン中、朝方まで遊んで飲んでいたので、きっとその反動がきたんだ。」と。翌日、休みだったのにも関わらず、新宿松竹に行った私は、場内アナウンスで、このけがのニュースをアナウンスしたのでした。もちろん公開前だったので、それは前売り促進のためにアナウンスしたようなものでしたが。今、思うと何やってたんだろうと思うのですが、思ったほど前売り券が売れていなかったあせりがあったのかも知れません。
初日まであと1週間が迫っていました。

ファースト・ミッションその17

2006-09-11 14:15:39 | Weblog
ジャッキー・チェンのアテンドに最後まで付いていた私ですが、4日間ほんとうにまともな食事を取る時間もないくらい、忙しかったことを思い出します。
文化放送の出演や、フジテレビ『夕焼けニャンニャン』に生出演して、スタジオでおニャン子の面々が大騒ぎしていたのを思い出します。(おニャン子の中でも工藤静香はジャッキーの大ファンで、90年代に入ってマカオでジャッキーが主催していたカーレースの芸能人レースにも出場している)そして、銀座のガスホールで行われたファンの集いも場内満員ですごい熱気でした。(この時、司会進行の手伝いをしていただいたのが、現・JCのパーソナルマネージャーとなっている矢萩さん。JCのファンの集いでもいまだ司会を担当しているので、ファンクラブの面々にはおなじみですね)
取材が終わるとJCの面々は夜、日本の親しい面々と食事会、飲み会に行きました。前にもお伝えしたことがあると思いますが、日本の五福星と言われていた東宝東和の飯田さん、当時のファンクラブのツアーを仕切っていた旅行会社代表の北田さん、日本のレコード会社のディレクターの松林さん、集英社の牧野さん、そして「ロードショー」でジャッキーの写真を担当していたカメラマンの内山さんが、来日した時のジャッキーの面倒を見ていたのでした。ディスコを貸しきったり、来日スターが必ず行っていた田舎屋で食事したり、そしてホテルに戻ると朝方まで皆、ジャッキーの部屋で飲んでいました。
あっという間にキャンペーンが終わりました。ジャッキーは新作の撮影があったために、ユーゴスラビア行きの飛行機に乗らなければ行けません。私は成田まで見送りに行きました。そこでうれしかったことは、彼が私の仕事をねぎらうかのように、しっかり抱きしめてくれて「ありがとう」と言ってくれたことでした。そして私が着ていたファースト・ミッションのポロシャツの背中にサインをしてくれたことでした。そして笑顔でお別れをしたのでした。
でも、そこで元気だったジャッキーが、24時間後にあんな事故にあうなんて、そのときは誰も予想できなかったのでした。

レスリー・チャン生誕記念映画祭in大阪

2006-09-10 22:54:00 | Weblog
本日日曜は大阪に行っておりました。前にもお知らせしましたが、大阪の九条にあるシネヌーヴォという劇場で、現在、レスリー・チャンの生誕50周年を記念したイベント上映を行っているのですが、このイベントを企画したレスリーのファンサイトfor leslie loversの方からラブコールを受けて、今回、大阪へおじゃましてトークをやってきた次第でした。
東京では、香港映画の宣伝ついでに初日にトークをしたり司会をしたりと、それなりには香港映画ファンの前でお話をしていたのですが、関西ではそういった機会がなく、今回、大阪初登場でした。個人的にも実に12年ぶりの大阪です。はたしてお客さんが楽しんでくれるのか、かなりドキドキものでした。
10時半ぐらいに劇場に到着したら、すでに満員ということで、劇場の支配人やスタッフが補助席を出すなどして、対応に追われていました。シネヌーヴォは市民が参加して運営されている映画館ということで、その手作り感のあるロビーや場内は映画好きにはすごく親近感がわく劇場です。(ちょっと自分の学生時代の名画座を思い出しました)
朝11時から約1時間ほどでしたが、『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』でのレスリーの話など、いろいろ話していたら、あっという間に時間が経ってしまいましたが、場内満員のお客さんから暖かい拍手をいただいたので、ひじょうにほっといたしました。
今回、for leslie loversのスタッフの面々ともいろいろお話させていただいたのですが、すごくうれしかったのは、レスリーだけではなく、いろんな香港映画やアジア圏の映画も見ていて、映画を好きでいてくれているということでした。今は韓国映画に押され気味の中華圏ですが、こういった熱意ある人たちがいてくれるから、宣伝している立場としてはがんばらなきゃと思ったりもするのです。
またそういった人たちの熱意を受けて、こちら側も香港映画を盛り上げられる何かをしなきゃいけないと思った大阪遠征でした。

イースタン・コンドル

2006-09-09 12:12:11 | Weblog
昨晩はまだ封を開けていないDVDの中から『イースタン・コンドル』を見ました。この作品は、十数年前にポニーキャニオンが主催した香港エンタテインメント映画祭で上映され、その時にえらく気に入った作品の1本でした。香港映画で戦争アクションというのも驚かされましたが、サモ・ハン・キンポー渾身の1本という感じが伝わった作品でもあったのです。
ベトナム戦争でアメリカが作った秘密基地の武器を破壊するために、アメリカの刑務所に収容されているアジア系囚人に、釈放を条件に任務を遂行させるというのがおおまかなストーリーですが、合流したゲリラにスパイがいたり、行く先々で仲間を失っていったりと、なかなか練った内容になっています。
キャストは、サモ・ハン以外に、ユン・ピョウ、ラム・チェンイン、チャールズ・チン、ビリー・チョウ、ユン・ワー、コーリー・ユン、シャオ・ホウ、ユエン・ウーピン、ジョイス・コウ、ウー・マ、倉田保昭、そして『キリングフィールド』でアカデミー助演男優賞を受賞したハイン.S.ニョールと、これまたすごい顔ぶれです。
この頃は、出演している俳優たちも油の乗った時期とも言え、特にユン・ピョウの蹴り技アクションは見所十分。また、最近『カンフーハッスル』で再注目されたユン・ワーが、もともとこの作品で演じた敵役の弱そうに見えて、実はめちゃくちゃ強い北ベトナムの司令官役で俳優として化けた作品でもあります。
たぶんタイでのオールロケーションだと思いますが、スケール感も抜群で、こうゆう映画を香港が作ったということだけでも、当時の香港映画の勢いを垣間見れる作品とも言えるでしょう。ただ、残念なことに、香港でのこの作品の興行はあまり良くなく、これを境にサモ・ハン自体、苦境に陥っていったのでした。
香港映画で戦争アクションというのは数少ないのですが、意外と傑作が多く、この作品とジョン・ウー監督の『ソルジャードッグス』『ワイルドブリット』の3本はお奨めです。

※今日はこれから大阪へ行きます。明日の10日日曜、レスリー・チャン生誕映画祭でトークいたしますので、関西の方、お時間あればぜひお越しください。

明9日公開のアジア作品

2006-09-08 14:22:55 | Weblog
明日9月9日(土)公開のアジア作品情報です。

『靴に恋する人魚』台湾作品
監督:ロビン・リー 出演:ビビアン・スー、ダンカン・チョウ
美しい靴を見るとついつい買ってしまう女性が、歯医者を営む素敵な男性と結婚するが、ある日の事故で不幸が訪れてしまう。台湾版「アメリ」とも言いたくなるような、シュールでかわいくておしゃれなラブストーリー。昨年の東京国際映画祭で観ましたが、こんな映画が作れるなんてと、びっくりしてしまったぐらいお奨めの作品です。アンディ・ラウが若手作家育成のために出資したプロジェクトの1本ですが、低予算ながら、こんな素敵な作品を作った女流監督のロビン・リー(美人です)の今後に大期待!靴が大好きなヒロインを演じたビビアン・スーもぴったりの役柄です。ロマンティックな気持ちになりたい方やデートムービーとしてもお奨めできる作品です。(もしかすると今年公開されたアジア作品でベスト3に入るかも)初日には、ダンカン・チョウが舞台挨拶をするようです。※詳しくは劇場へ
東京:新宿武蔵野館にてロードショー


『四月の雪 ディレクターズ・カット完全版』韓国作品
監督:ホ・ジノ 出演:ぺ・ヨンジュン、ソン・イェジン
昨年公開された内容に約30分を加えて再編集したディレクターカット版。7月に前売り券が発売されたときは劇場の記録を作ったことで話題になりましたが、昨日は初日の席引き換えで朝7時には200人も列を作ったという記事が出ておりました。本編上映前にはヨン様のコメント映像が流れるそうです。
東京:TOHOシネマズ六本木にてロードショー

『弓』韓国作品
監督:キム・ギドク 出演:チョン・ソンファン、ハン・ヨルム
世界的に高い評価を受ける韓国の鬼才キム・ギドクが、海に浮かぶ船の上で2人きりの生活を営む老人と少女との愛の絆を描いているが、この二人だけが全編においてセリフがないという作品。神秘的な美しさを持つ少女を演じているのは、『サマリア』で注目を浴びたハン・ヨルム。
東京:渋谷ル・シネマにてロードショー

『スーパースター★カム・サヨン』韓国作品
監督:キム・ジョンヒョン 出演:イ・ボムス、リュ・スンス
黎明期の韓国プロ野球界の中でも弱小球団で活躍した実在の選手、カム・サヨンをモデルにした感動作品。何事にも不器用だけど野球を愛する主人公が、プロ野球界一弱い球団にピッチャーとして入団し、最強チームを相手にすばらしい試合を展開していく感動作品。
主演のイ・ボムスの舞台挨拶があるそうです。※詳しくは劇場まで
東京:シネマート六本木にてロードショー

リンダ、リンダ、リンダ

2006-09-07 01:09:28 | Weblog
近所のTSUTAYAがレンタル半額をやっていたので、買いだめしているDVDがいっぱいあるにもかかわらず、ついつい借りてしまいました。その中で前から気になっていてなかなか借りなかった『リンダ、リンダ、リンダ』を真夜中に鑑賞しました。
私も学生の頃は音楽をやっていて、ガールズバンドのファンだったので(スージー・クアトロ、ランナウェイズ、バングルズ、ゴーゴーズなど)、かなり気になっていた作品でしたが、劇場では見れずじまいだったので、やっと見ることができた作品です。
ストーリーは、メンバーの怪我と喧嘩で崩壊しかかっているバンドが、エントリーしていた学園祭の最終日の舞台に出るために、韓国交換留学生を急遽ボーカルに誘って、演奏する「リンダ、リンダ、リンダ」を3日間で完成させるという内容です。で、映画は個人的には満足いく内容だったので、ここ最近のいちばんのお気に入りになっているのですが、韓国交換留学生役を演じているぺ・ドゥナに、めちゃはまってしまいました。普段から韓国映画を積極的に見る人ではないので、気にしていなかったのですが、この作品のぺ・ドゥナ、演技がかなりいいし、すごく魅力的な女優です。特にクライマックスで「リンダ、リンダ、リンダ」を歌う彼女は最高です!
で、私は決めました。これから日本で発売されている彼女の作品、全部見るぞ~。ちなみにこの借りたDVDに入っていた新作映画の予告編の『春の日の熊は好きですか?』が気になっている今日この頃です。
(※噂では、長沢まさみとぺ・ドゥナにハマっている映画オタクおじんがかなりいるそうな。私もその仲間入りかも)

ファースト・ミッションその16

2006-09-06 00:13:03 | Weblog
『ファースト・ミッション』のキャンペーンが、初の本格的なアテンドだったために、4日間、もう飲まず食わずの仕事でした。ジャッキーもエミリーも基本はホテルでのインタビューでしたが、ジャッキーは移動して、文化放送での生出演や当時日本の所属レコード会社のワーナーパイオニアのスタジオでレコーディングをしたりと、あっちいったりこっち行ったりと、なんだかよくわからないまま、アテンドを続けていました。この時に初めてお会いしたのが、のちに私の香港映画における師匠となった東宝東和の飯田さんでした。
さて、エミリーはというと、「週刊朝日」で水着を着た写真を撮ったり、「BEPPIN」での水着グラビア撮影と、水着撮影がすごく多かった印象がありましたが、それでも彼女は一生懸命、仕事をこなしていました。実はこれまでいろんな俳優さんに会いましたが、心底好きになっちゃった女優さんって、エミリー・チュウが最初で最後ではなかったかと思います。というのが、彼女、すごく苦労していて、両親は事故で亡くしていて、弟さんの面倒を見るために、モデルになったという経歴がありました。だからかもしれませんが、他人に対してすごく優しく、気を使ってくれる人でした。私は片言の英語でなんとかコミュニケーションとろうとしたのですが、いかんせんこちらのボキャブラリーが足りないので、なかなか長い会話になりません。そんな中、彼女の優しさにふれたある出来事がありました。ロビーをうろうろしていたら、ちょうど彼女が映画誌の撮影で近所の日比谷公園から帰ってきたところでした。その日はまだ外は暑くて、彼女は外で買ったコーラの紙コップを持っていました。私がそれを指差して、「今日は暑いね」と言ったら、エミリーは「すごく暑いね。これ、飲む?」といって、持っていたコーラの入った紙コップを私に渡してくれたのでした。この頃は女性にあんまり?免疫がなかったので、それだけでほ、ほ、ほのホの字になった私でした。(当時、この話を業界内のエミリー・ファンに話をすると、かなり怒られましたが・・・・)でも、この優しさがその後の彼女の女優人生を短くしたのかなあと思うのでした。(残念なことに彼女は今、上海で彼氏と住んでいるものの、未婚の母として暮らしているとジミー・ウォングから聞き、幸せに縁遠いのかなあとショックをうけてしまいました。)

ファースト・ミッションその15

2006-09-04 15:50:19 | Weblog
9月に入り、いよいよジャッキー・チェンの来日キャンペーンとなりました。今回はヒロイン役を務めているエミリー・チュウ(そのときまではエミリー・チェンとなぜか言っていました)も来日することになっていました。何せ、キャンペーンで自分がサブでない形で仕事をするのが初めてだったので、緊張の度合いが違います。おまけに前日からちょっと体調が良くなくて風邪を引きそうだったので、初めてユンケルを飲んでなんとか体調を持たせようとしていました。
成田空港への出迎えに行ったも初めてで、出口ゲートのところでずっと待っていました。ジャッキー一行はすぐにわかったのですが、エミリーは初めて見るので、本人を見つけられるかドキドキしながら待っていました。この時、とにかく彼女の写真を撮らなきゃと、カメラを構えて待っていたのですが、ゲートから出てきたエミリーを見て、シャッターを切るのを忘れてしまいました。いや、もう、はっきりいってその美しさは際立っており、その美しさに仕事を忘れてぼう然と立ちつくしていたのでした。
一行は宿泊先の帝国ホテルへ向いました。先に戻った私は、一行が入ってくるのを待っていたのですが、ここで大きな失敗をしてしまいました。私はジャッキーのアテンド兼ガード役だったのですが、ロビー裏入口から部屋まで行く道順を把握していなかったので、彼が着いた時に多くのファンに囲まれてしまい、どこをどう行っていいのかわからなくなってしまいました。結局、違う方向へ行ってしまい、その間にファンからはもみくちゃにされ、なんとか部屋へ案内したのはよかったのですが、腕時計を見たら、時計のガラスにヒビが入っていたのでした。
その日の夜は、松竹の奥山副社長(当時)が主催する食事会が用意されていました。出席者は総勢30人ほど。香港側は、ジャッキー、マネージャーのウイリー、そしてエミリー。ジャッキーの通訳は当時、TVBの日本駐在担当だったジョン・チャンさんと、エミリーの通訳は、最近、映画監督もしている王愛美さんでした。そして、もう一人、プロデューサーも出席しておりました。そう、ジミー・ウォングです。この食事会で見たジミーさんは忘れられませんでした。それは、中国の乾杯(飲み干してグラスの底を見せなければいけません)を、ジミーさんは一人で出席者全員ひとり一人とおこなったのでした。それもストレートのブランデーで。中国式の乾杯に、酒好きの上司も、さすがにもたんと言っておりました。

美味しい中華

2006-09-03 20:12:43 | Weblog
最近、子供の頃って家でどんなご飯食べてたんだろうって、ふっと考えることがあります。寿司とか中華料理とかって、食べに行った記憶は全然なくて、外で家族でご飯とかってなると、父親の友人が経営していたレストランで洋食とか、出前でラーメンとか、そんな遠い子供時代(1960年代終わりごろ)のことしか思い出せません。で、今は何をよく食べるかといえば、中華か回るお寿司かってとこなのですが、中華料理が好きになったのは、やはり初めて香港で食べた中華料理からだったと思います。
私にとって香港で一番の高級中華料理店といえば、福臨門酒家でしょう。日本にも何店舗かあり、銀座の店にはほんと~に余裕がある時にしか(それも昼間の飲茶ですが)行きませんが、これが本当にうまい!でも、夜はへたをすれば給料1ヶ月分くらいは平気で飛んじゃうことがあるので、宝くじが当たったときに行ってみようといつも言っていますが、いまだ実行できず(笑)です。
さて、香港の福臨門酒家もなかなか行けませんが、映画人のご用達のお店でもあります。そのご用達の映画人のなかでも、ツイ・ハーク夫妻がよく利用しているのですが、彼らが日本の福臨門酒家で食事をした際、香港と味が違うと香港に帰った際に本店にクレームを入れたという話を聞いたことがあります。それくらい味にうるさいツイ・ハーク夫妻に食事に招待されると、ほんと美味しいものにありつけて、結構味のお勉強になります。だからなのか、『金玉満堂~決戦!炎の料理人』をツイ・ハークが作ったのもわかるような気はします。
さて、ある冬のこと、香港でツイ・ハーク夫妻とあるお店で食事をすることになりました。もちろん、オーダーは奥さんのシー・ナンサンです。最初に運ばれてきたスープを、何も中身を聞かずに食べてみなさいといいます。見た所、変なものが入っているとは思えないし、ふかひれと何か鶏肉っぽいものがからんだトロミのあるそのスープを飲みましたが、これがなかなか美味しい。「美味しいですね。」と言ったと同時に、シーさんが私に、「それは蛇のスープだよ。」と教えてくれました。冬に身体が温まるし、滋養にもいいと言われる蛇ですが、そのものの形で入っているわけではなかったので、すんなり食べることができましたし、それ以後に出てくる料理も美味しいこと。これまで食べた料理の中でも印象に残るものでした。美味しい中華料理に出会うと、幸せな気分になれる、今日この頃です。

風邪引き

2006-09-02 20:09:33 | Weblog
昨日の朝から鼻水が出るなあと思ったら、夕方からくしゃみで、夜になると声がでなくなり、一気に風邪となってしまいました。なので本日は声が出ず。でも、さほど熱も出ず、終息に向かっている今です。足ツボマッサージを毎日かかさずやってから早六年。薬など飲まずに自然治癒でしのいでいる私です。さて、前に風邪を引いた時に香港でこんなことを聞きました。コーラの中に生姜とレモンを入れて温めたのを飲むと風邪に効く。なんかすごく不味そうですが、一度チャレンジしてみました。その結果は・・・炭酸の抜けたやけに甘いコーラの味に、生姜とレモンの味と匂いが混ざり合っていて、うぎゃ~、って感じでした。一度お試しあれ(笑)。風邪引きかけた時にその場をなんとかしのいだ経験としては、ユンケルの値段の高いのを飲むっていう手があります。これは『ファースト・ミッション』のキャンペーンの時に当時2500円ぐらいだったか、それで仕事をこなした経験がありました。でも終わった後にどーんときちゃいましたが。
飲み物といえば、香港の人ってお酒でも不思議な飲み方をします。ツイ・ハーク監督の奥さんのシー・ナンサンは、ビールをスプライトで割って飲んでいました。酒飲みの方、一度トライして感想お願いします。(私は酒飲まないので)

明日2日公開のアジア作品

2006-09-01 13:22:00 | Weblog
明日9月2日(土)公開のアジア作品です。

『グエムル漢江の怪物』韓国映画
監督:ポン・ジュノ 出演:ソン・ガンホ、ぺ・ドゥナ
韓国で今年、爆発的な大ヒットを記録している作品です。のどかな漢江で突然変異した巨大な化け物に娘をさらわれた一家が、政府の包囲網を潜り抜けながら、助けに向うという、怪獣映画と思いきや、社会批判や家族の絆などを描いた作品。マスコミ内でも評判が高く、要注目作です。
東京:有楽町スバル座ほかロードショー

『夢遊ハワイ』台湾映画
監督:シュー・フーチュン 出演:トニー・ヤン、ホアン・ホンセン
軍隊から脱走した同僚を探す二人の若者たちを描く青春ドラマ。
東京:新宿武蔵野館にてロードショー

『ヴィーラ踊るONE MORE NIGHT!』インド映画
監督:スレーシュ・クリシナ 出演:ラジニカーント、ニーナ
南インドの大スター、ライジニカーントの新作。レコード会社の令嬢と結婚したスター歌手のもとに、行方不明になっていた元カノが現れて大騒動となる、インド映画お得意のエンタテインメント作品。
東京:渋谷シアター・イメージフォーラムにてロードショー


※新作情報
秋にスカラ座で公開予定だった『ウインター・ソング』は、11月に有楽町スバル座での劇場公開に変更になったようです。