電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

ファースト・ミッションその19

2006-09-14 20:47:27 | Weblog
松竹の邦画番線に組み入れられた『ファースト・ミッション』ですが、これは当時、松竹の番組自体、なかなかヒットがなかったために、松竹富士の製作作品だった早見優主演の『キッズ』との2本立てで公開されることになってました。『キッズ』の方が私にとっては担当作品だったのですが、『ファースト・ミッション』担当となったので、個人的にはやれやれでしたが、しかし、プロデューサーの奥山さん(当時の松竹副社長の奥山融氏の息子)にそのことを伝えていなかったので、『キッズ』のエンドクレジットの宣伝担当のところに私の名前がクレジットされてしまい、後ですごく怒られたのでした。
いよいよ公開初日です。私は新宿松竹の担当として劇場に向いました。場内はほぼ満席でまあまあのスタートでしたが、やはり2本立ということもあり、上映回によっては入りの良し悪しがはっきりしていました。もちろんお客さんは『ファースト・ミッション』目当ての観客が多かったように思われます。最終的には全国興行収入7億円という数字で、松竹初のジャッキー作品としては物足りないものでした。やはり、東宝東和や東映で公開されたジャッキー作品に比べると、アクションの派手さが足りなかったのかもしれません。
ところが、公開されてからファンクラブのある四谷の事務所に行った時に、こうゆう話を聞いたのです。「ファンクラブの入会が増えているんですよ。」それはなぜか?それまでのジャッキー作品はアクションと笑いが中心の作品が多かったのですが、この『ファースト・ミッション』は兄弟愛あり、ジャッキーが刑務所に入れられるシーンあり、そしてラブシーンまであるといった、それまでのジャッキー映画とは雰囲気が違った作品だからでした。これこそ作品のキャッチコピーの「こんなジャッキー見たことない!」というフレーズが当てはまるほど、女性のハートを掴んだのでした。でも、いろいろと内情のある作品だったために、このことは外に言わないでほしいとファンクラブからは言われたのでした。
私にとって1985年の長い夏は終わりました。


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