電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

「グエムル漢江の怪物」

2006-09-25 12:33:51 | Weblog
ここのところ仕事の山積で、土日も資料作りに勤しんでいたために、まったく新作映画を見に行けない状況が続いていたのですが、昨日の日曜は久々に劇場へ足を運びました。
鑑賞したのは『グエムル漢江の怪物』です。うちの女性スタッフ陣が早々とこの作品を観ていて、「面白いから早く観に行ってくださいよ」と言われていたので、有楽町のスバル座に夕方向かいました。
マスコミ評価もすごく高く、業界鑑賞率もすごく高い作品なのですが、どうも怪獣映画のイメージでしか一般の方にはとらえられていないようで、客層も9割が男性、それも3割程度の入りでしか入っていませんでした。
うちの女性スタッフは、「なんだかわからないうちに、あっという間に話が進んで、気がついたら、映画が終わっちゃうんですよー」と意味不明なコメントを残していたのですが、その意味、よくわかりました。冒頭は米軍基地内での危険薬品を大量に流すシーンがあって、その2年後に漢江で釣りをしている人たちが奇形の生き物を見つけ、そして月日が流れて漢江沿いで売店経営しているソン・ガンホの一家の簡単な家族紹介をしていたら、いきなり怪物登場。で、娘がさらわれ、後は中だるみなくどんどん話が進んでいきます。びくっと驚かされるシーンが2箇所ありますが、あっという間に終わってしまうというのは本当でした。
韓国で爆発的な大ヒットをしているのもよくわかりますが、こういった映画ではヒーローイズム爆発となるのですが、そうではなくて、何してもだめだめな家族が怪物に立ち向かう姿が身近に感じられて、それがこの作品のよさをかもし出しているのです。それがポン・ジュノ監督作品に見られる面白い部分なのだと思います。
個人的には、最近、萌えー状態になっているぺ・ドゥナが出ているのでかなりうれしい悲鳴ですが、ここのところ、『吠える犬は噛まない』『子猫をお願い』と立て続けに観て、なおかつこの作品を観て、韓国女優の中で個性的、かつ演技力のある女優だと感じたのでした。
なかなかこういった作品は女性が避けやすいジャンルですが、ぜひ見ていただきたい作品の一本です。もうすぐ終了となる前に、ぜひ劇場で堪能してみてください。