電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

イースタン・コンドル

2006-09-09 12:12:11 | Weblog
昨晩はまだ封を開けていないDVDの中から『イースタン・コンドル』を見ました。この作品は、十数年前にポニーキャニオンが主催した香港エンタテインメント映画祭で上映され、その時にえらく気に入った作品の1本でした。香港映画で戦争アクションというのも驚かされましたが、サモ・ハン・キンポー渾身の1本という感じが伝わった作品でもあったのです。
ベトナム戦争でアメリカが作った秘密基地の武器を破壊するために、アメリカの刑務所に収容されているアジア系囚人に、釈放を条件に任務を遂行させるというのがおおまかなストーリーですが、合流したゲリラにスパイがいたり、行く先々で仲間を失っていったりと、なかなか練った内容になっています。
キャストは、サモ・ハン以外に、ユン・ピョウ、ラム・チェンイン、チャールズ・チン、ビリー・チョウ、ユン・ワー、コーリー・ユン、シャオ・ホウ、ユエン・ウーピン、ジョイス・コウ、ウー・マ、倉田保昭、そして『キリングフィールド』でアカデミー助演男優賞を受賞したハイン.S.ニョールと、これまたすごい顔ぶれです。
この頃は、出演している俳優たちも油の乗った時期とも言え、特にユン・ピョウの蹴り技アクションは見所十分。また、最近『カンフーハッスル』で再注目されたユン・ワーが、もともとこの作品で演じた敵役の弱そうに見えて、実はめちゃくちゃ強い北ベトナムの司令官役で俳優として化けた作品でもあります。
たぶんタイでのオールロケーションだと思いますが、スケール感も抜群で、こうゆう映画を香港が作ったということだけでも、当時の香港映画の勢いを垣間見れる作品とも言えるでしょう。ただ、残念なことに、香港でのこの作品の興行はあまり良くなく、これを境にサモ・ハン自体、苦境に陥っていったのでした。
香港映画で戦争アクションというのは数少ないのですが、意外と傑作が多く、この作品とジョン・ウー監督の『ソルジャードッグス』『ワイルドブリット』の3本はお奨めです。

※今日はこれから大阪へ行きます。明日の10日日曜、レスリー・チャン生誕映画祭でトークいたしますので、関西の方、お時間あればぜひお越しください。