電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

東京国際映画祭あれこれ

2006-10-31 18:45:21 | Weblog
東京国際映画祭も終わりましたが、皆さんは何本の作品を鑑賞しましたか?観れた作品、チケットとれなかった作品、また終電時間とにらめっこしてあきらめた作品、皆さんいろいろあったと思います。
さて、上映された中で日本公開されるかもしれない作品について小耳に挟んだ情報ですが、『イザベラ』『父子』は興味を持っている会社があるようです。本日から各映画・ビデオ会社は、アメリカのロサンゼルスへ買い付けマーケットのために向っていますので、その間に商談が繰り広げられると思います。
それから『父子』は今回の映画祭で二つの賞を受賞しましたが、某審査をした人から聞いた話によると、審査員満場一致で決定したとのことです。それから、香港での公開において監督曰く「多少カットしたバージョンがメインだが、今回の映画祭と同じバージョンも1~2館で上映する」と語られていたとのこと。両バージョン観られるというのは、非常に面白い試みです。
日本でもどこかが買ってくれるよう、祈りましょう。

GHクンフー日本発売作品

2006-10-29 21:41:36 | Weblog
前に発表したゴールデンハーベスト社の70年代クンフー作品が、来年春からキングレコードで発売されることを書きましたが、もう少し詳しい情報を。
2007年4月より20本の作品が発売されます。そのタイトルは以下。
「片腕ドラゴン(デジタルリマスター)」「いれずみドラゴン」「冷面虎」「海員七號」「一夫當關」「戦神灘」「アンジェラ・マオの女活殺拳(デジタルリマスター)」「暗黒街のドラゴン/電撃ストーナー」「天龍八将」「鬼怒川」「鐵掌旋風腿」「テッコンドーが炸裂する時」「五雷轟頂」「中泰拳壇生死戦」「破壊(スコーピオン・ガール)」「密宗聖手」「金旋風」「刀不留人」「鐵拳小子」「カラテ愚連隊」
クンフー・ファンの方、今のうちに貯金をば。前にも書きましたが、最近はコアなDVD商品は最初の予約の数プラスアルファでしかプレスしないので、在庫なくなり次第終わりということが多くなっています。特に香港ものはその傾向が強いので情報に気をつけておいてくださいね。

キングレコードの担当には、発売前に上映会をしたほうがいいのではないか、という話もしているのですが、さてどうなるか。本当はショウ・ブラザースもあわせて「香港クンフー映画祭」とかができるといいんですけどね。

父子

2006-10-28 19:18:16 | Weblog
26日は仕事の合間をぬってシアターコクーンへGO!はい、パトリック・タム監督の最新作『父子』を観に行きました。なにしろ17年ぶりの新作です。4月の香港マーケットで製作発表記者会見があり、その時は主要キャストと監督が出席したのですが、アーロン・クォックが一人で10分近くしゃべっていたのが印象的でした。でも、アーロンがそれだけ興奮してしゃべったということは、タム監督の作品に出演するということが俳優にとっても名誉なことであり、このカリスマ的な監督の最新作は、香港のみならず各国の映画人に大きな注目をされている作品と言えるでしょう。
ストーリーは、アーロン・クォック演じる調理人で確かな腕がありながらもギャンブル好きなために家にもほとんどいなくて借金まみれのシン(アーロン・クォック)と、その尻拭いをして息子BOYを一人で育てているリン(チャーリー・ヤン)、この内縁関係の夫婦3人の家族の崩壊を描いています。長年の不満がたまり、愛する息子を置いてまでもシンから逃げて裕福なビジネスマンの元へ行ってしまうリン、そして残されたダメ男のシンと息子。シンは働いている料理店をクビになり、おまけに高利貸しから借金の取立てにあっていて、お金がないので息子のバス代も払えず、電気まで止められてしまいます。二人はそれらから逃げるように遠い場所の安ホテルに身を隠します。隣の部屋に滞在している女(ケリー・リン)と知り合ったシンは彼女と関係を結び、彼女とつるんで援交の口利きなどをするのですが、ピンはねがばれて彼女との関係も終わり、その上、高利貸しに居場所をしられてぼこぼこにされ、有り金全てを取られてしまいます。金に困ったシンは、息子を使って泥棒をさせようとしますが・・・・・
最近、日本映画など、俳優の顔は分かっていても、監督がどんな人?という作品が非常に多くて、作家性という言葉が失われつつあります。なぜこう言いたいかというと、監督の手腕によって、演じている俳優さんが素晴らしい演技を見せてくれることがあるからです。今回、出演している俳優たちは、タム監督の手腕によって素晴らしい演技をみせています。そして監督自らが脚本、美術、衣装、音楽設計、そして編集を手がけ、監督の中にあるこの作品の意図を見事に作り上げています。上映時間150分というのはちと長いと思いましたが、どこをどう切るの?というくらい、この作品の緻密さは素晴らしい。特に編集の完璧さには驚きました。
ティーチインで監督は、俳優たちの手で感情を表現した、と語りましたが、それだけではなく、空の色、川の流れ、天気、どのカットをとっても、意味を持つものとして表現されています。
作品を観ていて『欲望の翼』を思い出しました。なぜならばウォン・カーウァイ監督はパトリック・タム監督をリスペクトしているので、映像表現の似ている部分が多いからです。ただこのふたりの大きな違いは、カーウァイ作品は映像がきれいということだけしかなく、タム作品には奥深さがあるということです。今回、この『父子』で両監督の大きな違いを再認識したのは私だけではないと思います。
ここのところ、お気楽な作品ばかり観ていたので、久々にカラダに電流が走った作品でした。
香港でこの長尺版が公開されるかはわかりませんが、ぜひ皆さんには観てほしい作品であります。

明28日公開のアジア作品

2006-10-27 13:54:39 | Weblog
明日28日(土)から公開のアジア作品です。

『トンマッコルへようこそ』韓国映画
監督:パク・クァンヒョン 
出演:チョン・ジェヨン、カン・へギョン
韓国で800万人動員して大ヒットした作品。朝鮮戦争さなか、韓国軍、人民軍、連合軍、と敵対する兵士たちが、マイペースで生活するトンマッコルという村にさまよいこみ、そこで争うことのむなしさを知っていく、おとぎ話的ヒューマン・ドラマ。マスコミ評価も高い作品で、この秋観てみたい作品の1本です。
東京:シネ・リーブル池袋ほかロードショー

さて、東京国際映画祭も残り2日。昨日は仕事の合間に『父子』を観てきました。非常に素晴らしい作品でした。近日中にこの作品についてはご紹介いたします。

12月下旬~1月上旬のDVD発売作品

2006-10-26 11:20:48 | Weblog
2006年12月下旬~2007年1月上旬にかけてのアジア作品のDVD発売(セル)情報です。

■中国(香港・大陸)作品
12/22
『紅蜘蛛女』 監督:ン・マンチン 出演:坂上香織、トニー・ホー
『the EYE2』監督:パン・ブラザース 出演:スー・チー
「TIGERタイガー」監督:タン・ホンカン 出演:ルー・イー、ロイ・チョン
「恋する爆竹」DVD-BOX1監督:ウー・ズオンドー 出演:フー・ピン
「黒い太陽 南京」監督:ムー・トンフェイ
1/1
『6AM』監督:エイドリアン・クワン 出演:BOYS
■台湾
12/22
「恋人たちのハーブ館」DVD-BOX2
監督:リン・ツーチェン 出演:ダンカン・チョウ
『童年往時 時の流れ』監督:ホウ・シャオシエン、出演:遊安順
■韓国
12/19
「あの青い草原の下で」シーズン3DVD-BOX
監督:パク・チャノン 出演:チェ・スジョン、チェリム
12/20
「復活」DVD-BOX1
監督:パク・チャンホン他 出演:オム・テウン、ハン・ジミン
12/22
『僕の、世界の中心は、君だ』特別篇
監督:チョン・ユンス 出演:チャ・テヒョン、ソン・ヘギョ
「頑張れ!グムスン」監督:ヒョン・ナムソプ 出演:ぺ・ドゥナ
「危機の男」DVD-BOX 監督:イ・グァンヒ 出演:キム・ヨンチョル
「私の名前はキム・サムスン」VOL1~4
監督:キム・ヨンチョル 出演:キム・ソナ、ヒョンビン
「ハッピー・バースデー」DVD-BOX
監督:カン・ユンギョン 出演:カンタ、ユジン
「ハノイの花嫁」DVD-B0X
監督:パク・チョンニョル 出演:イ・ドンウク、キム・オクビン
「インビテーション」DVD-BOX2
監督:ユン・ソクホ 出演:イ・ヨンエ、キム・ミン
「ふたつの恋と砂時計」
監督:ユン・ジョンシク 出演:ハ・ジゥオン、ヨン・ジョウワン
「ホ・ジュン~宮廷医官への道~」BOX4
監督:イ・ビョンフン 出演:チョン・グアンリョル、イ・スンジエ
1/5
「高校教師 恋の教育実習」
監督:チェ・チョシン 出演:イ・ジワン、カン・ウンド
1/10
「アン・ジェウク ミスターグッドバイ」VOL3
監督:ファン・ウィギョン 出演:アン・ジェウク

それにしても、あいかわらず韓国が多いですが、特にテレビもの。毎度ながら、この数は半端ではないですね。個人的には「頑張れ!グムスン」です

放・逐

2006-10-25 01:44:40 | Weblog
映画祭の期間中なのですが、いろんな仕事が重なり、もう時間足りなくて困っている今週です。そんな中、月曜にキングレコードの担当に呼ばれ、『放・逐』の試写を見ました。香港も先週から公開されていますが、日本はこれからどうゆう風にしていくか、パートナー探しも含めての試写だったのですが、メディアアジアとジョニー・トー監督の意向で、フイルムではなく、ビデオでの試写でした。
予告編だとかで見るかぎりはすごく期待感があり、さて、今回はどんな内容を見せてくれるのか楽しみでした。で、観た感想は、こりゃもう傑作!というくらい、というか『ザ・ミッション』のテイスト好きな方にはたまらない、男のドラマを作り上げたというのが私の感想です。もちろん、『ザ・ミッション』の続編ではありません。返還前のマカオを舞台に、組織を裏切って逃亡生活を送るニック・チョンとジェシー・ホーの夫婦を、サイモン・ヤムのボスの命令で殺しに行くアンソニー・ウォンとラム・シュー、そして彼らを守るためにやってきたフランシス・ンとロイ・チョンの登場から始まります(とにかく皆かっちょいい~)。実はこの男5人とも子供時代からの仲間という設定。この最初のシーンから何が起こるのだろうと、これまでの作品とはまたひと味違う導入部です。ストーリーを語るとこれから観る人たちには面白くなくなるので書きませんが、今回はコインと空き缶が男たちの遊び心のポイントになっているのと、俯瞰で撮ったショットを多用しているのがミソ。そして建物内での銃撃シーンですが、よくもまあこうゆうアイディアがでるなあと感心します。出演者はジョニー・トー組のおなじみの面々ですが、ニック・チョンとリッチー・レンが出演しているのは、『ブレイキング・ニュース』からの流れなのかなあと思いますし、新たなるジョニー・トー常連俳優になるのではと思ってしまいました。それから今回はジェシー・ホーが出演しているのは、舞台がマカオだから、というところを深読みしたのですがさてどうなのか。
今度はフイルムと字幕入りでもう一度観たい、男心をくすぐる作品です。

予告編

2006-10-23 21:09:48 | Weblog
今日も朝からばたばたしていて、試写の立会いやもろもろで少々疲れぎみ。で、昨晩は今日キングレコードの担当と会うので、うちの資料庫にある『愛と復讐の挽歌』に関するパンフや写真を探していたら、あるビデオを見つけました。それは、私が松竹富士時代に担当していたのですが、美容室で予告ビデオを流すことをやっている会社があって、毎月、素材を渡していました。そのサンプルテープが10本ほど見つかったのです。そのテープはちょうど1985年の各映画会社の作品がライアップされているのですが、なんと『ファースト・ミッション』の特報と本予告が入っているビデオがその中にあったのでした。
さっそく観ましたが、懐かしいというか、とにかくすごい予告、というのが感想です。なぜならば、特報は動く映像がほとんどなくて、最初の取材現場の写真をベースに、内海賢二さんのナレーションで、「ジャッキ-・チェンを育てた、サモ・ハン・キンポーは~」という、これもまたすごい言葉のオンパレードなのです。そして撮影現場のジャッキ-の挨拶が決めの映像として入っているのですが、なんとバックにはテーブルにすわって照明チェックをしているウ-・マ、という、これまたレアなショットなのです。
そして本予告なのですが、これも観ていて思い出しましたが、たしか向こうから送られてきていたラッシュフイルムをベースに作っているのですが、なんと日本版予告はNGシーンでつながれて作られているしろものだったのです。レストランでジャッキ-とエミリーのナイフを使った台詞のシーンで、エミリーがやりとりに吹き出して笑っているシーンを使っているなんてびっくりでしょ?
まあ、とんでもない予告編だなあと、真夜中に観ていて笑ってしまいました。

そうそう、内海さんのナレーションは、東宝東和のジャッキ-映画の定番でしたね。

復讐者に憐れみを

2006-10-22 13:28:57 | Weblog
最近ぺ・ドゥナにはまっていますと以前ブログに書きましたが、昨晩は『復讐者に憐れみを』を真夜中に観ました。
DVDの入った容器の表に(18禁)というシールが貼られてあったので、それがすごく気になりながら真夜中の2時ごろから観始めました。
この作品は『オールドボーイ』のパク・チャヌク監督による<復讐3部作>の第1弾で、ソン・ガンホ、シン・ハギュン、ペ・ドゥナが主演。主人公の聾唖の青年には腎臓移植しなければいけない姉がいて、自分の腎臓を提供しようとしたら、実は姉との血液型が違っていた(つまり血がつながっていない)。その姉のために闇の臓器売買人に自分の腎臓と引き換えに姉と合う腎臓を得ようとするが、会社をリストラされて貰った退職金と自分の腎臓1個を取られたあげくにだまされ、その直後に病院からドナーが現れたと聞くも手術費がなく、共産主義の女友達(これがぺ・ドゥナ)に相談すると、彼をクビにした会社の社長の娘を誘拐して金を奪おうということになり・・・というストーリーが展開されていきます。
金を見事に奪ったところまではうまく成功したかにみえたのですが、そこから微妙なズレが生じいろいろな出来事が起きてすべてが悲劇にむかっていきます。そして金を奪われる社長がソン・ガンホなのですが、後半は彼の復讐劇となって話はすさまじい展開です。
ぺ・ドゥナも体当たりの演技をしていて、ますます彼女の魅力にはまりそうですが、見終わって18禁になった意味がよくわかりました。すくなくとも血が苦手な人、映像の表現に“うぁー、痛っ”というシーンが多いのでご注意を。(切り口パックリなんてあります)
血の気が多いのは、さすが韓国映画、というところですが、ハードな映画好きにはお奨めいたします。

東京国際映画祭

2006-10-21 17:50:37 | Weblog
いよいよ本日より、東京国際映画祭です。それとは関係なく、私は本日『ダンジョン&ドラゴン2』の初日のために、さっきまで劇場につめておりました。で、レスリー・チャンの展示会にもいけなかったので、ちょっと残念に思っております。

そんなレスリーも舞台挨拶をしたこともある東京国際映画祭ですが、ここ数年は、残念ながらパワーダウンしていることは否めません。なにしろ、年々予算が減っているのが痛いところですが、ここ数年はチケットが売れ切れているといっている割には、会場の席がところどころ空いているという、なんとも不可解な状況(といってもそれらのチケットは作品の提供元のための招待枠用)があります。
香港映画に関していえば、やはり1990年代がいちばん賑やかだったと思います。なにしろ、香港は日本から近いので、ここぞとばかりに映画人たちが遊びに来ていたりしていたので、会場で意外な人を見つけたりしたものです。さて、今年はどうなのか。今回は『四大天王』でダニエル・ウーほかALIVEの面々が来るような話も聞こえていたりしますが、各作品のチケット取れている皆さんは、ぜひ楽しんでいただければと思います。
また商談のミーティングで向こうの会社の打ち合わせとかもあるのですが、この映画祭が終わると、アメリカでマーケットがあるので、その前段階の情報とかも聞こえてきたりします。ちなみに今回はある作品の業務試写を観ます。すごく楽しみにしていた作品なので、感想はまたこっそり?とお教えいたしましょう。



明21日公開のアジア作品

2006-10-20 20:53:14 | Weblog
明日21日公開のアジア作品の紹介です。


『百年恋歌』台湾作品
監督:ホウ・シャオシエン 出演:スー・チー、チャン・チェン
3つの時代のラブ・ストーリーを主演二人が3役を演じるラブ・ストーリー。スー・チーも、最近は香港よりも台湾での仕事が多くなったと思いますが、これも事務所が代わってからけっこうマイペースで仕事しているようですね。ホウ・シャオシエンとも連続の仕事で、次のステップを踏んでいるような気がしています。日本でも少年時代からのファンが多いチャン・チェンとの顔合わせですので、ちょっと気になる作品ではあります。ただ、数年前、仕事さぼって東劇で観た『フラワーズ・オブ・シャンハイ』の睡魔との戦いを経験したので、最近は半ばホウ監督の作品はリタイアしてしまっております。
東京:シネスイッチ銀座にてロードショー

さて、いよいよ東京国際映画祭が始まります。毎度のごとく事務局の対応が悪くて評判がよくないようですが、今年もまたクレームの嵐になりそうな予感が・・・・
今年観る作品は『父子』と『おばさんのポストモダン生活』ですが、後日レポートしたいと思います。

チャイニーズ・ゴースト・ストーリーその13

2006-10-19 16:38:13 | Weblog
キャンペーンで苦労するのがもうひとつ、スタイリストさんとヘアメイクさんを頼むことです。昔は海外来日の場合、予算の関係で日本で用意をしていたのですが、来日した本人と相性があったりするので、これも神経をとがらせます。『チャイニーズ~』のキャンペーンも、香港からスタイリストを連れてこない代わりに、日本でスタイリストを用意いたしました。なので、向こうから送られてくる俳優さんたちの情報は大事なのですが、そこで意外なことがわかってしまい、けっこう難儀する場合があります。たとえばですが、日本のタレントさん、女性の場合だとだいたいWが63ぐらいまでの表記が表向きなので、実際に衣装を着てもらう段階で微妙なずれがあり、その女優さんの専属スタイリストを使わなければいけなかったりします。ところが海外の場合だと、足のサイズ、身長のサイズ、そして股下まで、すべての情報を送ってくれるものですから、それを見てイメージと多少違っていてけっこう驚きだったりもします。それで思うのは、そういったサイズに固執しているのは、どうも日本だけのようだと、この仕事をしていて思ったのでした。また、どんな衣装にしてくれ、とかのオーダーも向こうからあるのですが、これもけっこう困りものです。以前、ある女優さんの衣装に関して、向こう側のマネージメント会社から「露出の多いものはぜったいにNG。ノースリーブ、胸が開いているのもだめ。」と聞いていたので、スタイリストさんにそれに合わせた衣装と、事務所には無断でちょっと露出の多いものを用意して、いざ、本人に会うと、彼女はめちゃくちゃ露出している衣装を持ってきていて、本人はぜんぜん問題ない、ということもありました。
そんなこんなで、ジョイ・ウォンのスタイリングはいろいろ考え、逆にレスリー・チャンの方はスタイリストは要らないという返事だったので、全てをスタンバイして、12月中旬の来日に備えていたのでした。

ショウ・ブラザース・リメイク

2006-10-18 01:37:25 | Weblog
先だって、カルトクンフーの傑作『五毒(五毒拳)』のリメイクをテディ・チャン監督、アンディ・ラウでという話が発表されていましたが、実は現在、ショウ・ブラザースの権利を持っているセレスティアル・ピクチャーズは、何本かのリメイクを考えています。同じくテディ・チャン監督で『血滴子』(空飛ぶギロチンです)と、コリー・ユン監督、ジェフ・ラウ脚本で『報仇(ヴェンジェンス報仇)』が予定されているみたいで、11月に行われるアメリカン・フイルム・マーケットで発表されるようです。香港映画の停滞が大きく尾を引いていますが、世界マーケットで売れる作品として、古典クンフー映画の著名作品のリメイク化が増えそうな気配です。
ところで、そのショウ・ブラザースの日本発売で残念なお知らせが。ショウ・ブラザース第三期の発売を2007年に予定していましたが、諸事情で2008年に延期になってしまいました。キングレコードの香港もの発売予定は、2007年1月が『男たちのバッカ野郎』『愛と復讐の挽歌』『愛と復讐の挽歌/野望編』、2月が『黒薔薇VS黒薔薇』『続・黒薔薇~』、そして4月からGHクンフー・クラシックスの予定になっているそうです。
ちなみにファンの皆さん、他の作品もですが、いつまでもあると思うな店先の商品、ということで、最近は業界的にも全体的になかなか商品が売れなくなってきているので、最初の予約オーダーに多少の在庫分しかプレスしなくなっている場合があります。特に香港ものは数売れなければ店頭在庫で終わりの場合もあるので、気をつけてくださいね。ちなみに私も時々、あっちこっちの店に走って探している時があります。(どこで売っているんだ~、ツイ・ハーク監督の『カニバル・カンフー(地獄無門)』)

チャイニーズ・ゴースト・ストーリーその12

2006-10-17 12:44:20 | Weblog
来日に関しては、レスリー側は二人、ジョイ側はマネージャーとで二人、そしてフイルム・ワークショップのテレンス・チャンと広報のヘレン・チャンが来ることが決定しました。宿泊するホテルは帝国ホテルです。
1980年代当時のスターたちは、都内は帝国ホテル、ホテルニューオータニ、そしてホテルオオクラというのがだいたい来日キャンペーンで使用されるホテルでした。ジャッキー・チェンも帝国ホテルにはよく宿泊してました。で、今度はホテルの部屋をどうゆうタイプの部屋にするのかで悩むところです。今では俳優側からどんな部屋のタイプにしてほしい、とか、メイクとかスタイリスト等、付き人リストも含めての来日要望がきてしまうのでばたばたですが、当時は予算をにらめっこしながら、ぎりぎりの線でなんとか向こうサイドにお願いをしてもらっていました。
部屋、記者会見場を押さえ、さて、今度は二人の衣装関係の確認を香港にしました。できればもろもろのサイズも教えてほしいと。
たぶん、当時、二人のサイズが送られてきたのですが、それを見てまたびっくり。特にジョイのスリーサイズ、足のサイズからなにやらが書かれていたんですが、インチ表記だったので、cmに直す数字計算で???がおきたのでした。

チャイニーズ・ゴースト・ストーリーその10

2006-10-15 16:52:19 | Weblog
ジョイ・ウォン、レスリー・チャン共々、来日がOKになったので、今度はインタビュー取材をマスコミにお願いしなければいけません。でも、当時は香港映画のスターに興味を示してくれる媒体はなかなかありませんでした。すぐに決まったのは、「ロードショー」や「スクリーン」といった映画誌でした。
女優に関していえば、かわいい、きれい、をベースに、男性誌を中心に売り込みますので、ジョイに関しては、香港で言われている“脚線美”を彼女の最大限のキャッチフレーズとして媒体の売り込みに使いました。これがあったことと、映画での幽霊の美しさが大きなアピールとなって、どんどん決まっていきました。
一方、大変だったのはレスリーでした。前年『男たちの挽歌』が公開されてはいるものの、映画マスコミにはほとんど知名度がありません。なので、取材がまったく決まらなかったのです。こうなると仲のいい編集やライターの方にプッシュして、なんとか入れてもらうようにしなければいけません。
一方、香港のほうから続々とFAXがフイルム・ワークショップから届きます。その内容は、まず俳優以外のお付の人に関してです。香港の場合は、特にお付がぞろぞろ来てしまう可能性が高かったので、最小限の人数をオーダーしてました。すると、まず、ジョイ・ウォンサイドはマネージャーが付いてくるということでした。そして、レスリー・チャンサイドの要望は、マネージャーではなく、アン・ブリッジウォーターが付いていく、という文面になっていたのです。「え、まじ???」その文面におもわずびっくりしたのは社内で私だけ。なぜならば彼女は香港の少女隊ともいうべき“開心少女組”映画の一人であったからです。個人的には大喜び。でも、なんでレスリーと一緒?後で知ったのですが、彼女はレスリーと同じマネージメントで、妹のようにレスリーがかわいがっていた女優でもありました。しかし私はこのファックスを見た時は、まだそんなことは知らないので、「え~、これって二人付き合ってんの?」と思い込んでしまったのでした。しかし、その1週間後、再度ファックスが届き、「アンは行かなくなった。その代わりに付き人が1人行く」と文面には書いてあったのでした。