電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

神侠侶

2006-05-31 17:43:05 | Weblog
お付き合いのある会社のマクザムから、8月の作品ご案内のパンフが送られてきましたが、そこに9月1日発売でリウ・イーフェイの最新ドラマ「神侠侶(しんちょうきょうりょ)」の予告が載っておりました。
ここ数年、中国のテレビドラマは、金庸原作の武侠小説のドラマ化が多いですが、もともと香港でベストセラー作家だった金庸の作品は、1970年代から80年代の頭にショウ・ブラザースでほとんどが映画化されています。また、レスリー・チャン主演『レスリー・チャンの神鳥英雄伝』もその映画化の一本ですし、ツイ・ハークの『スウォーズマン』や、あのウォン・カーウァイ監督の『大英雄』『楽園の瑕』もベースになっております。
小説も日本では徳間書店より刊行していますが、はまっている小説fanもかなり多く、テレビドラマ化されたものがソフト発売やチャンネルNECOでの放送されたことで、じわじわと新しいfanを増やしているようです。
もちろん、出演者たちが美男美女が登場となれば注目度もあがりますが、アクション等もテレビドラマとしてはかなり凝っていて、映画並みのアクションクォリティーで、これが中国ドラマかあ~とびっくりしていまうほどの出来になっています。
それから、小龍女役のリウ・イーフェイの美少女ぶりも男性fanにはたまりませんが、主役の楊過役のホアン・シャオミン(黄暁明)は、女性fanにとっては今後の要チェックのイケメンくんです。なぜなら、チャン・ツィイー、ダニエル・ウーが出演している『夜宴(原題)』で共演しているので、中国本土だけでなく、香港映画にも出演可能性を持っているからです。
今後も続々と登場する中国大陸圏のテレビドラマですが、香港の監督や俳優たちが進出していることからみても、新たな動きを感じさせそうです。
ところで、肝心の金庸の小説が中国大陸ではどんな風に見られているのか向こうの人たちに聞いてみたところ、意外にも作者名は知っていても読んだことのある人はそんなに多くないことがわかりました(特に女性は)。お話も長い物語なので、文字読むのが苦手な方は、ぜひ映像から堪能してみてはどうでしょうか。ちなみに時間のある方は「射英雄伝(しゃちょうえいゆうでん)」からご覧になると、もっと楽しめます(^^)

※7月下旬~8月上旬のレンタルソフトで、8月4日レンタル開始の『雨のシンフォニーVOL6~VOL10』が抜けておりました。(前ページには追加済)

ドラゴン・インの幻の企画

2006-05-30 12:32:40 | Weblog
昨日の『ドラゴン・イン』に引き続いて、もう1本、企画されていながら作られなかった『ドラゴン・イン』の話をしたいと思います。
ツイ・ハーク監督が『ワンス・アポン・ア・タイム天地大乱』を製作した次に取りかかった作品が『ドラゴン・イン』でしたが、ちょうど同じ時期に『残酷ドラゴン 決闘!龍門の宿』のリメイクを発表した人がいました。前のブログでも書きましたが、ジム・チョイというジェット・リーのマネージャーになり、その後殺害された人物です。このリメイクの主演はもちろんジェット・リー、そしてミシェル・ヨー、企画アドバイザーには本家のキン・フー監督が関わっていました。当時はこの両作製作の話は香港映画業界のなかでもいろいろな話題でもちきりでしたが、結局、ジェット・リー版は作られることはなかったのです。それはなぜかといいますと、プロデューサーのジム・チョイが製作直前に殺害されたからでした。ファンとしてはこちらの作品もすごく楽しみにしていたので残念でした。映画の企画は流れましたが、その後、ジェット・リーはジム・チョイの意志を継いで製作会社を立ち上げました。それが正東だったのでした。


○そろそろカンヌから知り合いが帰ってきているので、いろいろと情報集めしていますが、前にファンの人たちが騒いでいた『龍虎門』は、日本の例の会社が買ったとのことでした。試写を見たこの会社のトップが気に入って買ったそうです。ただ、海外の業界紙では公開が2006年末みたいな情報が流れたみたいですが、配給はこれから興行と折衝することになると思いますので、現状では各劇場の公開予定表には入っておりません。

ドラゴン・イン

2006-05-29 11:07:18 | Weblog
私の仕事上においてのおつきあい、また香港映画のなかでも好きな作家がツイ・ハーク監督です。『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の来日キャンペーンで初めてお会いした時から、取材の合間、また食事をご一緒にしたときに話した内容は、ほとんど“映画”に関することばかり。もちろん、監督の作品についてもいろんなお話(映画を観た感想を含め)をしました。
そんなツイ監督の作品(製作を含め)のなかでも、好きな作品の1本が『ドラゴン・イン』です。この作品は題名からも分かるように、もとはキン・フー監督の名作『残酷ドラゴン 決闘!龍門の宿』のリメイクとも言うべき(キン・フー監督は認めていなかったが)作品です。主演が、ブルジット・リン、レオン・カーファイ、マギー・チャン、そして敵役をドニー・ユエンが演じている武侠片ですが、この撮影が大変だったとツイさんは言ってました。
まず撮影現場が、あの敦煌に近い砂漠の中で、行き来するにもヘリコプターを使わなければいけなかったということ。撮影中に砂嵐が何度も起きて、それをよけるのに大変だったこと。そして一番の誤算は、撮影中のアクションシーンでブリジット・リンが負傷してしまい、ストーリーを変更しなければいけなかったことだったそうです。劇中、主人公たちが政府の兵に取り囲まれ、矢が雨のように射られてそれをかわすシーンで、なんとブリジットの目に矢が当たってしまい、撮影不可能になったとのことでした。目をちょっとはずれていたのが不幸中の幸いでしたが、もし、まともに当たっていたら、失明してたかも知れないくらい、危なかったそうです。
私たちはいつも映画を気楽に楽しんで観ていますが、その製作過程においては、まさに命がけの撮影をしているわけです。特にアクションが秀でている香港映画の現場は危険なこともあったりで、びっくりすることだらけです。
この作品はアクションも素晴らしいですが、ブリジット・リンとマギー・チャンの魅力が満載の作品でもあります。特にマギーが演じた宿屋の女主人は必見です。『ロアン・リンユイ』で演技派として認められましたが、私はこの作品でマギーは完全に女優として一皮むけたと確信しました。

ところで、撮影した場所は、日本映画『敦煌』が撮影した場所で、その時に作られたセットがそのまま残っていて、香港映画の撮影がちょくちょくここを流用していると聞き、さすが何でも利用する香港映画界と思いました。

マイケル・ジャクソン

2006-05-28 01:12:21 | Weblog
今、日本にマイケル・ジャクソンが来日しているというニュースが流れていました。日本の来日は8年ぶりということで、確か8年前の来日時は東京ディズニーランドへ行ったとか、おもちゃ屋貸し切りにしたとか、あいかわらずお騒がせなニュースが流れていた記憶があります。
彼が初めて日本に来日してコンサートを行なったのは、1988年の12月のことでした。私も行きましたが、ちょうど『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の来日とコンサートが同じ時期で、この時ちょっと大変な出来事がありました。
レスリー・チャンとジョイ・ウォンの2人が来日していて、私はジョイの方をメインにマスコミ取材を立ち会っていたのですが、時間がおしてしまい、その日最後の取材が15分ほど遅れていたのでした。外で写真を撮るということで、ホテルの前で取材をしていたのですが、当時のジョイのマネージャーだったウィリー・チャン(ジャッキー・チェンのマネージャーとして有名です)が、いらいらして「あと何分で終わるんだ、早くしろ!」とうるさく言うのでした。なんでそんなに文句いうのか通訳に聞いたら、「マイケル・ジャクソンのコンサートに行くのに間に合わない。」と言っているのです。コンサートの開始は7時から、そして取材の終わり時間が6時40分。なんとかぎりぎり間に合わせることができたのですが、ちょっとむっとした瞬間でした。
この時のマイケル・ジャクソンのコンサートには、香港からもかなり芸能人が見に来ていたようです。ある会社の食事会でイップ・トンとルイ・トンの夫婦に会ったのですが、彼女たちもマイケル・ジャクソンのコンサートに行ったといってたくらいでしたから、そうとう盛り上がっていたようですね。私もアリーナ席のいちばん後ろで、ジャンプしながら米つぶ大のマイケルを見ましたけれど、今思うとコンサートの印象があんまり残っていないのですねえ、これが。

西遊記

2006-05-27 20:07:00 | Weblog
テレビドラマで人気を博したフジテレビの「西遊記」ですが、先週カンヌで孫悟空の衣装を着た香取慎吾くんが登場し、映画化するというニュースを発表してました。この孫悟空を長い間ライフワークの作品として考えていたのが、“香港映画界のスピルバーグ”こと、ツイ・ハーク監督です。
前にもブログでちょこっと触れましたが、『猿王THE MONKEY KING』という題名で、電影工作室からもらう会社紹介のパンフには、かならず最後のページにイラストの作品紹介が入ってました。監督と会うたびに、「サル年には撮るよ。」と言っておきながら、1992年の時はチャウ・シンチーが『チャイニーズ・オデッセイ』を作ってしまってヒットさせるし、その後もまったく動きのないままに、今にいたっております。でも、そのサル年の前後は、実現するか、というところまでいっていたのでした。まず、この作品は三部作にするということで、私たちが知っている旅の話は第二部でということで、第一部は初稿の脚本ができていました。詳しい内容はここでは書くことはできませんが、人間の言葉が話せる猿が寺に入れられて・・・・という出だしで、暴れたあげくに石をのっけられて助けを求めていると、そこへ三蔵法師が通りかかるというラストになってました。
ツイ監督自身は、孫悟空を着ぐるみにするか、特殊メイクで作るか、といろいろ悩んでいたようですが、あるときには「今、7歳から16歳ぐらいの子7人に孫悟空役をやるための訓練をさせてる。」と言っておりました。
結局、映画を撮らないまま、今に至っておりますが、まだ企画は生きているようですし、壮大な話みたいなので、早く実現してほしいと思っております。しかしながらCG使いすぎちゃうと『天上の剣』みたいになっちゃうので、香港らしい生身さとほどほどのCGで作ってほしいと願うのでした。
さて、この企画を聞いた当時、誰が演じるのが面白いのか、すごく考えました。当時のツイ・ハークと俳優のつながりで考えると、三蔵法師はブリジット・リン、孫悟空はジェット・リー、猪八戒はサモ・ハンかケント・チェン、沙悟浄はジャッキー・チュンかレオン・カーファイ、というのを想像しましたが、あなたの「西遊記」は誰でしょうかね?

7~8月レンタル開始アジア作品

2006-05-26 15:53:38 | Weblog
7月下旬から8月上旬にかけてのセルorレンタル作品情報をまとめてみました。
(ただしHなものは入れておりません)

中国=香港=台湾
7月19日
「ヒロイック・レジェンドVOL7~12」ホアン・ハイピン
7月21日
「パープル・バタフライ」チャン・ツィイー、リウ・イエ
7月25日
「忘れえぬ想い」セシリア・チャン、ラウ・チンワン
7月28日
「八人の英雄(ヒーロー)VOL6~10」エディソン・チャン、ルー・イー
「マジック・オブ・ラブ 魔術奇縁VOL1~4」アレックス・スー、ルビー・リン
「世界」チャオ・タオ、チェン・タイシェン
8月4日 
「PROMISE<無極>」ニコラス・ツェー、セシリア・チャン
「柔道龍虎房」アーロン・クォック、ルイス・クー
「剣客之恋」アンディ・ラウ、セシリア・チャン
「性感都市 セックス&ビューティーズ」セシリア・チャン、エディソン・チャン
「ブルース・リー フォーエバー」ブルース・リー、ブランドン・リー
「PRIDEプライドVOL1~6」ニコラス・ツェー、ディッキー・チョン
「エディ・ポン 恋の香りVOL1~5」エディ・ポン、チュ・ジャヒョン
「戦神 MARS VOL6~10」ヴィック・チョウ、バービー・スー
「流星花園?U 花より男子 JAPAN EDITION VOL1~5」F4
「追風少年 ワンダフル・ライフVOL1~10」ドン・ジーコン、ステラ・ホアン
「トースト・ボーイ’sキッス VOL1~5」リー・ウェイ
「雨のシンフォニーVOL6~10」チェン・クン
8月9日
「マジッククンフー神打拳」ワン・ユー、ティ・ロン
「マッドクンフー猿拳」ラウ・カーリョン、シャオ・ホウ

韓国
7月19日
「僕は走るVOL1~6」エリック、キム・カンウ
「Loving You VOL1~4」パク・ヨンハ、ユジン
7月21日
「愛しのサガジ」キム・ジェウォン
7月28日
「美しき野獣」クォン・サンウ、ユ・ジテ
「まわし蹴り」キム・ドンワン
「小さな恋のステップ」イ・ナヨン、チョン・ジェヨン
「ラブストーリー・イン・ハーバード完全版 VOL1~4」キム・レオン
7月29日
「チェ・ジウ 情熱 VOL25~28」チェ・ジウ、キム・ユンジン
「イ・ヨンエの宮廷料理人」イ・ヨンエ
8月2日
「ごめん、愛してるVOL1~8」ソ・ジソプ、イム・スジョン
8月4日
「力道山」ソル・ギョング
「風のファイター」ヤン・ドングン
「下流人生 愛こそすべて」チョ・スンウ、キム・ミンソン
「ラブ・インポッシブル 恋の統一戦線」チョ・インソン、キム・サラン
「別れの6段階」ぺ・ヨンジュン
「彼が駅で降りた」ウォンビン
「セリが帰ってきた」イ・ビョンホン
「現金に手を出すな」チャ・テヒョン
「ハッピーバースデー」パク・ヨンハ
「少女漫画のように」チョ・インソン
「ラブミーテンダー」チョ・インソン
「悲歌」パク・ヨンハ
「茶の香り」パク・ヨンハ
「アイリスの花の咲く頃」チ・ジニ
「愛しい守り神」チ・ジニ
「美しい彼」チ・ジニ
「作文教室」チ・ジニ
「ギブス家族VOL5~10」パク・ヨンハ

アジア作品ってこんなにいっぱいあるのですが、さて、ビデオ店にはどれだけ置かれることやら。それから、6月に情報開示となっている香港映画が1作品あるのですが、ここでは今のところ発表できません。
(※メーカーの都合で発売日等の変更もありますので、ご了承下さい)

セシリア・チャン

2006-05-26 12:06:57 | Weblog
8月4日発売の作品で『性感都市 セックス&ビューティーズ』があります。これもウォン・チン(王晶)監督の作品ですが、題名から想像するように、アメリカの人気TVドラマ「セックス&シティ」のもろパク作品、というか、その人気に当て込んで作ったような作品とでも言えるでしょうか。でも、いつもながら流行に乗ったものを取り入れてすぐに作ってしまうウォン・チン監督の商売根性恐るべし!
内容はというと、アメリカTVドラマみたいな洗練された作品、というよりも、香港コメディのいつもの匂いを漂わせているところが安心?させられるところですが、キャストもカリーナ・ラウ、セシリア・チャン、エディソン・チャン、アテナ・チュウ、レオン・カーファイと、かなり豪華。
ところで、この発売もニコラスの『プライド』同様に、『PROMISE<無極>』に出演しているセシリアが出演しているので、その発売に合わせているような匂いがぷんぷんとしております。7月25日には、やはりセシリアの『忘れえぬ想い』、そして8月4日には『剣客之恋』も発売されますので、8月4日のレンタルビデオは、まさに『PROMISE<無極>』祭みたいなものになるかもしれませんね。


『性感都市』販売元:アット・エンタテインメント
『忘れえぬ想い』販売元:GPミュージアムソフト
『剣客之恋』販売元:マクザム
『PROMISE<無極>』販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ

「小魚兒與花無缺」

2006-05-25 20:29:26 | Weblog
もうネットでの情報で出ておりますが、ニコラス・ツェー×ウォン・チン監督のTVドラマ「小魚兒與花無缺」が『PRIDE-プライドー』という題名で、8月4日、9月8日の2回にわけての発売情報が、手元に届いた問屋誌の広告に出ておりました。ウォン・チンがテレビシリーズを演出、それもニコラス、ファン・ピンピン共演というのは前から気にはなってましたが・・・。それにしても題名が、某『PROMISE』に似せてるところと発売日も同じというところが、金魚のなんとか作戦というか、私もビデオメーカーにいた頃は、未公開の映画でよくやっていた常套手段でした。つまり劇場で大きく公開された作品がレンタルビデオで出るときに、関連作品として同じ棚においてもらおう作戦がこれなのです。
で、どうもこの作品、秋にCSのカミングスーンTVで放送されるみたいですね。

販売元:ブロードウェイ

ポスターのお話その2

2006-05-24 23:22:38 | Weblog
映画の宣伝プロデューサーをしていると、その作品の宣伝コンセプトから、ポスター、予告、キャッチコピーと、その作品に全身全霊をかけて作っていきます。で、初日に劇場に行ってお客さんが来ていればニコニコですが、数える程度しかこなかったら、もう、気分は落ち込みです。
さて、皆さんが目にする映画ポスターですが、その絵に決めるまでがもう大変。特に依頼されてるデザイナーさんがいちばん大変です。なにせ、案をいっぱい作っても、宣伝プロデューサーから、ああでもないこうでもない、ここはこうして、とか、いろいろリクエストされるからです。
これまでああだこうだと言ってきた私ですが、デザイナーからあがってきた案でいちばん困ったのが、『ティラミス』のポスター案でした。どう困ったか、それはどれもデザインがよくて、決めることができなかったからでした。イメージは、星空の下でニコラス・ツェーとカリーナ・ラムがビルの屋上に座っているものだったのですが、プールで抱き合っているラブストーリーっぽいものも雰囲気あるし、まるでティラミスの宣伝ポスター?と思わせるおしゃれな感じも捨てがたい。さてどうするべえと配給会社の担当と議論を重ねた結果、ポスターは最初のイメージの星空のもの。そしてそのほかのもチラシとポストカードで使っちゃえ、ということで、なんとちらしを3種類も作ってしまったのでした。
普通だったら、予算がそんなにない作品でそんなことはしないのですが、印刷のやりくりのしかたでうまく作ることができたのでした。ま、個人的にもコレクションになりますから(笑)。この手の応用で、その後に宣伝した韓国映画の『イエスタディ沈黙の刻印』では、なんと5種類もちらしを作るという快挙?を成し遂げたのでした。

「男たちの挽歌」のポスター

2006-05-23 20:38:13 | Weblog
昨日の「11PM」に引き続き、『男たちの挽歌』の話になりますが、日本版ポスターのデザインを見て、何か気がつきませんか?3人の俳優とも、すごくきまってる写真でしょう。これ、実は日本ヘラルド映画がわざわざ香港でポスター用の写真として特写したものなんですよ。でも、なぜに?
香港って宣伝用の写真をもらっても、ポジフイルムで撮影していなくて、ネガフイルムで撮影してたりとかで、ポスターにするにしてもあまり使えそうな素材がなかったりしてました。きっと宣伝も「こりゃだめだ」と思って香港サイドに撮影リクエストしたのでしょうね。香港映画ってジャッキー・チェンの作品とかでも、よく特写の写真をポスターに使っているんですよ。
私の手元には、ポスターに使われなかったユンファ別顔ポジがあります。昔、横浜で「ツイ・ハーク映画祭」を手がけたときに、パンフレット用で借りた写真がなぜかそのままになって手元に残っていたのでした。(つまり返却し忘れていた)ちなみに、下の香港の風景も、権利フリーの写真をはめ込んでいるのです。なので、このポスターは、宣伝担当が日本で宣伝するためのコンセプトからイメージして作った、世界で唯一の『男たちの挽歌』のポスターなのです。でも、今ではそんな豪華なこと、できませんね。

11PM

2006-05-23 00:19:03 | Weblog
映画の宣伝でいろいろお世話になった番組に、日本テレビの「11PM」がありました。えっちな内容とかもあったので、子供の頃は親の目を盗んで、ふすまの隙間からこっそり見てたりした時とかもありましたが、よく映画の紹介とかもやっておりました。『燃えよドラゴン』もこの番組の紹介でオハラとの対決シーンの映像が流れ、初めて見たクンフー映画の映像に興奮した記憶があります。
どこの映画会社もいろんな企画などをこの番組に持ち込んだり、来日スターを生出演させたりしていましたが、香港映画ではやはり『男たちの挽歌』の特番が印象に残っています。当時、配給をした日本ヘラルド映画は、この作品にすごく力を入れていて、なんとテレビクルーを香港に連れて行って、チョウ・ユンファやティ・ロンの取材をしたのでした。残念ながら、東京音楽祭同様、オンタイムで見たために、ビデオで録画していなかったことを、今では悔やまれています。
数年前にヘラルド映画で仕事をした時に、この作品の宣伝担当をした人間と話す機会があったのですが、特番なのにレスリーだけが出演しなかったのはなぜか、という話になり、その理由が、「取材の場所がティ・ロンの家だったんだけど、レスリーがティ・ロンのことがこわくてこなかったんだ。」と言っておりました。それがほんとの理由かどうかはわかりませんが、ティ・ロンは香港映画界においては大先輩なわけですから、私も本人に会うとなったら、ちょっとビビるかもしれませんね。
ちなみにこの作品は、1987年4月にGW作品として、東京は渋谷東急系で公開されましたが、残念ながらさほどヒットはしませんでした。映画は公開1週目の土日月の数字で、いつまで公開するかを決められてしまうのですが、確か4週間で終わったと思います。しかしながら、映画は普通、2週目は1週目の7割ぐらいの数字で、週が進むごとに数字が落ちていくのですが、『男たちの挽歌』は落ちないままに終わったそうです。きっと観た人たちの口コミなどがあったのでしょうね。今では誰もが知っているこの題名ですが、作品がブレイクしたのはビデオになってからで、この作品と翌々年の『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の日本公開が、香港映画のビデオのソフト化を加速させていったのでした。

東京音楽祭

2006-05-21 17:50:34 | Weblog
昔TBSで、東京音楽祭という音楽イベントを放送していたのを覚えていますか?確か1988年まではテレビで放送されていたと思いますが、いつの間に消えてしまった国際的な音楽祭でした。この音楽祭にはアジア予選大会というアジア枠があって、私のうろ覚えの記憶では、本大会に進出した、レスリー・チャン、アニタ・ムイ、サリー・イップ、アラン・タムが歌ったのを見た記憶があります。
この音楽祭はレスリーもいろいろ縁があるようで、同じ事務所のアン・ブリジットウォーターのアジア予選のつきそいや、89年では特別ゲストとして音楽祭に出席するために来日しています。
今思えば、当時は香港の音楽のことにあまり興味がなかったので、ほとんどテレビの録画をしていなかったのですが、1980年代の香港音楽シーンを垣間見ることのできる唯一の番組だったことを考えると、今さらながら、録画しとけばよかった~と、後悔しきりです。
時々、TBSのBS放送であるBS-iで、東京音楽祭の日本のアーティストをまとめた番組とかが放送されていますが、まだ、アジアだとか、海外のアーティストを放送したことがないようなので、ぜひ放送してほしいなあと願うばかりです。でも、個々のアーティストに放送の許諾を取るのは大変だろうなあ。

父子

2006-05-20 23:10:30 | Weblog
香港フイルムマーケットのなかでは、映画の買い付け交渉のほかに、投資セミナーなども行われていたのですが、めずらしく映画の製作発表が行われました。『父子』は、香港ニューウェーブの映画作家に多大な影響を与えたパトリック・タム監督の、なんと15年ぶりの新作です。あのウォン・カーウァイ監督が最も影響を受けたともいわれ、日本でも『レスリー・チャンの嵐の青春(烈火青春)』、『最後勝利』、『風にバラは散った(殺手胡蝶夢)』等の作品がソフト化されているので、ご存知の方もたくさんいるでしょう。さて、この『父子』は、アンディ・ラウのフォーカス・フイルムが製作、そして主演がアーロン・クォック、チャーリー・ヤン、ケリー・リン等、記者会見も監督や主要キャストが顔をそろえ、華やかに行われていました。
こりゃ見にいかなきゃと、会見場にもぐりこんだのですが、びっくりしたのは、質問時間になっても、香港のマスコミは誰も質問しなかったこと、そして写真を撮ることばかりで、会見としてはあまりいいものではありませんでした。悲しいというか、香港のマスコミのレベルの低さみたいなものをちょっと感じたのでした。宣伝の立場だと、こうゆう時はさくらを用意したりもするのですが、そうゆう気の使い方がいっさいなかったのが、せっかくの会見をしらけさせたように思ってしまったのです。
あとちょっと笑ってしまったというかあきれたというか、出席者が挨拶をするのにだいたい1分ぐらいで終わるのですが、アーロンだけは延々と10分近くしゃべっておりました。さすがに英語に翻訳しなおす司会者も簡単に訳しておりましたが、もう少し短いほうがいいのではないかい、と思ったほどでした。
まだ作品は完成していないようですが、秋のベネチアだったかベニスだったか、映画祭に出品するとのことです。
タム監督の久々の演出とアーロンがどんな演技をしているのか、ちょっと楽しみですね。

未来予報2011

2006-05-19 17:27:08 | Weblog
昨晩、テレビをザッピングしながら見ていたら、日本テレビの「未来予報2011」に香港政府観光局の山本さんが出ていてびっくり!いつも香港映画の宣伝の時にはいろいろとお願い事を頼んでお世話になっているのですが、今回はゲストの森泉さんの未来予報で「2010年に香港のホテルが今の1.6倍になる」というワードでの出演でした。森さんが今年の日本の香港観光大使に選ばれていて、その宣伝をかねてるところもあったのですが、香港では夜8時から13分間の間、高層ビル群から放たれるレーザーショーをやっている、とか、香港とマカオをつなぐ橋ができる、とか、空港の隣に巨大ショッピングセンターや映画館、ゴルフ場ができる、などというお話をしておりました。観光局からもいろいろな冊子とか送られているのですが、ろくすっぽ読んでいなかったというか、へぇ~、へぇ~、へぇ~という情報ばかりでした。
さて、香港映画界の未来予報は?というと、ん~、どうでしょう。なにぶんにも資金を出してくれるところがないので、けっこう四苦八苦しております。ここ数年の状況を見ていてもわかると思いますが、中国からの投資だったり、ハリウッドとのジョイント、または人件費の安いタイでの製作と、四方八方に手をつくしながら作っているという状況です。映画の製作本数も絶頂期の1/3ほどにも減っていますし、そのために俳優たちもテレビドラマへの出演が多くなっているほどです。人材もなかなか育たず、結構悩みが多い香港映画界なのです。

ショウ・ブラザース第参期

2006-05-18 23:58:25 | Weblog
昨年からキングレコードで発売しているショウ・ブラザースのDVDを監修しているのですが、現在第弐期25本を順次発売しています。そして来年の2007年には第参期の30本を発売するのですが、ティ・ロンが出演した武侠片と、大都会電影という1990年代に作品を作っていた会社の作品などが入っています。キングレコードのHPでラインナップ発表をそろそろする予定なのですが、前にここでも情報を出した『赤脚小子』『審死官』もそのなかに含まれています。そして、新たな情報発表すると、『破壊之王』『魔界ドラゴンファイター』や『十萬火急』といった作品、『冷血十三鷹』『亜細亜秘密警察』『悪客』なども発売することになってます。
あとはまたご紹介いたしますね。