電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

食のこだわり

2006-11-30 04:47:11 | Weblog
先日、打ち合わせにために銀座をてくてく歩いていたら、香港の有名レストランの東京店である福臨門酒家が別の場所に移動していました。前は日本ヘラルド映画があった場所の先のビルの1Fにあって、個人的には3度行ったことがありますが。なにせ夜は幾ら払うことになるかわからないほど、超びっくりの金額なので、せいぜい昼間の飲茶が関の山。それでも飲茶一皿1000円です。
初めて入ったのは某雑誌の忘年会でとにかくこれがうまかった。2回目は倉田保昭大先生に緊急に頼まれて、『黄龍/イエロードラゴン』の製作発表会をその忘年会で使われていた場所で行い、なんと料理を注文すれば場所代はないということだったので、記者さんたちに飲茶を楽しんでもらっての記者会見という、めずらしい会見を開いたのでした。その効果か、次の日のスポーツ紙にはけっこう記事が出ていたのでした。
そして3回目は、その『黄龍/イエロードラゴン』の初日に、主演の宮本真希さんと彼女のマネージャーさん、そしてマネージャーさんのお友達と4人で初日お疲れ会をした時に飲茶をしたのでした。
前にもブログで中華料理のことを書きましたが、香港映画にどっぷりはまるとなぜか中華を食べることが多くて、人数集まると中華料理が定番になってしまいます。この中華のいいところは、いろんなお皿を頼んで、皆でわいわいいいながら食べること。これがまた楽しいわけです。
香港に行くと、この食へのこだわりは強くなります。とにかくおいしいものを食べたい。それが食への探求へとつながります。ツイ・ハークとつながりができた頃、ツイさんのスタッフ、というか、テレンス・チャンだったり、他のスタッフだったり、いろんな人たちとランチしたりしましたが、彼らも連れていってくれたレストランで食の話をよくしてました。そこのレストランの料理についていろいろ説明してくれるのです。でも、いちばん面白かった話は、「猿の脳みそなんか食べないよ。」ということでした。
それと、これは私の師匠が話していたのですが、「女優であっても食べ方がなあ~」ということをよく言っていたのですが、香港の人の食べ終わったテーブルを見ると、確かに・・・・というのがあります。なにせテーブル片付けるのに、テーブルクロスごと片付けているわけですから、初めてそれを見た時はびっくりしました。
香港映画を観ていると、この食のシーンがよく出てきます。映画の中でもこの食のこだわりがあるので、ぜひそこを観てみるのも面白いかもしれませんね。

上海ブルースその3

2006-11-28 23:31:39 | Weblog
『上海ブルース』は宣伝予算がほとんどない作品だったので、省エネ的宣伝となったわけですが、まず、ポスターパターンとキャッチコピーをどうするか、ということですごく悩みました。なにせ、アクションやホラー以外でこういったハートフルな香港映画を公開するなんてほとんどなかったことと、主演者たちの知名度がまったくないということが悩みのタネでした。
シルビア・チャンは『悪漢探偵』シリーズ、サリー・イップは『鉄板焼』が公開されているものの、やはりツイ・ハーク押ししかない、というのがこの作品の宣伝だのみとなったわけです。
コピーも「上海の夜はハートウォーミング」という、私の考えたコピーも、今読み返すとはずかしいコピーだなあ、と感じてしまうのですが、それだけハート・ウォーミングな映画という風に売りたかったのでしょうね。もし、今この作品にキャッチコピーをつけるとすれば、どんな風にするだろうな。ん、ん、ん~。

ブルース・リー生誕日

2006-11-27 22:50:45 | Weblog
11月27日って何の日だったっけ???去年初日の映画日だったかなあと、最近ボケが始まっていて何か思い出せないでいたら、あ、ブルース・リーの生まれた日、ということに気がつきました。
今日の朝、朝日新聞の朝刊に「広東省でブルース・リーの博物館を作る」という記事がでていたので、なんでまたと思っていたのですが、こうゆうことだったということで納得。亡くなって33年が経つのに、今だブルース・リー人気は衰えずというところです。なにせ、香港での主演作品+亡くなってから作られた『死亡遊戯』と、その後、倉庫に眠っていたフーテッジをつなげて作った作品しかないわけですから、ファンにとっては新しいもの見たさがつのるばかり。一時期、韓国で、CGでブルース・リー作品を作るという企画までありましたが、いつの間にか立ち消えになってしまいました。
日本でブルース・リーの『燃えよドラゴン』が大ヒットとなった1973年は、私はちょうど中学生になったばかりでしたが、当時、テレビで映画情報をやっていた「スーパージョッキー」や品田雄吉、今野雄二、両氏の解説による映画特集があった「11PM」のリーとオハラの対決シーンの映像を観て、早く観たい!とドキドキさせていたものです。当時は、映画雑誌はロードショーを読んでいたのですが、映画紹介のページにこの作品が載っていた時、「この中国人が出ている映画、なんなんだろう」と不思議に思ったのが、この作品に興味を持った第一歩でした。
たしか、うちの田舎の映画館で観たのは、12月の公開1週目のすぐ、親に内緒で観に行きました。(田舎は学校推薦映画以外を観るとうるさかったので)その後、1月に父親と観に行きましたが、その時、同時上映がアラン・ドロンの『スコルピオ』で、それを挟んで2回観たわけです。(当時は入れ替え制なんかなかった)その後、どうしても映画のちらしとかほしくて、映画会社に手紙を出したら、「燃えよドラゴン新聞」が送られてきて、もう有頂天になりました。
今、考えてみると、その後、第一次映画ちらし集めブームというのが起こったわけですが、これももしかすると『燃えよドラゴン』が影響しているのかもしれませんね。

テレビドラマを見る~「プライド」

2006-11-26 18:48:09 | Weblog
この2年あまり、韓国から中華圏まで、映画以外のありとあらゆるテレビドラマのソフトが発売されるようになりました。でも、あまりに発売ラッシュなので、観るには追いついていきません。
映画の宣伝の仕事をしていると、実は映画を観る時間も無いという状況で、いつもブログには書いていますが、DVDも貯まるばかりで、どうもいかんなあというのが、今の私の現状になっております。
さて、テレビでは深夜にTBSが「花より団子2」の前番宣みたいな感じで「流星花園」を放送しているので、深夜ながらついつい観てしまい、また「宮~」もHDデコーダーで録画して翌日観るといった感じなのですが、近所にTSUTAYAがあって、半額レンタルになると、時間もないくせになんやらかんやらと借りてしまいます。
で、本日返さなければいけない、ニコラス・ツェー、ディッキー・チョン主演の「プライド」第1~3話を鑑賞しました。
香港は映画が低調なだけに、俳優もスタッフもテレビドラマ進出が多くなっていますが、でも、昔のドラマに比べて格段にレベルがあがっているので、なかなか楽しく鑑賞することができます。
第一話でいきなりチョイ・カムコンが登場してきたのは、私にとってのツボでしたが(なにせ一時期は3級片の帝王でしたから)、ニコラスがまたかっこいいニヒルな役で登場するので、おっ、と思わず身を乗り出してしまいます。アクションも映画的なカメラワークなので、見ごたえあり。ヒロインのファン・ピンピンもかわいいし、主役3人の三角関係模様がこれからどうなるのか、すごく楽しみです。
しかしながら、この作品の製作出資が大陸であるというところからみると、映画同様にテレビドラマも大陸の資金なくしては作れない、今の香港の弱体化が気になるところです。

2007年1月下旬~2月上旬発売のアジア作品

2006-11-25 16:41:13 | Weblog
2007年1月下旬~2月上旬に発売されるアジア映画のDVD(セル)作品です。

中華圏(香港・大陸・台湾)
1/17
『インファナル・アフェア 3部作』DVD-BOX
監督:アンドリュー・ラウ 出演:アンディ・ラウ
1/19
『墨攻 ナビゲートDVD(仮題)』
1/21
「完全版 水滸伝」DVD-BOX(全9巻)
「曹操」1~10巻
1/26
『愛と死の間で』
監督:ダニエル・ユー 出演:アンディ・ラウ
「レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター書剣恩仇録」DVD-BOX
監督:ウォン・ウェイミン 出演:チウ・マンチェク
「恋する爆竹」DVD-BOX2
監督:ウー・ズォンドー 出演:フー・ビン
1/27
『心の香り』
監督:スン・チュウ 出演:フェイ・ヤン
『五人少女天国行』
監督:ワン・チン 出演:シェン・ロン
2/2
「イルカが猫に恋をした」DVD-BOX
監督:チャン・チョンイー 出演:エディ・ポン
2/7
『黒薔薇VS黒薔薇』
監督:ジェフ・ラウ 出演:レオン・カーファイ
『黒薔薇VS黒薔薇2』
監督:ジャッキー・パン 出演:レオン・カーファイ
2/9
「アウトサイダー 闘魚<セカンドシーズン>」コレクターズボックス1
出演:ディラン・クォ
韓国
12/20
「怪傑春香」DVD-BOX
出演:ハン・チェヨン
12/22
「リュ・シウォン 愛するまで」パーフェクトBOX4
監督:ヨム・ヒョンソブ 出演:リュ・シウォン
1/25
「スマイル・アゲイン」DVD-BOX
監督:ホン・ソンチャン 出演:イ・ドンゴン
1/26
『グエムル~漢江の怪物~』
監督:ポン・ジュノ 出演:ソン・ガンホ
『デイジー アナザーバージョン』
監督:アンドリュー・ラウ 出演:チョン・ジヒョン
『春の日のクマは好きですか?』
監督:ヨン・イ 出演:ぺ・ドゥナ
「私の名前はキム・サムスン」DVD-BOX2
出演:キム・ソナ
「あなたは愛と言う 私は欲望だと思う」
出演:キム・ジェウォン
「フェイク・ブラインド・デート」
出演:キム・ジョンフン
「真心の斧」
出演:クォン・サンウ
1/27
「ホジュン~宮廷医官への道」BOX5
監督:イ・ビョンフン 出演:チョン・グァンヨル
2/2
『愛の傷』
監督:ユ・サンウク 出演:キム・ユミ
「宮(クン)~Love in Palace」BOX1
監督:ファン・インレ 出演:ユン・ウネ
『笑顔の記憶~one fine day~』
監督:キム・ナムウォン 出演:キム・ミンジュン
2/7
『スーパースター★カム・サヨン』
監督:キム・ジョンヒョン 出演:イ・ボムス
2/9
「生き残った者の悲しみ」パーフェクトボックス
監督:イ・ミンホン 出演:イ・ビョンホン
3/14
「ソン・スンホン アジア ファンミーティング」(仮題)

明25日公開のアジア作品

2006-11-24 21:04:30 | Weblog
明日25日公開のアジア作品はないですが、『暗いところから待ち合わせ』にチェン・ボーリンが出演ということで、明日は初日舞台挨拶があるようです。田中麗奈との組み合わせがよくありますが、日本のマネージメントの関係でこの二人のカップリングが続いているような気がします。もっと正しい意味でいうと、田中麗奈を主演によく使う製作会社とチェン・ボーリンの日本のマネージメントが同じということですかね。
※その後、知り合いからメールがきまして、上記の件、マネージメントは関係なくて、まったくの偶然です、というのをいただきました。ちょっと言葉たらずになっていますが、チェン・ボーリンのマネージメントをしている日本の会社(配給・製作やってますが)が、田中麗奈主演の作品を何本かやっているので、そう思った次第でした。



それから『ウィンター・ソング』のてこ入れなのか、25日と26日の両日、先着100名にポストカードプレゼントという広告がでてました。(東京:有楽町スバル座、新宿武蔵野館、池袋HUMAXシネマ)まだの方、この際に行くっているのもどうでしょうか?

個人的な仕事情報ですが、2007年1月にTOHOシネマズ六本木ヒルズで公開の『ルワンダの涙』という作品を宣伝中です。今年の1月に『ホテル・ルワンダ』という作品が公開されましたが、アフリカのルワンダ共和国で1994年4月に起こった虐殺事件の、事件に遭遇した白人側の視点で描かれた作品です。英国BBC放送が製作し、ジョン・ハート、ヒュー・ダンシーと、イギリス映画の新旧イケメン俳優主演の社会派ドラマです。最近は日本の世の中もいろんな事件が起こっていますが、人のあり方、国のあり方を考えさせられる作品です。
最近はとんとアジア映画に縁がない、私です。

上海ブルースその2

2006-11-23 22:12:05 | Weblog
ツイ・ハーク監督が来日した時に、いちばん質問を受けていたことは、『上海ブルース』が日本の「君の名は」というすれ違いドラマで有名な作品によく似ている、ということでした。確かに最初、この作品を観た時はそう思うのですが、実際は、1930年代の有名な上海映画である『十字路』という作品からイメージした作品だということを、ツイ監督は語っておりました。
ところで皆さんは上海映画って観たことありますか?たぶん皆さんがそのイメージのものを観ているとすれば、マギー・チャンが実在した女優を演じた『ロアン・リンユイ』がまさにその時代を描いた作品であると言えるでしょう。
海外との貿易で栄えていた上海は、1930年代がもっとも華やかな時代で、たくさんの映画が作られていました。香港映画も『上海グランド』や『ゴッドギャンブラー3』等、その時代を背景にした作品が数多くありますが、繁栄の中に貧富の差が大きな時代だったのもこの時代でした。以前、東京の竹橋にフイルムセンターがあった時、「1930年代の上海映画特集」というプログラムが上映され、本物のロアン・リンユイ主演の作品等、何本か観に行きました。そこで描かれている内容はというと、貧しさのあまり農家から売られて都会に出てきた女性の話だったり、どろどろの恋愛話だったりと、今の中国映画とは比較にならない内容のものばかりでした。でも、何か惹かれる魅力をそれらの作品は持っているのです。
『上海ブルース』はそんな古き良き時代の雰囲気と、香港映画の特徴である笑いをうまくブレンドさせた作品であるといえるでしょう。


上海ブルースその1

2006-11-22 19:07:25 | Weblog
『上海ブルース』は、ツイ・ハーク作品の中でも高く評価された作品の1本です。この作品が日本で公開したのも、ベストロン映画が『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』を買い付けた時に、おまけみたいについてきたというか、ツイ・ハークサイドが、「安くていいよ。」という格安の値段で売ってくれた作品でした。当時としてはほんと格安ですが、この作品自体、朝日新聞の文化欄で、映画評論家の小野耕世さんが海外の映画祭で観て高い評価をした記事が出ていたこともあり、買い付けたという経緯もありました。
でも、当時、香港映画はエンタテインメント性のある作品しか劇場公開されなかったことや、今でいうミニシアターといえば、シネマスクエアとうきゅう、今はなきシネヴィヴァン六本木、キネカ大森、ユーロスペース、そしてシネセゾン渋谷しかない時代でした。
さて、この作品をどこへブッキングするか、というところで出てきた話が、シネセゾン渋谷のレイトショーはどうだろうか、ということになったわけです。もちろん、今ではレイトショーは当たり前になりましたが、レイトショー上映なんて当時はめずらしい興行でした。当時の利点とすれば、宣伝予算をそんなにかけずに劇場公開できるというメリットでした。
『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』がひと段落した後で、この作品にとりかかったわけですが、実は東京ファンタでツイ・ハーク監督が来日するにあたり、この作品もインタビューのときに聞いてもらわなければということで、1988年10月の段階で、この作品に字幕を入れ、インタビュアーにも観ていただいたのでした。

チャイニーズ・ゴースト・ストーリー最終話

2006-11-21 13:54:05 | Weblog
いよいよ、『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の話も最後になりました。私がベストロン映画を退社した後も、このシリーズは全てベストロンが配給し、ビデオ発売もされました。ビデオ時代の到来とともに、この作品が日本における香港映画のイメージを変えたことは間違いない、と思っております。
さて、この映画によって、業界内で私のイメージが決定づけられたわけですが、私にとってこの作品は今の自分にとっての大きな財産になったわけです。宣伝プロデューサーとして、コンセプト、コピー、ポスター案、全てにおいてこの仕事が今の私にとっての原点です。最近、レンタルビデオ屋においてある『ヤングガン』のビデオを借りて、その中に収録されている『チャイニーズ~』の劇場予告を見ましたが、よくもまあこんな予告を作ったなあと、恥ずかしさでいっぱいになりました。
それもまた懐かしい思い出のひとつです。
ただ、残念だったことが一つ。この作品の東京公開が終わった後に、レスリーが東京音楽祭のゲストで再来日するというのを聞いたときに、お花をだそうかどうかでうだうだしているうちに、仕事の忙しさにかまけてすっかりそのことを忘れてしまったということ。それをちゃんとやっとけば、もう少しレスリーに覚えていてもらっていたかも知れません。
今回は覚えている範囲で書き連ねていきましたが、まだ保管してどこかに眠っている資料を読み返すと、またいろんなことを思い出すかもしれません。その時は再度まとめてどこかで発表できればと思っております。
以上、『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』のお話は完結となります。

傷城

2006-11-19 12:34:10 | Weblog
香港のサイトで新作情報を探していたら、『傷城』の情報がちらりほらり出てきたのですが、予告映像は見れないので、かのYou Tubeを検索したところ、ぞろぞろと出てきましたよ。中国版、香港版、台湾版の予告と、まずは覗いてみてください。
傷城/YOU TUBE
ピアノの音が静かに流れるこの予告、香港映画っぽくないですねえ。でも、期待大です。

チャイニーズ・ゴースト・ストーリーその24

2006-11-18 18:20:28 | Weblog
『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の日本公開においていちばん特をしたのは誰か。それはジョイ・ウォンです。こちらの宣伝戦略が見事にはまり、この1本で日本において一躍知られるようになりました。これは宣伝プロデューサーとしてはうれしいかぎりなのですが、ムッとすることが一つだけありました。それは当時、彼女と契約した日本の芸能プロの某女社長が、「私が『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』を日本に持ってきて成功させた。」と方々で言っていたということです。これにはさすがにまいりましたが、この芸能プロは、その後、所属タレントとジョイを共演させた『スパイゲーム』なる映画を作り、撮影現場でいろんなことが起こって、結局はとんでも映画になってしまいました。
しかしながら、ジョイ・ウォンは、アジア女優として(過去、アグネス・チャンやテレサ・テンはいますが)初めて日本のCMに出ましたし、その後、2時間ドラマの「香港から来た女」や『北京原人』などに出演と、たった1本の映画で日本で有名になったわけですから、少しは私に感謝してほしいところですが、90年代に入ってそのわがままぶり(ある作品であのジミー・ウォングを怒らせた)とスキャンダルであっという間に干されてしまいました。そして今世紀に入って引退宣言と、めまぐるしい芸能活動になってしまったのでした。
実は某知り合いから、数年前に一時期日本に住んでいたこともあると聞き、カナダに留学して勉強し、その時に哲学を勉強してからまっとうになったとも聞きました。それがきっかけで引退したという話もあるようですが、個人的に思うことは、ジョイは『スウォーズマン 女神復活の章』や『華の愛 遊園驚夢』のような古装片や男装の麗人といった、ちょっとビアンが入ったような作品がよく似合うと思っているので、もう少しそういった作品での彼女を観たかったと思っております。

明18日公開のアジア作品

2006-11-17 14:23:06 | Weblog
明日18日(土)公開のアジア作品です。

『家門の危機』韓国映画
監督:チョン・ヨンギ 出演:シン・ヒョンジュン、キム・ウォニ
韓国最大のヤクザである白虎組の女ボスには3人の息子がいるが、跡取り息子となる長男がなかなか結婚しないので危機感を持っていた。彼は交通事故で亡くなった恋人のことを忘れることができなかった。ところがあるきっかけで一人の美しい女性を助ける。その彼女は死んだ恋人と瓜二つ!ひとつのきっかけが二人を恋の世界に引き入れるのだが、彼女は敏腕美人検事でやくざ撲滅に命をかけていたのだった。相対する世界にいる二人が恋をしたことで巻き起こる騒動を描いたコメディ映画。さて、どのくらい笑えるのか。
東京:シネマート六本木にてロードショー

『雨音にきみを想う』香港映画
監督:ジョー・マ 出演:ディラン・クォ、フィオナ・シッ
不治の病で入院中の兄と彼の娘の面倒を見る女性と、凄腕の泥棒で一匹狼の青年が出会い、心を通わせていくラブ・ストーリー。監督のジョー・マは青春ものやコメディ作品で定評がありますが、台湾の新星ディラン・クォと若手注目女優のフィオナ・シッのフレッシュな顔合わせが注目の作品です。
東京:新宿武蔵野館にてロードショー


秋の興行は全体的に低調ぎみ。興行収入ベスト5に入っている4本は邦画で、特に1位になっている『デス・ノートTHE LAST NAME』はダントツの入りです。明日は若い女性たちが観たい!(うちの女性スタッフも全員観たいと言ってますが)と話題の『プラダを着た悪魔』が登場します。題名がすでにファッションアイテムなので、大ヒットするような感じがしますが、さて。
ちなみに先週公開された『ウィンター・ソング』はやはりというか、かんばしくない状況です。個人的には単館向きと思っていたので、ちょっと劇場館数多いような感じがしたのですが、まだご覧になられていない方は、はやく観に行ったほうがいいかもしれませんね。

チャイニーズ・ゴースト・ストーリーその23

2006-11-16 19:09:42 | Weblog
話は再びパート2のほうに戻ります。ベストロン映画では、なにがなんでも2を買うということになりました。まだ撮影が始まっていたので、宣伝からあるリクエストをしました。それは撮影現場の映像をなんとしても撮ってほしいということでした。今ではメーキングなんて当たり前のようにありますが、当時はそんな発想はまったくありません。例えば、ジャッキー・チェン作品のように取材を香港に連れて行ったり、特番用で日本からクルーを連れて行ったりしていましたが、香港で映像を撮っていてほしいというリクエストはなかったわけです。電影工作室からは了解の返事がきたのですが、ただ向こうからの要望が出てきました。それは制作するにあたっての費用を出して欲しいということでした。
会社は毎日のように向こうと交渉していましたが、結局、制作費を出すということでGOになりました。しかし、その金額を聞いてびっくり!割と高い金額だったのですが、それでもいいからということで、このメーキング・プロジェクトも動き始めました。それが「メーキング・オブ・チャイニーズ・ゴースト・ストーリー2 ジョイ・ウォンの全て」というビデオになったのですが、私はこのビデオが完成する前に会社を退社していたのでした。でも、今となっては貴重な映像資料となっていますが、DVD時代になってもこのメーキングが特典映像として出てこないのは、かなり不思議に思っています。

チャイニーズ・ゴースト・ストーリーその22

2006-11-15 23:17:54 | Weblog
話はちょっと前に飛びますが、『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の宣伝で使った衣装ですが、ツイ・ハーク監督が来日した際に一度着て、そして次に着たのは「タモリ倶楽部」の映画宣伝マン大会でした。当時は「タモリ倶楽部」の次が「ショウビズ・トゥディ」というアメリカの映画情報番組があったので、業界視聴率もよかったのですが、「タモリ倶楽部」の映画宣伝マン大会の視聴率が高かったということもあり、春と冬にはかならずオンエアされていたのでした。私も第一回から出演していて、ちょうどこの作品の宣伝は第四回でした。場所は生田スタジオの外。この外というのは、ちょうど宅地造成をしていて、車もほとんど通らないような場所だったので、ここでマラソンクイズ大会を行うことになったのです。タモリさんが荷台に乗ったトラックを宣伝マンたちが走って追いかけながら、クイズを答えて行くという、まさに体力勝負の宣伝マン大会でした。私はあの衣装を着て走ったのですが、実はあの衣装は非常に走りづらい。結局走っている途中に気持ち悪くなって、リタイアしたのでした。
その後、この衣装はというと、会社内の倉庫にあったはずで、私が会社をやめたあともパート2の宣伝で使用していたみたいですが、会社自体がなくなってしまったので、たぶんそのまま処分されてしまったのだと思います。今、これが存在していたら、たいへんなお宝だったでしょうね。

チャイニーズ・ゴースト・ストーリーその21

2006-11-14 20:07:27 | Weblog
映画の興行はうまくいきませんでしたが、会社にとってはそれ以上に大きな利益を生みました。まず、ビデオは香港映画としては30000本という大ヒット、そしてテレビ権はフジテレビが購入し、ゴールデンタイムの番組であるゴールデン洋画劇場のお盆企画として放送されました。これがあったからこそ、パート2の権利も1よりも倍の買い付け金額だったにもかかわらず、ベストロン映画は購入したのでした。ただ、この話が浮上した頃、パート2にはある俳優の名前が出演予定でした。それはチョウ・ユンファだったのですが、正式な資料が来た時にはその名が消え、ジャッキー・チュンに変更していたのでした。
私にとってこの仕事が大きなプラスになったことは、まず、香港映画=私のイメージがこの作品で決定づけられたことでした。今、私がこうやってブログを書いているのも、この作品に出あったことが大きいわけです。それからもう一つは、ツイ・ハーク監督と奥さんのシー・ナンサンにすごく褒められたことでした。なぜならば、この作品の宣伝キャンペーンが香港の新聞や雑誌に大きく取り上げられたからでした。それはこれまでの香港映画の日本キャンペーンといえば、ジャッキー・チェンぐらいしか知られていなかったそうですが、それ以外の作品で大きく取り上げられたことが二人はたいそう感激したということだったのでした。それがあったからこそ、その後も二人と付き合いを持つことができたのですが、当時はそんなに凄い人たちとはあんまり思っていなかったのが率直な感想でした。でも私にとってはこの関係がいろんな香港映画人と知り合いになるきっかけでもあったわけです。