電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

カンフー麻雀

2006-04-30 21:03:03 | Weblog
GWに入りましたが、いかがお過ごしですか?
観なければいけない映画がたくさんあるものの、なかなか減りません。昨年香港に行った時にDVDを80枚も買ったのですが、まだ封を開けていないものが半分もあるという状態で、観なければと思いつつ、日本語字幕の付いているものをついついレンタルしてしまう今日この頃です。それに笑いを求める傾向が強いので、昨晩は『カンフー麻雀』を借りて爆笑しておりました。
監督は、こういったバカ映画を作るのがお手のもののウォン・チン(王晶)で、主演がユン・ワー(元華)とユン・チウ(元秋)。そう、『カンフー・ハッスル』で演じた夫婦でブレイクした二人を使ったコメディー作品です。ウォン・チン監督はギャンブルをテーマにした作品が多く、『ゴッド・ギャンブラー』シリーズが特に有名ですが、映画の中でかならずパクリというか、パロディーを入れて笑わせてくれます。今回は『キル・ビルVOL1』のクライマックスを思いっきりパクっているのと、あいかわらずのセルフパロディーをウォン・チン自らが演じているのがツボになってます。主題歌には「誰是大英雄」(『大英雄(東成西就)』でジャッキー・チュン(張学友)が歌っていたあの曲ですね)を使ってます。くだらないと思いながらも、ついつい“シェイ・シー・ターインション”と口ずさんでいる自分がそこにいます(笑)。
ところで、『カンフー・ハッスル』のヒットで再び表舞台に出てきたユン・ワーですが、ジャッキー・チェンやサモ・ハン・キンポーと七小福のメンバーで活躍し、『燃えよドラゴン』ではファーストシーンのブルース・リーのバック転をスタントインし、なおかつ劇中のパーティーのシーンでも顔を確認できるくらい、1970年代から映画界で活躍しておりました。彼はどちらかというと目立たない脇役や裏方を担当してましたが、サモ・ハン一派のオールスターが出演した『イースタン・コンドル』での敵のあぶない司令官役や『サイクロンZ』での敵役を演じてブレイクしました。その後、あまり目立たなくなったのですが、表舞台で活躍する姿を再び見れるのは、古くからの香港映画ファンとしてはうれしいかぎりです。

ホラーといえば

2006-04-29 19:54:45 | Weblog
ここ数年はタイ映画もがんばってきていますが、香港とタイの架け橋となったのが、オキサイドとダニーのパン・ブラザース。もとは香港のセントロ・ピクチャーズという、『風雲ストームライダーズ』の特殊効果で有名になった会社に二人はいました。兄弟とも映画監督になるべく、タイに行って最初に撮ったのが『タイムリセット 運命からの逃走』という輪廻転生をテーマにした作品。恋人の彼女がデート中に意識不明となり、その原因が彼女の前世が絡んでいることがわかり、24時間以内に恋人の青年が3人の人間を救わないと彼女は助からない、というストーリーで、青年の目の前に数時間後に起きた事件の新聞が出現し、それを見て助けに行くという、なんだか漫画「恐怖新聞」みたいですが、デビュー映画としては完成度の高い作品を発表して注目されました。その後『レイン』が高い評価を受けるのですが、『THE ETE』がヒットしてからはホラーに突き進んでいる感があります。アンジェリカ・リーが主演の最新作『鬼域』(香港では夏、日本ではUIP配給で仮タイトル『リサイクル』)では、ベストセラー小説家となった女性が体験する恐怖を描き、その次の新作『森冤』では、再びスー・チー(舒淇)を起用して、富士山の樹海をモチーフにした作品を撮るようです。また兄弟ともハリウッドにも呼ばれているようなので、ここ数年のJホラー・ブームからタイ・ホラーがアメリカもブームになるのでしょうか。
(写真は先だっての香港シネママーケットでもらった新作『森冤』のリーフレット。かなり不気味です)

THE EYE3

2006-04-28 18:47:18 | Weblog
ちょうど昨年の今頃、香港シネママーケットに行っている時に上映していた映画が『見鬼10』という作品。監督がパン・ブラザースで、タイトルから日本でもヒットした『THE EYE』のシリーズだとわかっていたのですが、なぜ『~10』という数字なのか?ストーリーは、タイへ旅行に行った香港の若者たちが古本屋で幽霊を見ることができる10の方法を書いた本を見つけて、それを試してみるという内容でした。実際は劇中では10も紹介していないのですが、ホラーだから怖い!!と思ってみていると、けっこう笑えるシーンもあり、笑いと恐怖は紙一重というのがよくわかります。(特に腹ペコ幽霊を呼び込むシーンなど)午後7時の回でしたが、高校生ぐらいの女の子7人の団体がぞろぞろと入ってきて、キャー、とか、ワハハっ、とか上映中はすごく盛り上がっていました。日本も明日の4月29日から公開ということなのですが、日本は『THE EYE3』の題名になっております。出演はチェン・ポーリン、最近注目株の若手女優イザべラ・リョン、クリス・クーといった若手スターの顔合わせ。チェン・ポーリンは日本映画にも出演しており、知られつつありますが、今後の華流映画を支えていくかもしれない若手スターたちなので、要チェックの顔ぶれです。
なお、明日からの東京の上映時間は以下になっているとのことです。

新宿武蔵野館        9:35
池袋シネマサンシャイン   19:20 21:10
渋谷シネ・アミューズ    21:20

写真提供:トルネード・ピクチャーズ

泣けるクンフー映画

2006-04-28 11:50:31 | Weblog
3月に公開されたジェット・リーの『SPIRIT』の日本での宣伝キャッチコピーを「泣ける格闘技映画」としていましたが、香港映画で泣けるクンフー映画としてふっと思い出すのが、アーロン・クォック主演の『赤脚小子』。いつも素足でいつかは自分の足に履く靴を夢見た青年が、悪に利用された末に悲しい結末を迎えるこの作品を、最初見た時はほんと涙が出ました。監督はあのジョニー・トーで、マギー・チャン、ティ・ロン、ン・シンリンの豪華顔合わせ。そしてちょっと知が足りない主人公の青年を演じたアーロンの演技、素晴らしいクンフー・アクションと、香港映画好きとしてはぜひ日本でも字幕付きで見たいと思っていた傑作ですが、なかなかビデオ化されない作品でした。実は1994年ぐらいにアーロンのある作品をビデオ化したメーカーさんがこの作品に目を付けてたのですが、まず先に出したアーロン主演作品のレンタルセールスが芳しくなくて断念した、という経緯がありました。この作品を製作した大都会電影の作品の権利はその後、ショウ・ブラザースの権利とともにセレスティアル・ピクチャーズが全世界の権利を獲得したために権利購入がむずかしかったのですが、日本でも2007年に発売することが決まりました。待ちわびてたファンの方はお楽しみに。
ちなみにこの作品、元ネタがあります。ショウ・ブラザースの70年代の傑作クンフーの1本と言われる『洪拳小子』という作品なのですが、これも一緒に発売することになりました。現在、両作品とも題名検討中ですが、なかなかいい日本題名が思いつかなく、私、苦戦しております。

香港オタクビルにゾンビ

2006-04-26 17:56:41 | Weblog
前に劇場公開でお手伝いをしたことがあるフルメディアから6月23日に『香港ゾンビ(生化壽屍)』というホラー作品が発売されますが、この映画の監督がウィルソン・イップ(葉偉信)。最近『SPL』というアクション映画が日本でも公開されましたが、非常に手堅い娯楽作品を作り続けている監督の有名になる前の1998年度作品です。キャストもジョーダン・チャン(陳小春)、サム・リー(李燦森)などなど、不況にあえいでいた頃の香港を思い出させるゾンビ映画です。つまり低予算でどれだけ面白そうな映画が作れるだろうかという映画人たちの努力が垣間見える作品でもあります。オタクビルでのゾンビ軍団対オタク軍団の対決、個人的にはすごく惹かれる作品です(笑)。この後、ウィルソン・イップ監督は『オーバーサマー爆裂刑警』や『ジュリエット・イン・ラブ』、『トランサー霊幻警察』など興味深い作品を作っていくのですが、B級ながらもセンスあるウィルソン・イップ監督の原点を見ていただきたいなと思います。

※『SPL』も6月発売になりました。

攻略シリーズ

2006-04-25 14:06:10 | Weblog
ビデオ業界誌が手元に届いたので、そこから切り抜いた広告をのせてみました。
最近、『ジェイ・チョウを探して』『カンフー麻雀』などの香港映画を発売しているタキ・コーポレーションが7月7日に発売する『ソウル攻略』です。ちょうど1年前の香港フイルムマーケットでセールスに出てましたが、日本のメーカーとの値段の差が大きくてなかなか売れなかった話題作です。日本側が購入金額の目安にするのが、前作の『東京攻略』の劇場成績やビデオの販売の数字になるので、そろばん勘定をして買い付け金額を想定した結果、その差が大きかったので日本の会社は手を出しませんでした。発売の時間もかかりましたが、日本語字幕で見れるのは香港映画ファンにとってはうれしいですね。
そして最近ではウォン・カーウァイ作品のイメージが強いトニー・レオンですが、アクションとユーモアを交えたトニーの探偵キャラクターもいいものです。
さて、前回の『東京攻略』は1999年10月~11月に東京で撮影をしてました。なぜそれを覚えているかというと、ちょうど『ジェネックス・コップ』の宣伝で仲村トオルさんから取材協力していただいていたのですが、その時に『東京攻略』の撮影に出ていると仲村さん本人から聞いたからです。最初はこの映画はちょっとだけの出演だったそうですが、撮影現場に行っていたらだんだん出演シーンが増えていったということで、マネージャーも困ったなあと言っておりました。でも『ジェネックス・コップ』で香港の現場を経験していたので、しょうがないと笑っておりました。仲村さん、当時話題のTVドラマ「氷の世界」に出演していたので、スケジュールもけっこう大変だったようです。
取材の合間に仲村さんからこの映画のエピソードを聞いたのですが、クライマックスの川でのアクションシーンで、川のなかに飛び込んだのはいいけどシャワーとかを浴びれる場所が用意されていなくて、結局、近所の民家にお願いしてシャワーを浴びたと言っておりました。それを聞いてすごく香港映画らしいエピソードだ、と笑ってしまいましたが。
今回の『ソウル攻略』ではグラビアやドラマで活躍しているアイドルの瀬戸早妃、前作では小澤真珠がちょこっと出演していますが、この日本人タレントのブッキングがなかなか謎めいております。(個人的にはツボですが)

タキはもう一本、TVシリーズの「八人の英雄」(エディソン・チャン、アンソニー・ウォン)も6月23日発売のようですね。

幻の企画作品

2006-04-23 11:02:57 | Weblog
その『ジェネックス・コップ』の来日で、ニコラスについて来ていたマネージャーのマニさん。フェイ・ウォン似の美人マネージャーで、彼女はその当時の英皇のトップマネージャーでした。聖路加タワーの前の川のほとりで、ニコラスの写真撮影をしている時に、彼女と話す機会があったのでいろいろ聞くと、彼女が担当していたのは、ニコラス以外にデイブ・ウォン(王傑)、ジョ-イ・ヨン(容祖兒)と私が名前を忘れちゃったもう一人を入れて4人の英皇のトップスターを扱っていると話してくれました(その後彼女は英皇を退社)。その時に「ジャッキー・チェンの映画でジョ-イ・ヨンが出演する」と彼女は私に言ったのです。耳で聞くとどうしてもジョイ・ウォンとしか聞こえないし、まだジョ-イ・ヨンのことも知らなかったので、紙に書いてもらってやっとジョ-イ・ヨンのことがわかったのですが、そのジャッキーの作品は、監督をフランキー・チェン、出演はジャッキーとジョ-イ、そして唐沢寿明、宮沢りえで、日本でもロケするというのです。その後、日本のジャッキーの事務所に「それ本当なの?」と聞くと、企画はあるけどまだわからないという答え。唐沢寿明の事務所を知っている知人にもその話をすると「確かに出演の話は聞いているよ」とのこと。結局、フランキーがジャッキーの確認をちゃんとしないままに事をすすめていったことと、ジャッキーが脚本を気に入らないので練り直しをしている間に、いつの間にか消えてしまった企画となってしまいました。しかし、この企画が進んでいたもう一つの証拠として、話を聞いた直後の99年の台湾金馬賞で、ジャッキーは宮沢りえをエスコートして登場したのでした。

思い出深い『ジェネックス・コップ』

2006-04-22 22:30:41 | Weblog
メディアアジアの話が出たので、この会社が最初に注目された映画『ジェネックス・コップ』について話したいと思います。
『ジェネックス・コップ』は、すごく思い出の深い作品の1本でした。それは、会社をやめて個人で宣伝の仕事を手がけている中で初めての来日キャンペーンを経験したからです。この作品は、アメリカメジャーのソニー・ピクチャーズが北米と日本のマーケット用に購入した作品で、この後、『グリーン・デスティニー』の成功で、ソニー・ピクチャーズは本腰を入れてアジア圏の作品を購入したり製作にタッチしていきますが、ある縁でソニー・ピクチャーズからお声がかかって宣伝を手伝うことになり、東京国際ファンタスティック映画祭99に出品することで来日が決まり、多くの媒体に取材をいれるために奔走しました。当時のマスコミは、サム・リーは『メイド・イン・ホンコン』が公開されていたので知っている人もいたのですが、ニコラス・ツェー、スティーブン・フォンは香港芸能を知っている人以外、ほとんど“それは誰?”って感じで、とにかく「香港新世代のスターで帰国子女で英語はぺらぺらでイケメンですよ。ここで新しいものを取り上げないとだめですよ。」と説得して、女性の雑誌をメインに、“MY BIRTHDAY” “SEVENTEEN”“OLIVE”“CAZ”“CUT”“FLAU”“ROADSHOW”などなど、とにかく彼らを世間に知らしめるためにブッキングしていきました。それとニコラスの名前の表記についても、チェ、ツェ、ツェーとどうするか悩んだあげくに、やはり見た目や耳で聞いたときのおさまりのよさからツェーと決めました。

さて、いざ来日となると、主演の3人と監督のベニー・チャン、社長のトーマス・チャン、ウィリー・チャンの右腕のソロン・ソー、そしてニコラスのマネージャーのマニの7人という大挙の来日で、ベニー監督のみ1日早く来日し、翌日の夕方には残り6人が来日することになっていました。しかし、サムがパスポートの不備(パンフレットの来日日記ではビザが取れてなかったと書いてあるが)で飛行機に乗れなかったという事件発生。到着すぐに取材を入れていたので、媒体には頭を下げながらなんとかニコラスとスティーブンでその場を収めました。ニコラスも風邪を引きかけてて体調不良にもかかわらず、深夜は次のアルバムのためのジャケット撮影があるとホテルに入るもそこそこに仕事へ向かうという、ハードスケジュールをこなしていました。

取材の3人は和気あいあいとしているのですが、サムは能天気というか、インタビュー中なのに写真を撮ってくれとこっちにカメラを渡すし、スティーブンは前日は夜中まで遊んでいたようで、休憩中は居眠りして昼食もとらないし、ニコラスも疲れぎみだけどなんとか取材をこなしているという感じで、アテンドしているこっちも冷や汗ものでした。特にニコラスに関しては英皇のトップスターであったので、体が弱いのにもかかわらず超ハードスケジュールで、『ジェネックス・コップ』のクライマックスのアクションシーンで負った傷が癒えないうちに、ツイ・ハーク監督の『ドリフト』の撮影に入っている、というような状況でした。そんな彼らが東京ファンタの会見で仲村トオルと久々に再会したときは、うれしそうな顔をして談笑していたのが印象的でした
こうして嵐のような来日キャンペーンを経験しましたが、なんとか日本で彼らが知られることを望むばかりでした。そしてこの時ニコラスと再度、映画の宣伝で仕事をするとはまだ知る由もなかったし、空前の韓国映画ブームが来るなどとは思ってもみなかったのでした。

※写真は会見後の撮影会/左からサム、メディアアジアの当時の社長トーマス・チャン、スティーブン、ベニー監督、ニコラス、仲村トオル

メディアアジアとエディソン

2006-04-22 01:37:45 | Weblog
ニコラス・ツェーの新作の話が何度か出てきたので、彼と仕事をしたことでも書こうかと思ったのだが、TBSの「恋するハミカミ」でエディソン・チャンが鈴木杏と出ていて日本語を話していたのを見て、エディソンと日本のことでも書こうと思う。彼が香港の芸能界に出てきたのは2000年だったと思うが、最初ジャッキー・チェン(JC)のマネージャーのウイリー・チャンが社長のアーティストキャンパス所属だったと記憶している。僕は残念ながらエディソンとは縁がないのだが、日本のジャッキー・チェンの事務所とは付き合いがあり、一時期日本に2ヶ月ほど滞在して日本語の勉強をしていたことを聞いていた。その頃日本でロケをした『ファイナル・ロマンス』なんて作品にも出演するが、その後、彼はリッチ&フェイマスという事務所に移籍する。ここの社長がピーター・ラム、そう、現在のメディアアジアの社長である。だからエディソンの出演作はメディアアジア作品が多いわけであるが、このメディアアジアという会社は、もともとはスターTVというサテライト放送の会社が設立した会社で、最初はゴールデンハーベスト、シネマシティ、そしてD&Bという1980年代までに香港映画をささえた会社の権利を売る会社としてスタートしていた。その後、トーマス・チャンが社長となり、JCのウイリー・チャンも経営に参加するということになって製作されたのが『ジェネックス・コップ』だった。で、この映画の宣伝で僕はジェネックス・スターたちと仕事をするわけなのだが、あれ、エディソンのことを書いているわけではなかったなあ、は、は、は。

ユニバース(寰亞)の気になった作品

2006-04-20 19:54:44 | Weblog
ユニバース(寰亞)という会社のブースには、いろんな作品のリーフレットがありましたが、結局は手に入れられなかったのが『詠春』という作品。ブース入口横に飾られていた題名をパチリと撮ったのだが、ニコラス・ツェー、ユン・ピョウ、サモ・ハン・キンポーの3人の名前が記されていれば、新旧香港映画ファンには気になってしまう1本である。題名にある“詠春”は、詠春拳であることはまず間違いないわけなので、キャストから想像するに、クラシカルなクンフー映画であることは明白である。
あのブルース・リーも若き頃に学んでいた詠春拳の創始者は、“少林四侠女”と呼ばれた女性武術家の厳詠春といわれ、ミシェル・ヨー姉さんもこのキャラクターを演じたことがあるほど、香港映画の南派少林もののクンフー映画にはかかせない有名なキャラクターの一人です。その詠春拳を伝承された第五代伝承者が梁二で、その息子が梁賛になるのだが、この二人を描いた作品が1981年のゴールデンハーベスト作品『ユン・ピョウ in ドラ息子カンフー』です。今回の『詠春』も梁賛を中心に描かれるようですが、『~ドラ息子カンフー』の主演がサモ・ハンとユン・ピョウだったことから考えると、ニコラスでリメイク?って感じなのだろうか。前がコメディー・クンフーだったので、今回はどんな感じに作られるのか興味がそそられます。
※その下に書かれてある『阿有正傳』はディッキー・チョン主演ですが、日本ではまずお目にかかれない作品なんだろうなあ。

ジョニー・トー最新作2

2006-04-19 10:23:41 | Weblog
前回に引き続きとなりますが、ジョニー・トーの新作のリーフレットを見つけました。ユニバースという会社に置かれていたのが『文雀』。すずめと呼ばれるスリの一団が、ある時やくざから、一人の魅惑的な女から“鍵”を盗んでほしいという依頼を受けるが…。というストーリーになっている本作の主演は、『PTU』のサイモン・ヤムと 『フルタイム・キラー』のケリー・リン。作品のヴィジュアルは、ほんとに“何か”を感じさせる雰囲気を醸し出していますが、ジョニー・トー一派の俳優陣ながら、いかんせん通好みのキャストで地味。しかしながら、これまでのジョニー・トー作品の傾向から考えると、内容は映画ファンをうならせるようなものになっているはずだと確信しておりますが。ただ、日本の会社はこの地味めなキャストだとなかなか手がでないのが現状です。これも完成した映画を見てから検討して、買い付け値段が手ごろになった時にピックアップされる作品となるでしょう。でも、すごく気になる作品です。




ジョニー・トー最新作1

2006-04-17 15:08:16 | Weblog
今年の香港電影金像奨もここ数年の賞の常連であるジョニー・トー監督の『黒社会』が賞をゲットしたが、彼は映画を作るにあたり、“商業映画と個人映画”という二つのスタンスをはっきり持って仕事をしている。商業映画を撮るときは、例えば『フルタイム・キラー』のようにアンディ・ラウと反町隆史の人気スターを起用して配給会社に莫大な利益を生む作品(ただし、中味の良し悪しは別)を割り切って作る。そして自身もそういった作品のヒットで得た利益で、今度は自分の好きな作品を作るのである。その代表的な作品が『ザ・ミッション非情の掟』と『PTU』のような、助演級スターをそろえたハードボイルドな通好みの作品である。世界中にも彼の個人映画のほうを好む通の映画ファンがたくさんいるが、特に2月に行なわれるベルリン映画祭は、21世紀に入ってから、毎年のようにジョニー・トー特集を組んでいる。どちらかというと男くさい作品ばかりだが、1980年代にジョン・ウー→リンゴ・ラムが築いた香港ノワールの流れを今なお続けていることがうれしいかぎりである。ちなみにこの3人は、1980年代にシネマシティという会社で映画を撮っていたわけだから、何かしらの関係はあるはず。
さて、香港マーケットで、メディアアジア社のブースにジョニー・トー最新作『放逐』のリーフレットが置かれてあった。メディアアジア社は『ブレーキング・ニュース(大事件)』で初めてジョニー・トーと組んで成功したわけだが、この『放逐』の主演が通好みである。アンソニー・ウォン、フランシス・ン、ロイ・チョン、ラム・シューと、あれ、この顔合わせはどこかで見たと思ったら、あの『ザ・ミッション』の続編的な作品なのであった。まだ、撮影も始まったばかりで、いつ完成するかもわからないが、前作のような面白さを今から期待するばかりである。

龍虎門

2006-04-16 17:36:54 | Weblog
香港マーケットで人気の高かった作品が、東方電影の『龍虎門』でした。
今年の7月に香港で公開されるこの作品は、人気コミックの映画化で、今から6年前には、バリー・ウォン監督が、ニコラス・ツェー&スティーブン・フォン主演での映画化を企画していましたが、結局、断念して、『拳神』を作ったという経緯がありましたが、今回は、ツイ・ハークの奥さんで敏腕プロデューサーであるシー・ナンサンと、『ハッピーブラザー』の長男役を演じているレイモンド・ウォンが製作。監督を『SPL』のウィルソン・イップ、主演をニコラス・ツェー、ショーン・ユー、そしてアクション監督も担当したドニー・ユエンと、わくわくする布陣で作られてます。
しかしながら、あまりにも買い付け金額が高いために、日本の会社はどこも手を出さずで、いつになったら日本で見れるかは全くの未定となってます。

本日より

2006-04-15 17:30:44 | Weblog
初めまして。長い間ブログを開設しようとうだうだしておりましたが、
やっとやる気を起こして始めることにしました。よろしくお願いします。
いろいろな映画の面白い話、香港映画のよもやま話などをしたためてい
こうと思っております。
さて、まず第一回目のお話。
先月3月の下旬に仕事で香港に行ってきました。目的は香港マーケット
と、今、監修の立場で関わっているショウ・ブラザースのDVD用特典イン
タビューを撮るためでした。
香港マーケットは、映画の見本市というのがいちばんわかり易いと思い
ますが、映画の権利を持っている会社がブースを出して、世界の映画や
ビデオの会社と商談をする場です。世界にはいくつかのこういったマー
ケットが開催されるのですが、いちばん大きなのがカンヌ映画祭と付随
して行なわれるマーケット、それからアメリカで行なわれるAFM(アメリ
カン・フイルム・マーケット)があります。
香港は、主にアジア圏の会社がたくさんブースを出しているので、華流、
韓流fanだと、これから先に公開される作品も早く知ることができるので
楽しい場所かもしれませんが、残念ながら一般の人は入ることができま
せん。ここで映画の買い付け交渉をしますが、残念ながら今回のマーケ
ットでは日本の会社は香港映画の新作を買うことがありませんでした。
それは日本側が思う金額と権利を持っている会社の金額の開きがあまり
に大きいからでした。さて、どんな作品があったのかは、次回お伝えし
たいと思います。